丸山隆平主演。Bunkamura Production 2024『ハザカイキ』開幕!「今の時代にフィットした、すごくいろんな見方のできる作品です」
2024年3月31日(日)、THEATER MILANO-ZaにてBunkamura Production 2024『ハザカイキ』が開幕した。
鋭い感性とリアルを追求した演出で、現代の若者の生態と人間の本質を描き、賛否渦巻く衝撃作が代名詞である三浦大輔。3年ぶりの新作となる本作は、芸能界を舞台に、現代という時代に振り回されながら葛藤し続ける人間たちのゆらぎを、三浦独自の視点で浮き彫りにする会話劇だ。
芸能記者である主人公・菅原裕一を演じるのは丸山隆平。その親友役を演じるのは勝地涼。熱愛疑惑をリークされる国民的タレント・橋本香を演じるのは恒松祐里。香の父・浩二役を演じるのは風間杜夫。ほか、菅原の恋人・鈴木里美役にさとうほなみ、香との熱愛疑惑をリークされる人気アーティスト・加藤勇役に九条ジョー、香のマネージャー・田村修役に米村亮太朗。香の友人で熱愛をリークする野口裕子役に横山由依、浩二と離婚した香の母・智子役に大空ゆうひと、様々なジャンルで活躍する豪華俳優陣が結集した。
初日の本番直前に開催された囲み取材には、丸山、勝地、恒松と、作・演出の三浦大輔が登壇。作品に対する思いや、開幕への意気込みを語った。
主演を務める丸山は、「今朝、SUPER EIGHTの安田章大さんから“がんば!”みたいなLINEをいただきました。彼もこれから舞台(の本番)なので、そういう仲間のことも支えに、最後まで本当に無事に安全に走りきれたらなと思っております」と、メンバー愛溢れるエピソードを交えつつ、座長らしい気遣いを見せた。
三浦と初タッグとなる勝地は、「僕は初めて三浦さんの書いた本を読んだときに、“これだよ! マジこれだよ!”と思ったんです。“スッキリしたわ!”と思ったんです。なので、それを届けられれば」と、熱量高くコメント。
女優という職業柄、自身の立場と重なる部分のある恒松は、「(熱愛を)スクープされてしまうなかで、香の人生がどんどん変わっていきます。それが自分自身と向き合うきっかけにもなり、自分のなかで整理をしていって、最後にすごく大きな見せ場のある役どころです……お楽しみに!」と、笑顔ながらも決意のある言葉を紡いだ。
本作を制作することになったきっかけを聞かれた三浦は、「とあるシーンを舞台上でやりたくて、この構想が始まりました。そこから7年経って、ここまで時代とフィットするとは僕も予想外なんですね。なので、本当にこの時期に見るべき作品になったなと強く思っています」と説明。
さらに、丸山に出演をオファーした理由を問われると、「作品を見てもらえばわかると思いますが、丸山くんの素というか、普段のテレビとかで見ている丸山くんの地をそのまま生かして演じてほしいなと強く思っていて。もちろん丸山くんは週刊誌の記者ではないですが、自分の仕事とリンクする部分も演じてくれている」と、丸山への期待を語った。
また、キャスト陣には、芸能記者に対するイメージを問う質問が。恒松の「ずっと外で、寒い思いをしながら張り込んでいる人たちというイメージ……あんぱんとか食べながら」という回答に、「それは刑事じゃない?」と勝地がツッコむなど、カンパニーの雰囲気のよさが垣間見える場面も。
「まぁ、僕もいろいろありましたから」と自虐ネタで笑いを誘った勝地。「昔、つけ麺屋さんからめちゃくちゃカッコつけて出てきた瞬間を(週刊誌に)撮られたんですよ。聞いたら、記者の人はほかの人を追っていたんだけど、空振りに終わって。メシでも食おうかって(ラーメン店へ)行ったら、勝地がのん気につけ麺を食べていたという記事になったらしくて」と、過去のエピソードを披露すると、「それを読んで誰がおもしろいんだろうと(笑)。でも、そういうのも含めて有名になっていくということなのかな、とも思ったので。撮られる=うれしいことというのもあるなっていう……複雑ですよね?」と、丸山へ視線を送る。
それに応えて、「複雑!」と大きく頷く丸山。「(週刊誌に)撮られなくなっても終わりやろうし。でも、撮られたら終わりでもある」と続け、会場が笑いに包まれた。
今回、舞台初共演となる丸山と勝地。「本作では親友役を演じるが、実際に二人は親友になったか」と問われると、「1、2カ月ではならないですね。でも、これからどんどんどんどん(親友に)なっていけたら」と答えた勝地。丸山は、「舞台では(勝地は)大先輩なので、いろいろとアドバイスをいただいたり。稽古期間中には“ちゃんとせぇよ”と言っていただきました」と稽古場でのエピソードを披露。
その言葉にすかさず反応し、「ほら、変な切り取り方されるから!」と茶化す勝地に、丸山は「それは劇をよくするためにということで。でも、なかなかそうやって言ってくれる人って……もう僕も40なので、なかなかいなくて。だからすごくうれしかったし、本当に助かっています」と感謝の意を述べた。
丸山には、本作のタイトルにちなみ、自身の所属するグループの名前が変わるという“端境期”についての質問も。「いろんな段階を経てのことですし、グループ名を変えるというのは自分たちで決断したこと。今年は(デビューの)周年でもあるので、グループにとってもいい端境期になったんじゃないかなと思います」と率直な思いを語った。
最後に、キャストを代表して丸山が「『ハザカイキ』は今の時代にフィットした、すごくいろんな見方のできる作品です。社会的なものを題材にしていると思う方も多いかもしれませんが、一つの週刊誌の記事によって、いろんな人たちの生活のいろんな場面で何かが変化していったり。何かを受け入れたりとか、許したり許されたりとか。そういうことを思い起こせるような作品になっていると思いますので、じっくりと味わって帰っていただければと思います」とメッセージを送った。
文:林桃
撮影:福山楡青
公演概要
Bunkamura Production 2024
『ハザカイキ』
作・演出:三浦大輔
出演:
丸山隆平、勝地涼、恒松祐里、さとうほなみ、九条ジョー、米村亮太朗、横山由依、大空ゆうひ、風間杜夫
日高ボブ美、松澤匠、青山美郷、川綱治加来
企画・製作:Bunkamura
【東京公演】
2024年3月31日(日)〜4月22日(月)
THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
【大阪公演】
2024年4月27日(土)~5月6日(月・休)
森ノ宮ピロティホール