駒木根葵汰インタビュー 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』「舞台出演は“未知の世界に飛び込むような感覚”」(前編)
2026年1月10日(土)より東京芸術劇場プレイハウスにて、Sky presents 舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が上演されます。
日本を代表する世界的作家・村上春樹氏が36歳の時に発表し、海外でも人気の高い長編小説「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が舞台化。“世界の終り”と“ハードボイルド・ワンダーランド”という異なる二つの世界が並行して描かれるこの作品は、発売から40年を経た今もなお、時代や言語を超えて世界中で愛読され続けています。
本作の主演を務めるのは、日本屈指の実力派俳優・藤原竜也さん。今回、満を持して初めて村上春樹作品に挑み、新境地を切り開きます。そしフランスを代表する世界的アーティストであるフィリップ・ドゥクフレ氏が演出・振付を手掛けます。
共演には、森田望智さん、宮尾俊太郎さん、富田望生さん、駒木根葵汰さん、島村龍乃介さん、藤田ハルさん、松田慎也さん、池田成志さんと、多彩なキャストが揃いました。
THEATER GIRLは、 “世界の終り”の僕を演じる駒木根葵汰さんにインタビュー。前編では、初舞台となる本作に挑む心境や演じる役柄について、Wキャストの島村さんとの取り組みや海外公演で楽しみにしていることなど、たっぷりとうかがいました。
舞台出演は「未知の世界に飛び込むような感覚」
――本作が初舞台になりますが、出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
未知の世界に飛び込むような感覚でした。18歳からこの世界に入り、ある程度は経験できたという実感があったからこそ、どこかでもう一歩先に進んでみたいという気持ちがあって。正直怖さはありましたが、この作品だからこそ、飛び込めたのだと思います。
――身体表現も取り入れた独創的な演出手法になるとのことですね。
出演が決まった段階では、まだほとんど情報がなくて、何をどう表現するのかも分からない状態でした。今ようやく全体像が少しずつ見えてきたところですが、本番までに自分にできることをしっかりと積み重ねていかなければという焦りもあります。それでも、挑む以上は、自分が持っているものをすべて表現したいです。
――原作は村上春樹さんの長編小説になりますが、物語の印象や台本を読まれてみて感じたことはありますか?
まず原作自体がとても難しい作品だと感じました。読み進める中で思ったのは、これは村上春樹さんにしか書けない作品だなと。それを舞台化するという点でも、大きな挑戦だと感じています。
正直、僕は舞台や原作について語れる立場ではありませんし、本当にとてつもなく大きなものに飛び込んでいく感覚です。今持っているすべてを出し切ったとしても、簡単に表現しきれるものではないだろうなとも感じています。
それでも必死に食らいついていくことで、自分の殻が一つ破れるのではないかなと。偉大な作品、そして偉大な方々と一緒に創り上げていく覚悟に近い気持ちです。
――現在、舞台に取り組むにあたって準備されていることはありますか?
舞台に立つにあたって、ボイストレーニングはもちろんですが、身体表現に向けてダンスのレッスンも少しずつ始めています。でも正直なところ、ダンスは少し苦手なんです。
ただ、苦手だからやらないという選択は違うと思っているので、新しい挑戦として、日々向き合っているところです。

演じる“僕”は「平均的で、普通の心を持った人間」
――現時点で、演じる「僕」という人物をどのように捉えていらっしゃいますか?
今のところ、これといった強い特徴を持った人物という印象はありませんが、どちらかといえば、ごく平均的で、普通の心を持った人間だと感じています。その“普通さ”と、どこか違和感のある世界とのギャップを舞台上で表現できたら、観てくださる方それぞれに考えが生まれる作品になるのではと思っています。
また、皆さんと一緒に作品を創り上げていく中で、この役がどのように変化していくのか、自分自身も楽しみです。今回はWキャストでもあるので、稽古の中で(島村)龍乃介が演じる「僕」を見ながら、「こんな一面もあるんだ」と新たな発見があるはずです。せっかくなら、自分にしか描けない「僕」を丁寧に表現したいと思っています。
――今回のキャスティングではオーディションが実施されたとのことですが、どのような気持ちで臨まれたのでしょうか?
正直、オーディションに対しては強い気持ちを持ちすぎないようにしています。実際に行ってみると、想像していたよりもずっと柔らかい雰囲気で、台本を読むというよりは、身体表現や小さい頃に何に打ち込んできたか、今何を考えているのかといったような、かなりパーソナルな部分を見てもらえた印象があります。
――どちらかというと人柄を見られていたような感覚でしょうか?
そうかもしれません。後から答え合わせをしたわけではないので、あくまで僕の感覚ですが、その部分が大きかったのではないかなと思います。
だからこそ、「頑張らなきゃ」と力みすぎなかったことが逆に良かったのかもしれません。フランクな自分でいられたことが、今回のオーディションではプラスに働いた気がしています。
――Wキャストの島村龍乃介さんとはバンド活動でもご一緒されていますが、普段はどのようなお話をされているのでしょうか?
僕は舞台経験がなく、彼は何本も舞台を経験しているので、稽古の前に何を持っていけばいいのか、本読みの段階でどれくらいセリフを入れておくべきなのか、稽古はどのように進んでいくのかなど、基本的なことを教えてもらいました。
――Wキャストということで、お互いに意識して役について話し合うことはありますか?
今のところ、ほとんどないですね(取材時)。まずは誰の意見も取り入れずに、自分の中での「僕」という人物をしっかり作り上げたいと思っています。一度形にしてから、足したり引いたりする段階に入れたらと思うので、今は意識的に遮断するようにしています。

得られるものはすべて盗むくらいの気持ちで臨みたい
――主演の藤原竜也さんを始めとした共演者の方々や演出のフィリップ・ドゥクフレさんから、学びたい、吸収したいと考えていることはありますか?
稽古期間で得られるものは、すべて吸収したいと思っています。普段はどちらかというと、あまり欲ばるタイプではないのですが。今回の稽古では意識的に貪欲になって、得られるものはすべて盗むくらいの気持ちで臨みたいと思っています。
もちろん、藤原竜也さんとの共演も楽しみですが、日本のエンターテインメントの中で、海外の演出家と一緒に作品を作る機会は、そう多くはないと思っています。一つの作品を通して、これまでとは違った視点や見え方に触れられるのではないかと、今からワクワクしています。
――今までに演じる役について、「こう演じたい」といったアイデアなどを提案されたことはありますか?
状況によっては、そうした提案をすることもありますが、今回は、どのように進んでいくのかがまったく分からない状態です。ドラマの現場であれば、ある程度流れが見えているので、タイミングを見て意見を出すこともできますが、今回はそのタイミングさえもまだつかめていません。
自分の中で、はっきりと自信を持って提示できるものも今はないので、はあまり先のことは考えていないですね。稽古を重ねる中で、自然と見えてくるものがあるのだろうと思っています。

こうした形で海外に行けるのはとてもうれしい
――本作は、日本だけではなく、海外公演も予定されていますが、今から楽しみにされていることはありますか?
まだ先の話なので、正直そこまで意識はしていないです。まずは作品の中身をしっかり詰めていきたいですし、“世界”という言葉だけで浮かれてしまうと、足元をすくわれる気がするので。場所よりも、自分に何ができるのか、どんな作品を作れるのかを考えたいです。
ただ、ロンドンとパリはとても魅力的ですよね(笑)。舞台にしっかりと向き合いつつ、合間の時間で現地のカルチャーにも触れられたらうれしいなと思います。本当はすごく楽しみですけどね(笑)。
――ちなみに今回公演が予定されている、シンガポール、中国、イギリス、フランスの4か国で行ったことのある国はありますか?
中国には行ったことがありますが、シンガポール、イギリス、フランスは初めてです。ほとんどが行ったことのない国ですね。
でも、いつかいろいろな国に行きたいと思っていたので、こうした形で海外に行けるのはとてもうれしいです。今後も海外公演がどんどん増えていったらいいなと思っています。

自分らしい自分でいたいと思うようになった
――“世界の終り”というタイトルには、終わりと始まり、裏と表という二重性を感じます。駒木根さんご自身が「終り」であり「始まり」だと感じた人生の転機はありますか?
始まりで言うと、やっぱり学生を卒業してからが、本当の人生のスタートだという感覚があります。特に最近は、その思いが強いですね。社会に出て誰かに頼るのではなく、一人で生きていくという感覚を実感するようになりました。
親に頼るのではなく、自炊をしたり、家事をこなしたり、自分で生きるためにやらなければならないことが、こんなにも多いのだと気づきました。そういった意味で、「始まったな」と感じています。
一方で「終わり」という点で考えると少し難しいのですが、自分を押し殺すことをやめようと思ったことが、一つの区切りかもしれません。このエンターテインメントの世界では、発想力がとても大事だと感じていますし、日本に生まれた以上、協調性も大切にすべきだと思っています。
ただ、それを守りすぎてしまうと、自分の意見や「いいな」と思ったものを、きちんと伝えきれなくなると感じるようにもなりました。だからこそ、自分の意見をもっとはっきりさせていこうと思ったんです。ある意味、殻をかぶることを終わりにしよう、という感覚といいますか。いい自分でいようとするよりも、自分らしい自分でいたいと感じるようになりました。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:梁瀬玉実
ヘアメイク:吉村健
スタイリスト:杉山凌
シャツ¥15,000(COS/COS 青山店)、シューズ¥33,000(BIRKENSTOCK/Birkenstock Japan Customer Service)、その他スタイリスト私物
<問い合わせ先>
・COS 青山店
TEL. 03-5413-7121
・Birkenstock Japan Customer Service
TEL.0476-50-2626
公演概要
Sky presents 舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
<東京公演>
期間:2026年1月10日(土)~2月1日(日)
会場:東京芸術劇場プレイハウス
主催:ホリプロ
共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
協力:新潮社・村上春樹事務所
企画制作:ホリプロ
チケット:
S席:12,500円
サイドシート:8,800円
U-25(25歳以下当日引換券):6,500円
Yシート(20歳以下当日引換券):2,000円* *=ホリプロステージのみ取扱い
高校生以下:1,000円 ※東京芸術劇場ボックスオフィスにて前売のみ取扱い(枚数限定・要証明書)
追加S席/追加S席(補助席)/追加S席(ハイチェア):12,500円
追加サイドシート(補助席)/追加サイドシート(ハイチェア):8,800円
注釈付S席:12,000円
注釈付サイドシート:8,300円
ベンチシート:7,000円
立見:6,000円
(全席指定・税込)
<スタッフ>
原作 村上春樹
演出・振付 フィリップ・ドゥクフレ
脚本 高橋亜子
<キャスト>
藤原竜也 “ハードボイルド・ワンダーランド”の私
森田望智 “ハードボイルド・ワンダーランド”の司書、“世界の終り”の彼女
宮尾俊太郎 “世界の終り”の影
富田望生 “ハードボイルド・ワンダーランド”のピンクの女
駒木根葵汰/島村龍乃介(Wキャスト) “世界の終り”の僕
藤田ハル “ハードボイルド・ワンダーランド”の小男、“世界の終り”の管理人
松田慎也 “ハードボイルド・ワンダーランド”の大男、“世界の終り”の門番
池田成志 “ハードボイルド・ワンダーランド”の博士、“世界の終り”の大佐
上松萌子、岡本優香、冨岡瑞希、浜田純平、原衣梨佳、
古澤美樹、堀川七菜、山田怜央、吉﨑裕哉、Rikubouz (五十音順)
【ツアー公演】
<宮城公演>
期間:2026年2月6日(金)~8日(日)
会場:仙台銀行ホール イズミティ21
<愛知公演>
期間:2026年2月13日(金)~15日(日)
会場:名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)大ホール
<兵庫公演>
期間:2026年2月19日(木)~23日(月祝)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
<福岡公演>
期間:2026年2月28日(土)~3月1日(日)
会場:J:COM北九州芸術劇場 大ホール
公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/sekainoowari2026/
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