雛形あきこインタビュー ミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』 「今回のヘディは少しお姉さんらしい雰囲気になりそうな予感」(後編)
2021年11月20日(土)から東京・渋谷の東急シアターオーブにて、その後12月14日(火)から大阪・オリックス劇場にてミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』が開幕します。
本作は1961年にブロードウェイで初演され、以降1417回のロングランヒットという記録を打ち出したコメディミュージカルの名作。主人公・フィンチが、ビルの窓ふき清掃員から大企業の幹部へと出世街道を邁進する様子を描いた物語です。
1962年のトニー賞で最優秀ミュージカル作品賞をはじめ、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞、製作者賞、演出賞、指揮・音楽監督賞という7冠を達成し、大きな注目を浴びました。2020年9月にNEWSの増田貴久さん主演で、クリス・ベイリー氏の演出・振付による新演出を元に日本で上演。今回は満を持して一年ぶりの再演となります。
キャストには増田さんのほかに、唯月ふうかさん、松下優也さん、黒須洋嗣さん、林愛夏さん、ブラザートムさん、春野寿美礼さん、石川禅さんら個性あふれる出演者がそろいました。
今回THEATER GIRL編集部がお話をうかがったのは、フィンチの専属秘書を務めるヘディ・ラ・ルー役の雛形あきこさん。インタビュー後編となる今回は、座長である増田さんの印象、ミュージカルへの挑戦で苦戦したこと、本作に対する意気込みなどをたっぷり語っていただきました。さらに本作のタイトルにちなんで、雛形さんが今までの人生で「成功した」瞬間についてもおうかがいしているのでお楽しみに。
増田さんは量のあるダンスと歌を「何ともない顔でやりきってしまう」
――座長を務める増田貴久さんの印象はいかがですか。
ふざけているようで、とても真面目な方という印象です。かなり歌って踊っていらっしゃるので、後半はびっくりするくらいの汗をかいていて本当に大変そうですが、それを何ともない顔でやりきってしまうのは今まで積み重ねてきた彼のダンスと歌の経験があるかなのかなと。その体力というのは、やはりすごいなと思いますね。
――スーツで踊られているので、それも大変そうですよね。
きちんとしたスーツでかなりの量を踊るので大変だと思います。最後に男性陣が踊る場面は、秘書たちがバーっと並んで袖で見ているのですが、毎回「頑張れ……!」という気持ちで見つめています。あそこは本当に皆さんハードなシーンだと思います。
――見守るしかない感じですね。
はい、まさに見守るしかない(笑)。毎回すごいなと感動します。 一人ひとり、最後まで怪我もなくプロフェッショナルだなと思って。尊敬しながら、普通に観客として楽しんでいる部分でもありますね。
演出のクリス・ベイリー氏は、肯定したうえで温かいアドバイスをくれる
――演出を手がけるクリス・ベイリー氏の印象はいかがでしょうか。
とても優しい方です。前回は実際に会って見ていただくことができなかったので、多分彼もストレスを感じていたのではないかなと思いますが、それでも自分たちがやったものに対して、ノーと言うわけではなく「ここをこうしたらもっと素敵だよ」とプラスアルファになるようにおっしゃってくださって。リモートで距離はありましたが、肯定したうえで温かいアドバイスをくださいました。今年はぜひお会いできたらいいのですが……。
――やはり直接お会いしたい気持ちがありますよね?
そうですね。直接会うとまた全然違うと思います。今回の稽古はこれからなので(取材時)、どうなるかはまだ分からないですが、状況も日々変わると思うのでギリギリでもいいから生で見ていただけたら嬉しいですね。