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小関裕太×木村達成インタビュー ミュージカル『四月は君の嘘』「この作品が、観る人の孤独や苦悩を癒せるものになれたら」(前編)

INTERVIEW

2020年7月に上演を予定していたものの、新型コロナウイルス感染症の影響で全公演が中止となっていたミュージカル『四月は君の嘘』が今年5月、ついに開幕。

原作は「月刊少年マガジン」(講談社)にて連載され、フジテレビ「ノイタミナ」枠にてTVアニメ化、さらには実写映画もされるなど、多くの人を惹きつけてやまない傑作コミック。その初ミュージカル化ということで注目を集めた本作が、2022年5月7日(土)より東京公演を皮切りに全国公演をスタートします。

音楽に引き合わされた若き音楽家の卵たちを描く青春ラブストーリーで、大切な人との出会いと別れを通してその才能を開花させていくピアニスト・有馬公生をWキャストで演じるのは小関裕太さんと木村達成さん。ヒロインの宮園かをり役には乃木坂46の元メンバー・生田 絵梨花さん。共演にミュージカル『レ・ミゼラブル』でエポニーヌ役など舞台経験豊富でアーティストとしても活動する唯月ふうかさん、舞台『冬のライオン』での熱演も記憶に新しい水田航生さん、今年で芸歴14年を迎える実力派・寺西拓人さんら、ミュージカル界の将来を担う若き才能が2年の時を経て再集結しました。

また、本作の音楽を担当するのは『ジキル&ハイド』『デスノート THE MUSICAL』などを手掛けたミュージカル界の巨匠、フランク・ワイルドホーン氏。訳詞と演出は、ミュージカル『キューティ・ブロンド』『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』の上田一豪氏。脚本にはジブリ映画『かぐや姫の物語』、『メアリと魔女の花』共同脚本の坂口理子氏という海外と日本の豪華スタッフ陣による最強タッグで届けられます。

THEATER GIRLは本格的な稽古スタート直前、上演の喜びに満ち溢れる小関裕太さんと木村達成さんにインタビューを敢行。前編では、上演に向けた現在の心境や有馬公生というキャラクターの印象についておうかがいしました。

インタビュー後編はこちら

出られなかった方々の気持ちも背負いながら「有馬公生」として生きたい

――改めて、ミュージカル『四月は君の嘘』上演に向けて現在の気持ちをお聞かせください。

木村:この作品が、もう一度世に出るチャンスをいただけたことが純粋に嬉しいです。原作コミックもアニメも実写映画もヒットした作品の初ミュージカル化。しかも海外から最強のクリエイターたちが集まって作り上げる作品なので、僕としては本当に頑張ってこの作品をヒットさせたい! 2年前のキャスト、全員が全員この作品に出られるわけではないので、その方々の気持ちも背負いながら「有馬公生」として生きたいと思います。

小関:2020年に上演される時に「どんな自分に最終的になれるのか」と本当に楽しみにしていたので、公演が中止になってしまった時はけっこう喪失感が大きくて・・・・・・。今となっては、この2年の間に立たせてもらった作品で得たものや、いろいろ考えることも出来ましたし、“意味”はあったと思いますが、当時はなかなかポジティブな気持ちにはなれなかったんですよね。改めて上演が決まって、ようやく僕が持っていた覚悟、用意していた時間が無駄にならなかったと嬉しく思っています 。

どんな作品もですが、公演延期や中止になるとどうしても脱力してしまって、本番に向けて積み上げてきたものが崩れていく感覚になりますし、改めて上演が決まっても以前の気力まで持っていけるかというと、全部が全部そうではなくて・・・・・・。でも、この作品は「絶対にやりたい!」と思えたので、そういう意味でも自分自身の『四月は君の嘘』への想いは強いんだろうなと実感しています。

――その強い想いの理由を、小関さん自身どのように分析しますか?

小関:僕が演じる有馬公生はピアニストなんですけど、役者に置き換えて“ひとりのプレイヤー”として挫折や苦悩する姿に共感できるところです。僕も以前、挫折とまではいかなくてもステージに立つ勇気がなかった時もありましたし、公生くんのような苦しい思いを何度も経験しているので、そんな気持ちの背中を押してくれるような優しい作品だなと思ったんです。

生死にかかわることや三角関係も鮮やかに描かれていますし、ただの恋愛ストーリーにとどまらない魅力がたくさん詰まっている作品。その描写や人間関係、言葉の使い方など、いろんな部分で好きなポイントが多くて、まず僕自身がこの作品のファンになってしまったことが理由ですね。

木村:その気持ち分かる! 最初にこのお話をいただいた時は「この作品を自分がやる意味は」とか「僕以外の人が有馬公生を演じる方がいいんじゃないか?」と悩んだ時もありました。でも公演中止から約2年という長いようで短い時間を経て、その間に携わらせていただいた作品で自分自身がどれだけ成長できたかを照らし合わせるには最高のタイミングだと思いました。何よりコロナ禍の前に“試演会”で歌ったことが大きかったですね。

僕がミュージカルを観ていて面白いなと思うひとつのポイントが、「知っている曲がどこで流れるか」なんですけど、この作品がミュージカル化されるのは初めてなので、僕らキャストも未知の状態じゃないですか。お客様と同じ視点で「ここでこの曲、来るんだ!」ってワクワクしながら作り上げていくことが楽しくて。僕ら演者は舞台上ではお芝居をしながら物語を作っていく側ですけど、この作品はお客様と一緒にグルーヴを作っていけるんじゃないかって思います。そういう舞台ってあるようでないんですよね。

次のページ:有馬公生は「自分の学生時代と似ている」

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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