藤間爽子インタビュー『ベイジルタウンの女神』「演劇をあまり観たことがない方にもおすすめできる作品」（後編）

2025.03.22

INTERVIEW

2025年5月6日より世田谷パブリックシアターにて、ケムリ研究室no.4 『ベイジルタウンの女神』が上演されます。

劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ（以下KERA）氏と緒川たまきさんが2020年に始動した演劇ユニット「ケムリ研究室」。第一弾『ベイジルタウンの女神』(2020年)、第二弾『砂の女』（2021年／原作：安部公房）、第三弾『眠くなっちゃった』（2023年）とコンスタントに活動を続けている「ケムリ研究室」が、第四弾公演として『ベイジルタウンの女神』を再演。2020 年初演時コロナ禍の閉塞感を吹き飛ばした、誰にでも楽しめるロマンティック・コメディがよりパワーアップして帰ってきます。

出演には緒川たまきさんの他、シリアスからコメディまで縦横無尽に行き交う劇団☆新感線の看板俳優・古田新太さんがベイジルタウンに住む乞食“王様”を新たに演じます。また坂東龍汰さん、藤間爽子さんら確かな演技力で注目を集めるフレッシュな顔ぶれが参加。さらに小園茉奈さん、後東ようこさん、依田朋子さん、中上サツキさん、秋元龍太朗さんが新たに出演。初演から続投の水野美紀さん、山内圭哉さん、斉藤悠さん、尾方宣久さん、菅原永二さん、植本純米さん、温水洋一さん、犬山イヌコさん、高田聖子さんとともに名実共に強力なキャストが集結しました。

THEATER GIRLは、乞食たちが集まる伝導所のボランティア・スージー役の藤間爽子さんにインタビュー。後編では、本作の魅力や舞台の好きなところ、日本舞踊家と俳優業を両立していてよかったことなどについて、うかがいました。

インタビュー前編はこちら

本作は「演劇をあまり観たことがない方にもおすすめできる作品」

――本作のどんなところに面白さを感じられていますか？

みんなそれぞれの人生を懸命に生きている。そんながむしゃらに生きる人間の姿にきっと元気をもらえるのではないかなと思いますね。

観た後に温かい気持ちにもなれるし、老若男女、演劇をあまり観たことがない方にもおすすめできる作品だと思います。

――本作のように、1ヶ月間どこか別の場所で暮らすとしたらどこに行きたいですか？

イギリスに行ってみたいです。舞台やミュージカルもたくさん上演されているし、国自体がとても可愛らしいですよね。旅行だと日数が少なくて慌ただしいですし、私は留学経験もないので。1ヶ月くらい暮らしたら見えてくるものも違うんだろうなと思います。

――藤間さんは定期的に舞台にも出演されていますが、舞台のどんなところに魅力を感じていらっしゃいますか？

私は舞台が大好きなんです。劇場に入った時に「何が始まるんだろう」というワクワク感があって、日々の生活にはない特別な感じが好きですね。作品によって劇場を出るときの心持ちも違うので、ある意味自分と向き合える場所なのかなと。出演することももちろん好きですが、やっぱり生の舞台から受けるものはたまらないなと思います。

――舞台は、その非日常的な空間がとても魅力的ですよね。

やっぱり映像にはない、劇場の空間で作られる“瞬間”を感じられますし、生身の人間同士でしか作ることのできないところがお芝居の魅力だと感じます。