松下優也インタビュー ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』 「世界観や役柄が自分と合いそうと感じ、すぐに出演を決めた」（前編）
19世紀末のロンドンで実際に起きた猟奇連続殺人事件。世界的にも有名なこの未解決事件を元に、チェコで創作されたミステリーミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』は、韓国で独自のアレンジをくわえられ、初演以来愛される大ヒット作となりました。
本作は待望の日本版初演として、豪華キャスト陣を迎え、2021年9月9日(木)より日生劇場にて開幕します。
今回THEATER GIRL編集部がお話をうかがったのは、繊細な心を隠し荒ぶりながらも正義のため事件を捜査する刑事・アンダーソン役を演じる松下優也さん。
インタビュー前編となる今回は、出演が決まったときの気持ちや役作りで大切にされていること、共演者の印象についてなど、たっぷり語っていただきました。
『ジャック・ザ・リッパー』は世界観や役柄が自分に合いそうだと感じた
――まず、本作への出演が決まったときのお気持ちから聞かせていただけますか。
記念すべき日本版で初演となるミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』に、自分という人間を呼んでいただけたことが非常にうれしくて、純粋にありがたいなと思いました。
――公式HPで「すぐに出演を決めた」とコメントされていましたが、やはりうれしい気持ちが大きかったのですね。
いつもオファーをいただいたときに、自分がやる意味や、自分がやったらどうなるのかということを考えるのですが、勝手ながら自分と合いそうな作品だと感じました。もちろん自分に向いていないことに挑戦するのも意味があることですが、今回は世界観とかも含めて自分にぴったりだと思い、すぐに出演を決めました。
――世界観がご自身にハマりそうだなと感じたのですね。
世界観もそうなのですが、自分が今回演じるアンダーソンというキャラクターが、いつか挑戦してみたいなと思う役柄だったのも大きいです。
アンダーソンが抱えている葛藤や迷いを大切に演じたい
――役柄のお話が出ましたけれども、アンダーソンは酒と麻薬に溺れた刑事。そしてストーリーテラーにもなっているとのことですが、役に対する印象はいかがですか。
擦れた刑事といいますか……退廃的なイメージですね。薬物中毒という設定がありますが、刑事なので今までいろんなことを経験してきた故に、そういうふうになってしまったのかなと。
――アンダーソン役としてこういう部分をお客様に見てほしいなというところはありますか？
刑事としての立場や振る舞いは、きちんと表現したいなと思っています。そのうえで、実際にアンダーソンという一人の男が抱えている葛藤や迷いは、アンダーソン自身の人間の幅が見える部分だと思うので、そういうところを大切にやっていきたいなと。
このミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』は、常に事件などさまざまなことが起こるので、アンダーソン自身も振り回されます。そんな中でも心のなかに抱えているものはずっと持ったまま、お芝居をしないといけない。その抱えているものが、たまに浮上してくる瞬間もあると思います。
――刑事の部分とパーソナルな部分、両方見てもらいたいということですね。
はい、まさにそうですね。
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