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吉柳咲良×岡部 麟(AKB48)インタビュー ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』「どの年代でもみんなが楽しめて気持ちよく終われる舞台」(後編)

INTERVIEW

2022年7月23日より青山メインランドファンタジースペシャルブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』が上演されます。

本作は、1981年に新宿コマ劇場で初上演されてから今年で42年目の公演となり、昨年に引き続き潤色・訳詞はフジノサツコ氏、演出に森新太郎氏を迎えます。

ピーター・パンを演じるのは、今回で5度目の出演となる吉柳咲良さん。フック船長/ダーリング氏役は昨年に続き小西遼生さんが務めます。

さらに、ウェンディ役に岡部 麟(AKB48)さん、タイガー・リリー役に田野優花さん、ダーリング夫人役に壮 一帆さんと新しいキャストも加わりました。

THEATER GIRLは、ピーター・パン役の吉柳咲良さんとウェンディ役の岡部 麟(AKB48)さんにインタビュー。後編では、森 新太郎さんの演出の印象や本作にかけてお二人が「大人になった」と感じる瞬間について語っていただきました。

インタビュー前編はこちら

やる側のエネルギーが500倍くらい高くないと成り立たない

――今年も演出は森 新太郎さんが務められますが、吉柳さんは昨年森さんの演出を受けられた印象はいかがでしょうか?

吉柳:ものすごくアナログな創りにこだわる演出家さんだと思いました。プロジェクションマッピングとかも絶対に使わないし、役者の力が全てと言いますか。森さんはいつも「舞台に立つ時に中途半端なことは絶対にするな」と仰っていて。やっぱり楽をしたらその瞬間にお客さんが離れていってしまうし、私が一瞬でもピーターでなくなってしまうと、伝わるものも伝わらなかったりすると思うので。そこはシンプルに森さんが変えてくださったことですね。

なので、私たちやる側のエネルギーが500倍ぐらい高くないと成り立たない舞台になっていると思います。去年はすごくプレッシャーを感じていて、どれだけやっても足りないと思いながらやっていたんですけど、子供が持つエネルギーと同じなんですよね。子供は加減を知らないから、何に対しても100パーセントでやりますし。そういう気持ちを思い出せたと思います。それこそ、マイケルとか小さい子のパワーってすごくて、現場をずっと走り回っていたと思ったら、急に集中力がなくなったりするんです(笑)。

森さんも仰っていたんですけど、子供ってすごく泣いていたくせに「わ~救急車だ!」とか言って、急にぴたっと泣きやんだりするんですよね。森さんはそういったリアルな子供の姿を大事にしていらっしゃると思いますし、役者にものすごく愛と信頼を持ってやってくださる方なので、 すごく楽しく作品を創っていけます。やっぱりシンプルだからこそ、私たちの技量が試されると思うので、今年も全力でぶつかっていきたいです。

――岡部さんは、今回初めて森さんの演出を受けられますが、何か期待されていることはありますか?

岡部:森さんは怖いらしいという前情報しかないんですけど(笑)。いろんな俳優さんが「いつか森さんとご一緒したい」と仰っているので、 すごく熱い指導をされる方なんだろうなというイメージです。100パーセントぶつかっても、まだ足りないぐらいの指導をしてくださる方なのかなって。

なので、こういった誰もが知っている作品で、 ウェンディちゃんという役も、自分で追求しなくてもみんなの中でもう知られている子ですし。みんなが大好きなウェンディにどれだけ近づけるかが私の試される部分だと思うので、森さんがどう導いてくださるのか今からとても楽しみです。

大人になるといろんなことが分かってくる

――本作では、いつまでも子どもでいられる“ネバーランド”が登場しますが、逆にお二人が大人になったなと感じる瞬間はどんなときでしょうか?

岡部:夜に作業に没頭しすぎて、気づいたら明るくなっていたことですね(笑)。子供の頃は、時間を忘れるぐらい集中して作業に打ち込むことってなかったですし、大人にならないとできないことなので「大人になったな」と感じました。

吉柳:周りへの感謝がきちんとできるようになったのは、大人になったからだと思います。小さい頃も感謝はしていたんですけど、それをちゃんと言葉で伝えられるようになったのは、やっぱり大人になったからだなと思います。「裏でこんなことをやってもらっていたんだな」とか、「こんなときに支えてもらっていたんだ」と、大人になってくるといろんなことが分かってくるので。周りへの感謝を言葉で伝えたり、今まで気づけなかったことに気づけるようになったのは、大人になれた証拠かなと思います。

――お二人が役者の仕事をしていて、一番好きな瞬間はどんなときでしょうか。

岡部:私は、本読みをしている段階から、台本を置いて立ち稽古に行く瞬間がすごくスリルを感じて楽しいです。台本を置いたらもう自分の中にインプットされたものを思い出しながらやらないといけないので、すごく試されている瞬間だなと感じます。その瞬間が一番ドキドキしますね。

吉柳:私は最近映像のお仕事もやらせていただくようになったのですが、やっぱり視聴者の方に届いたなというのを感じられると、やっていてよかったなと思います。どう響くかは人それぞれですが、どんな形でもその人に届いたっていう瞬間がすごく嬉しいですし、役者をやっていてよかったなと思いますね。それが前向きなコメントだったらなおさら嬉しいです。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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