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佐々木蔵之介主演。「冬のライオン」ビジュアル &公演詳細が解禁!

THEATER

2022年2月より東京芸術劇場 プレイハウスにて上演される「冬のライオン」。この度、ビジュアルと公演詳細が解禁となった。

時は英国王家の草創期、1183年。場所はイングランドの初代国王ヘンリー二世が居城としていたフランス中部のシノン城。豪傑で実力と運を味方にしてきた初代国王が築き上げた領土、そして跡目を誰が継ぐのか決着をつけるべく、一同が会した。集まったのは、妻のエレノア、長男リチャード・次男ジェフリー・三男ジョン、そして王の寵愛するアレーと、その異母きょうだいで敵国フランス王のフィリップ。

三男のジョンに家督を継がせたい国王、虎視眈々と跡継ぎの座を狙う長男リチャード。何度も反旗を翻したため長年幽閉されていながら広大な領土を持ち、王妃の立場にいるエレノア。若き愛妾との確執…。
権力と愛情を巡って時にストレートに、時に権謀術数をめぐらし化かしあいながら戦いを続ける彼らは、王族でありながらあまりに人間くさく、緊迫のパワーゲームは滑稽にも感じられる。

欲望、嫉妬、愛情、策略、期待、そして絶望…。重厚で独特な言葉遣いのセリフに込められた、思惑と感情。役者の演技力、表現力を最大限味わい尽くすのにこれほどに相応しい作品はないだろう。いつの世も変わることのない家族の相克の図、そして今に変わらぬ人間の性が、描き出される。

本作の演出を手がけるのは、抜群の存在感を表し、その演出を信奉する俳優たちが数多いことでも知られている気鋭の演出家、森新太郎。演劇集団円に所属し、橋爪功主演作などを演出、早くから頭角を現した。手掛ける作品は、マクドナーなど現代翻訳戯曲から、シェイクスピア・イプセンなどの西洋古典、日本の近・現代古典、またミュージカルまで幅広く、緻密で緊迫感あふれる演出が高い評価を得ている。「冬のライオン」は、森自身がコロナ禍の中で、今上演したい作品として自ら選んだ作品だ。

ヘンリー二世を演じるのは佐々木蔵之介。端正なルックス、高い身体性、情熱溢れる演技で日本演劇界には欠かせない存在。東京芸術劇場の作品には、シルヴィウ・プルカレーテ演出「リチャード三世」、前川知大脚本・演出「ゲゲゲの先生へ」で主演し、高い評価を得てきた。森新太郎の演出では「BENT」に出演し、お互いに信頼をおく間柄だ。

共演は、可憐でありながら芯のある存在感でドラマ、映画を中心に舞台にも出演している葵わかな、端麗で凛とした佇まいで舞台や音楽活動でファンの心をつかんでいる加藤和樹、長身を生かしたダイナミックな表現で舞台を中心に活躍する水田航生、劇団「柿喰う客」に所属し飄々とした佇まいで魅了する永島敬三。そして、明るい存在感で硬軟自在に演じ分ける確かな演技力でひっぱりだこの浅利陽介ら、バラエティー豊かな面々が集結。

さらに、エレノア役は日本を代表する演技派女優の一人、高畑淳子が務める。爆発的パワーと知性を兼ね備えた稀有な存在で、バラエティー番組で見せるひょうきんさからも伝わるほどの魅力的なコメディエンヌでもある。佐々木×高畑が演じる、エネルギッシュな王と王妃は、陽性のエネルギーで丁々発止の夫婦が表現されるだろう。
まさしく、緊迫のパワーゲームを演じるに相応しい演技巧者の競演に期待してほしい。

コメント

佐々木蔵之介

この作品は、登場する7人全員が休む間もなく戦い続け、噓しか言わないけれど本当はその裏返しで、相手からの愛情を求めているのではというところに行き着く戯曲だな、と思いました。自分の妻や子供に対して、言葉の配慮の無さが度を越えていて笑える、言葉の使い方にユーモアがあるなと思いました。ヘンリー二世は50歳を超えているにもかかわらず、老いる前に精神的にも肉体的にも活力が急上昇していて、そこを楽しんでいるというところがポイントだと思います。家族との何が真実か分からない遣り合いを楽しめるように役を作っていきたいです。森さんは『BENT』でご一緒したことがあり、「いつ死ぬか分からない状態でも人間って想像次第で笑えるようになるんだ」とおっしゃっていたのが印象的です。今回は森さんの演出で高畑さんとのやり取りを夫婦漫才みたいな感じで楽しくできたらいいなと思います。高畑さんとは何度も共演しており、演劇の先輩で、大好きで尊敬している方。お相手役で舞台に立てるのは、この上なく嬉しくて、稽古しがいがあると思うので、とても楽しみです。

葵わかな

アレーはエレノアとヘンリーに育てられたのにも関わらず、ヘンリーの愛人になり、政略結婚に対する考えやアレーの扱い方などは、当時の女性の地位を物語っていて、とても複雑な女性という印象です。アレーにしかない悲しさに注目していきたいと思います。ストレートプレイには、今回初めて出演します。言葉だけで物語が綴られているのがすごく難しそうだと思いましたが、読み進めていくと、家族の話だけれど、愛情や憎しみが広がっていって、どこに向かっていくんだろうと、世界観にどんどん引き込まれていきました。森さんの演出作品に出させていただくのは初めてで、どんな世界観を持っていらっしゃって、どんな感じで稽古が進んでいくのか、今からとても楽しみです。浅利さん以外は初めての共演で、皆さんが作り上げる世界に後れを取らないように頑張っていきたいと思います。この作品は凍り付くような冷たさ、寒さ、暗さがありますが、もしかしたらどんな家族にでもありうる確執・愛情が垣間見える作品です。お稽古を頑張って見応えのある作品にしていきたいと思います。

加藤和樹

戯曲を読んで、人間の愛・欲望・希望・憎しみが渦巻いていて、普段普通の生活をしている僕たちでは到底たどり着けないような境地でのお話だなと思いました。僕が演じるリチャードは父の愛を受けていないが故の人間形成の偏りや、自分の望む愛が手に入らないと執着・憎しみ・嫉妬になる人物なので、心の深い部分での芝居が求められるんだろうなと思っています。また、リチャードは戦に長けているのですが、彼がなぜ戦いに身を置くことでしか満たされなかったのか、後になぜ「獅子心王」と言われるようになったのか、自分の中に眠っている潜在意識をリンクさせていくことが課題になると思います。歴史のある作品を森さんの新しい演出で上演する意味を考えながら、世の中に素晴らしい作品を世に生み出せることに喜びを感じます。今の日本にエンタメの力を感じてもらえるような作品にしたいと思います。精一杯頑張りますので、ご期待ください。

水田航生

台本を読んで、現代にはないような権力争いや妬み・嫉みが描かれていて、人間の持つ根本的な醜さや純粋な思いを感じました。僕が演じるフィリップはフランス王としてイングランドの王族に関わるのですが、家族をかき乱す、クレバーな印象があり、何が本心か分からない、読めない男だなと感じています。演じるのが楽しみですし、身が引き締まる思いです。出てくるだけで威厳のある男を作っていきたいと思います。演出の森さんは緻密な演出をつけられる方とお聞きしております。僕自身にとっても大きな挑戦であり、今回ご一緒させていただけるのは、とても光栄です。尊敬する佐々木蔵之介さんとご一緒できて嬉しいです。前回ご一緒させていただいた時からの成長を感じてもらえるよう、今の自分にできることをがむしゃらにやっていきたいです。生きていくパワーを感じる作品で、人と人との関係が希薄になっている今、このご時世だからこそ、人間同士の関わり合いをぜひ劇場で感じていただけたらと思います。

永島敬三

僕の演じるジェフリーは、両親から愛を受けられず、愛情の欠如や嫉妬心から、ずっと何かを企んでいるような人物です。ただそれは、愛情が欲しいが故で、人間らしい部分もある人なのだろうな、という印象を受けました。この作品は領地や王位争いなどスケールが大きいようで、根本は家族の話だというアンバランスさがとても面白いなと感じました。登場人物がお互いに騙したり、奪ったりするというやり取りを劇場で感じてもらえればと思います。演出の森さんとは初めてですが、どの作品も見た後に何かが強く残るような作品ばかりで、その緻密さにも圧倒されてばかりなので、心してかからねばと思います。緊迫感溢れる7人だけの芝居でビッグスケールな会話が繰り広げられ、迫力のある作品になると思うので、僕も緊張感を持って舞台で暴れたいと思います。フィクションの中で戦っている人がいると体感しに来てもらえたら嬉しいです。

浅利陽介

ヘンリー二世の末っ子、ジョンを演じます。僕自身も末っ子で、背伸びをしてお兄ちゃんたちに勝ちたいという負けず嫌いな部分は共感できるので、自分の中の引き出しを開いて演じていきたいと思います。佐々木蔵之介さんとは舞台での共演は初めてでとても楽しみですし、ほかの共演者の方も初めての方がほとんどなので、とても新鮮です。森さんの演出作品には出演させていただいたことがあるのですが、稽古場で檄を飛ばし、休憩中も舞台を睨みつけているのが今から想像できます…(笑)。とにかく体調に気を付けて頑張りたいと思います。この作品はストーリーがスッと入ってきてとても分かりやすかったので、シンプルなところを際立てて、観ていただいた方にも分かりやすく伝えられるようにしたいです。「冬のライオンって何だろう?」「イギリスの話なの??」「翻訳劇って…」と、少しハードルの高さを感じるかもしれませんが、期待をしっかり裏切って楽しい作品を作っていきたいと思います。

高畑淳子

「冬のライオン」は私が高校生のときに映画が上映されていて、とても思い出いっぱいの作品です。王位・領地を争い、家族が家族を愛しながらも反発しあっているという想像もつかない世界で、ストーリーは分かりやすいですが、台本を読んだだけでは分からないこともたくさんあるので、そこを発掘していければと思っています。森さんの演出作品は何度も拝見しておりますが、こんな切り口があったんだと毎回びっくりさせられます。今回も蔵之介さんとのやり取りを夫婦漫才のようで面白いとおっしゃっていて、そういった感性を持った方と作品を作っていくのが、とても楽しみです。蔵之介さんとの共演も楽しみですし、若手の方は初めての方も多いですが、今をときめくスターたちとの共演、とても楽しみです。楽しみなことがいっぱいです!憎しみや愛が渦巻いていて、ライオンが食い合っているようなエネルギッシュで激しい作品です。実際にあった中世の話なので、争っていた時代に想いを馳せて、色んなことを感じ、小さなタイムスリップを楽しんでいただきたいと思います。価値観の違う人間ドラマを堪能してほしいです。ぜひ劇場にお越しください。

ストーリー

イングランドの初代国王ヘンリー二世は、数重なる戦果で領土を広げてきた。広大な領地アキテーヌを持つ年上の妻・エレノアは、何度も反旗を翻したため、幽閉されている。人質として育てられてきた先代フランス王の娘アレーは、今や美しく成人し、ヘンリーの愛妾となっている。そしてアレーの異母きょうだいである現フランス王フィリップがついに迫る。『領土を返還するか、アレーをヘンリーの後継者と結婚させるか、選ぶ年限が来た』と。いよいよ相続のけりをつけねばならない。1183年のクリスマス、一同はシノン城に集まる。リチャードに王位を譲ってアレーとも結婚させるようにというエレノアの嘆願。ヘンリーはかわいい三男のジョンに引き継がせたいと思っているが、エレノアの言い分を受け入れ、今すぐアレーとリチャードの結婚式を挙げることに。次男のジェフリーは、ジョンを抱き込んで、父親を倒すためにフィリップの協力を得ようと、ひそかに部屋を訪ねる。すると、母エレノアから送られたリチャードもフィリップの部屋へやってくる。ジェフリーとジョンが隠れているとも知らず、リチャードはうっかり口を滑らせたことで、兄弟たちを驚かせる。そこへさらに、ヘンリー本人が、フィリップに取引を持ち掛けようと企んで現れる。息子たちの不実さ、強欲さを思い知らされたヘンリーは、全く違う方向へと舵を切ることを決断。果たして、親子の、夫婦の、妻と愛妾の、イングランド王とフランス王の対決の決着はいかに…。

公演概要

冬のライオン

作:ジェームズ・ゴールドマン
翻訳:小田島雄志
演出:森 新太郎

出演:佐々木蔵之介/葵 わかな 加藤和樹 水田航生 永島敬三 浅利陽介/高畑淳子

日程:2022年2月26日(土)~3月15日(火)  
会場:東京芸術劇場 プレイハウス

チケット料金:S席:9,500円  A席:7,500円 
チケット一般発売:2021年12月4日(土)10:00~

お問合せ:東京芸術劇場 ボックスオフィス
0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)

公式サイト:www.thelioninwinter.jp

主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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