舞台『千と千尋の神隠し』開幕！千尋役4名（橋本環奈・上白石萌音・川栄李奈・福地桃子）によるコメント&初日カーテンコールレポート！

2024.03.13

REPORT

宮﨑駿監督による不朽の名作『千と千尋の神隠し』を原作に、2022 年ジョン・ケアード翻案・演出によって世界で初めて舞台化し大評判となった本作。

再演となる今回は3 月11日から東京・帝国劇場でスタートし、名古屋・御園座、福岡・博多座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru での上演が決定。さらに、４月から８月にかけて英国・ウェストエンドにてロンドン・コロシアムでの初の海外公演も実現する。

千尋役4名が勢揃い「キャストの組み合わせによる変化が楽しみ」

開幕を直前に控え、千尋役4名（橋本環奈・上白石萌音・川栄李奈・福地桃子）によるコメントも到着。現在どんな思いか聞かれ、橋本は「本当に楽しみ。最後まで怪我なく千尋として走り抜けていけたらと思うのですが、新たにこうして千尋が増えて安心感しかありません。ね？」と横にいる上白石に振ると、上白石も「分かる！」と同意。加えて、橋本は「早くみんなにこの（新しく千尋役に加わった川栄と福地の）二人の千尋を観てほしいです」と続けた。

上白石も、「私も新しい千尋が加わって本当に心強いです。カンパニー自体も2チーム体制になってそれぞれのキャストも増えたので、組み合わせによって感じることもまったく違う。どんなふうになっていくのか、真新しい気持ちでいます」と話した。

新しい“千尋”として加わる二人。川栄は「私は初演をお客さんとして観ていたので、その舞台に自分が立てることがとても感慨深いです。皆さんの力を借りて頑張って舞台に立ちたいと思っています」、福地は「初めて帝国劇場に千尋として立たせてもらえるという喜びを、心と身体で噛み締めたいです。（橋本）環奈ちゃんが初演のスタートを切ってくれるので、バトンを受け取って繋げていきたい」と気合いは十分。

今回と初演時の異なる点について聞かれた上白石は「（キャストが増えたので）新鮮さが増しました。私たちも初演で公演を重ねてきたけれど、二人では絶対に見つけられなかったものを二人（川栄と福地）が教えてくれて、こんなにまだ深さと新しさが残っていたんだと稽古場でずっと感じていた」と答えると、橋本も深く頷きながら「初演を観た方でも楽しめる変化がたくさんあるし、（初演より）進化していると思います。私たち自身も千尋としてお芝居がやりやすくなった印象です」とコメント。

また、橋本や上白石からアドバイスはあったかと聞かれ、橋本が思わず「アドバイスしてないよ（笑）！」と照れくさそうに笑うと、川栄が「いや、本当に大先生なので！」と橋本を褒め称える。

恥ずかしそうな橋本に対して、川栄は「分からないことはもちろん、すべてを教えてくれました。変更点についても率先して意見を伝えてくれて、さらにこちらに教えてくれるので、もう本当にありがとうございます……！」と感謝の思いを述べ、福地も「（橋本と上白石は）新しく入ったキャストが入っていきやすい空気感を作ってくれました。また、お芝居を見ながら『今の千尋っぽかった！』と言ってくれたり、千尋を熟知しているイメージ。それがすごく心の支えにもなったし、一緒に作っている感覚があってとても心強いです」と感慨深げな様子で話す。

今回は出演者が増え、さまざまな組み合わせやキャストによる違いを楽しめるのも見どころの一つ。橋本は「同じ台詞を同じタイミングで言っていても、同じタイミングで動いていても（キャストによって）ぜんぜん違う。私たち自身もそれを見て『こうやって変えようかな？』と考えてみるのが楽しかったです」と話し、「個人的には、千尋とカオナシの絡みが今回より好きになりました。後半はカオナシの意図を汲もうとしている千尋を感じて、そこが好きです」と笑顔を見せた。

また、川栄は「（初演と異なる）細かい変更があるんですよ。初演を観た方はその変化を探すのが楽しいんじゃないかなと思います」、福地は「キャストの組み合わせによる変化が毎回とても楽しみ。千尋として一生懸命生きることで毎回異なるやりとりができるので、それが何度観ても楽しいところに繋がると思います」と、今回ならではの魅力を語る。

これからロンドン公演を含め8月まで続く舞台『千と千尋の神隠し』の長い旅。

最後に意気込みを聞かれた4人は、福地は「毎回違う公演になるのが舞台の醍醐味だと思うのですが、今回は特にその瞬間に出てくるエネルギーや、その日によって受け取るものが変わってくる作品だと感じています。その日のお客さまが何を受け取ったのか、どういう気持ちで帰ったのかを想像するのも楽しいですし、一緒に心が豊かになる時間を過ごせたら嬉しいです」、川栄は「長丁場なのでまずは怪我なく病気なく、みんな笑顔で終われたらいいなという思いです。また、お客さまの記憶に一生残るような舞台になるよう、精一杯頑張りたいです」、上白石は「キャストがどの役も必ず2人以上いるので、どこでやっていてももう1人この世界に同じ役の人がいるというのは本当に心強いこと。その絆や温かさを感じながら頑張りたい。劇中のアニメーションも身と心を削って作られたものなので、私たちもいっぱい汗をかいて筋肉を使って心を動かして頑張りたいと思います」、橋本は「初演のときに客席を見ると、小学生や中学生の子たちを見る機会が多くて、初めて舞台を観に行ったのが『千と千尋』だったと大人になってから言う人もきっと多いのではないかと思いました。それだけどの年代の方にも楽しんでいただける作品だし、千尋として舞台版の本作をより皆さんに楽しんでいただけるよう精一杯走り抜けて伝えていきたいと思います」とコメントした。

千尋役・橋本環奈、上白石萌音によるカーテンコールの様子

その後、3月11日（月）に本公演の初日が開幕した。橋本が千尋役を務めたカーテンコールでは、「2022年の3月2日に帝国劇場で初演の幕を開け、そこから各地を回らせていただき、どの劇場でも満員御礼という私たちカンパニーにとって本当に嬉しい結果となりました。そして本日ここ帝国劇場に戻ってまいりました！　皆さんいかがでしたか？」と橋本が客席に問いかけると、会場は拍手の渦に包まれた。そして、「千尋としてちゃんと千穐楽まで駆け抜けられたらと思っております！」と橋本らしい満開の笑顔で宣言していた。

3月12日（火）には、千尋役を上白石が演じた公演が行われた。カーテンコールで、上白石が「本日は足元の悪い中、ご観劇いただきありがとうございました！」と第一声を放つと、会場からは大きな拍手が。さらに、「今年からカンパニーの人数が増えまして、キャストだけで78名、海外スタッフを含めると200人を超える大所帯になりました。素晴らしい最高の、尊敬と愛に満ちた大家族の一員になれて、私は本当に幸せです。ロンドン公演の大千穐楽まで、1秒1秒全員で繋いで心を揃えてお届けしていくので、たまに今日のことを思い出していただけると、とても力になります。どうぞよろしくお願いします！」と、これから始まる公演に向けて意気込みを語った。

文：矢内あや

公演概要

舞台『千と千尋の神隠し』

公演日程：
2024 年3月 11 日(月)～30 日(土) 【東京】帝国劇場

2024 年4月 30 日(火)～8月 24 日(土) 【ロンドン】ロンドン・コロシアム

2024 年４月【名古屋】御園座
2024 年４～５月【福岡】博多座
2024 年５～６月【大阪】梅田芸術劇場メインホール
2024 年６月【北海道】札幌文化芸術劇場 hitaru

キャスト：
千尋橋本環奈／上白石萌音／川栄李奈／福地桃子
ハク醍醐虎汰朗／三浦宏規／増子敦貴（GENIC）
カオナシ森山開次／小㞍健太／山野光／中川賢
リン・千尋の母妃海風／華優希／実咲凜音
釜爺田口トモロヲ／橋本さとし／宮崎吐夢
湯婆婆・銭婆夏木マリ／朴璐美／羽野晶紀／春風ひとみ

兄役・千尋の父大澄賢也／堀部圭亮
父役吉村直／伊藤俊彦
青蛙おばたのお兄さん／元木聖也

頭五十嵐結也／奥山ばらば
坊武者真由／坂口杏奈

原作：宮﨑駿

翻案：ジョン・ケアード
共同翻案：今井麻緒子

オリジナルスコア：久石譲
音楽スーパーヴァイザー・オーケストレーション・編曲：ブラッド・ハーク
音楽スーパーヴァイザー補・オーケストレーション・Ableton プログラミング：コナー・キーラン
美術：ジョン・ボウサー
パペットデザイン・ディレクション：トビー・オリエ
振付・ステージング：井手茂太
照明：勝柴次朗
音響：山本浩一
衣裳：中原幸子
ヘアメイク：宮内宏明
映像：栗山聡之
音楽監督・指揮：深澤恵梨香
舞台監督：北條孝
演出補佐：今井麻緒子
演出補：永井誠
演出助手：小貫流星
プロデューサー：尾木晴佳
演出：ジョン・ケアード