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朝夏まなと主演、中河内雅貴、実咲凜音、廣瀬友祐、保坂知寿、一路真輝ら出演。ミュージカル『モダン・ミリー』製作会見レポート!

REPORT

2022年9月に、ミュージカル『モダン・ミリー』が東京・シアタークリエにて上演される。

1967年の映画「モダン・ミリー」を原作とした本作。ジュリー・アンドリュースが演じるモダンガール・ミリーが高い評価を得た後にブロードウェイで舞台化された。楽曲をほぼ一新し製作されたミュージカル版は、2002年にトニー賞作品賞ほか5部門を受賞し、大ヒット作品となる。

日本でも2020年4月に公演が決まっていた本作だが、開幕直前に公演が中止。今回は満を持して、2年越しの上演となる。演出・翻訳は小林香が担当、出演はミリー・ディルモント役に朝夏まなと、ジミー・スミス役に中河内雅貴、ミス・ドロシー・ブラウン役に実咲凜音、トレヴァー・グレイドン役に廣瀬友祐、マジー・ヴァン・ホスミア役に保坂知寿、ミセス・ミアーズ役に一路真輝が名を連ねた。

今回は、演出の小林香、主演の朝夏まなと、出演の中河内雅貴、実咲凜音、廣瀬友祐、保坂知寿、一路真輝が登壇した製作会見の様子をお届けする。

製作会見レポート

2020年、公演中止が発表された本作。演出・翻訳を務める小林香は「舞台稽古をして初日を迎えるだけという状態の中で突然公演が中止となり、さよならを言うこともままならずにみんなと別れてしまいました。今回2年の時を経て、キャストのみんなに会えたことが本当に嬉しくて。またこのみんなと『モダン・ミリー』の世界を作れる日が来たんだと思うと感慨深いです」と公演できる喜びに触れながら、「公演が中止になったとき、キャストのみんなに手紙を書いたことを覚えております。その手紙の締めに『これは中止ではなく、大幅な延期です。なので、再び会えることをとても楽しみにしています』と綴りました。その大幅な延期の結果、また本作をお届けできることを本当に嬉しく思っています」と語った。

映画ではジュリー・アンドリュース、ブロードウェイ版ではサットン・フォスターが演じた主人公・ミリーを務める朝夏まなとは、公演中止のときの思いについて「やっぱりなんていうか、やるせない気持ちと切ない気持ちと……でも、仕方ないかなという気持ちもどこかにあったりして、何とも言いようのない思いでいっぱいでした」と当時の胸中を打ち明け、「けれども(小林)香さんの『大幅な延期』という言葉を信じてきました。そして2年後に上演が決まって本当に嬉しいです。自分自身も成長できていたらいいなと思います。今日皆さんに久しぶりにお会いして、懐かしい気持ちになりました。皆さん面白くて楽しくて、とても素敵なので、また一緒にできるのが楽しみです」と笑顔を見せた。

ミリーに惹かれていくジミーを演じる中河内雅貴は「公演中止となった2年前は、とても心が苦しかったです。でもこのミュージカルはとてもハッピーな作品なので、そういうつらいときにも作品の楽曲を改めて聞き直して、多少ではありますけれども、心が救われた自分がいました」と振り返り、「ぜひとも劇場に足を運んで生のライブ感をしっかりと体感していただき、元気になって、明日への活力となるようなそんな存在でいたいです。この作品だったら、きっとそのように届いてくれるだろうなと思います」とコメント。

ミリーと同じホテルに下宿する女優志望のドロシー役を務める実咲凜音は「(前回のキャストと)ここにいらっしゃるキャストの皆さまが変わりないということで、私はそれが本当に嬉しくて。今日久しぶりにお会いできてただただ嬉しかったです。2年前作品が止まってしまったときは『こんなハッピーな作品だからこそやりたい!』と思っていました。2年越しにはなりますが、皆さまにお届けできます」と喜びを見せた。

ミリーの就職先の社長・グレイドン役を演じる廣瀬友祐は「いいのか悪いのか前回の記憶があまりなくて(笑)。とにかく劇場に観に来てくれるお客さまと一緒に、本作を共有できるよう強く強く願っています」と語り、世界的に人気な歌手・マジー役の保坂知寿は「すごく温かくて明るい作品だったという体感が自分の中に残っていました。またその世界に行けるのが嬉しいです。2年の時間がみんなにいろんな才能を起こしていると思うので、また新しい本作をお届けできたらと思います」と気合いを覗かせた。

ミリーとドロシーが宿泊するホテル・プリシラの女主人ミアーズ役の一路真輝は「私の役がハッピーミュージカルの中でもかなりクセがありまして……。ほかの皆さんもクセはあるものの、悪い方のクセがあるので、そこをいかにどろっとした役にならずに、この役柄の中でも何か一つ皆さまの心にいいものが残るようにしていきたいです」と自身の役柄について触れた。

質疑応答に移り、今回の上演が決まったときの率直な気持ちについて、小林は「『もっと面白くしてやる!』という気持ちになりました。公演中止のときはやるせない気持ちになっただけではなく、命の危険が押し寄せてきて、カンパニーを引っ張っていく中でどういう選択をすればいいのか日々考えていて。そして、この芸術というものに意味があるのか、必要なものなのか、まざまざと直面せざるを得ない時期でもありました。そのときに公演が中止になり、これもまたキャストの皆さんに手紙で書きましたが、『いつか必ず再会しよう』ということと、『再会するまでの時間で、なぜ自分が演劇、ミュージカルをやるのか。それを考えるのにこれほどふさわしいときはないから、もっと素晴らしい俳優、スタッフ、作り手となって再会しようね』と伝えました。この2年間みんながいろんな経験をしてきたので、2年前より必ず面白くなっています」と意気込んだ。

華やかなショーアップシーン、切ない恋のシーン、コミカルなシーンなど、どの場面にもブロードウェイミュージカルの楽しさが詰まっている金太郎飴のような作品だと小林がコメントした本作。おすすめのシーンを聞かれると、朝夏は「一つを挙げるのは本当に難しいのですが、やっぱりこの作品の魅力の一つにタップがあります。大人数でタップを踏むシーンは、きっと観ていらっしゃる方もスカッとするはずなので、そのあたりを注目していただきたいです」と自信満々。

中河内は「廣瀬の演じるグレイドンが僕はおかしくて大好きで、客席で観たら笑わない人はいないんじゃないかっていうくらい、誰もが笑ってしまう役作りをしているんです。真面目に、ですよ。そこからインスピレーションをいただいて、もうちょっと僕も役作りを変えていこうかなと思っています(笑)」と茶目っ気たっぷりに笑う。

実咲は「プロローグの場面がOVERTUREから『モダン・ミリー』の世界に引き込んでくれます。そこは私は出ていないんですけれども、すごく好きでした。曲もいいですし、あの時代のファッションである衣装もモダンでスタイリッシュで、観ているお客さまは目でも耳でも楽しめると思います」と話し、「朝夏さんとはお友だちの役なので一緒に歌を歌う場面がありますが、宝塚のときは相手役として隣に立っていたので、朝夏さんは男役を演じていらっしゃいました。今は手を出す出し方一つ取っても違うので、それを新鮮に感じながら稽古したのを覚えています。お客さまもきっと新鮮さを感じられるはずです」と宝塚歌劇団在団中にトップコンビであった朝夏との場面についても触れた。

役作りについて登壇者らに言及を受けていた廣瀬は「一路さんには『不思議な役作り』、小林さんには『声が大きい』、中河内さんには『おかしい』と言われて、今自分の役作りに恐怖を感じています(笑)」と会場を笑わせ、「僕の会社に勤めているミス・フラナリーに対して、苦し紛れに肘を褒めるところが大好きだったなと今思い出しました。ハッピーな面白いシーンになっているので注目してもらえれば」とコメント。

さらに、保坂は「色濃い人たちの中でミリーとジミーが二人で窓の外に出て行って歌うシーンが好きです。そんな純粋なラブストーリーを見ながら、二人を応援したいなと思っていたことを思い出しました」と話し、一路は「どこを切り取っても面白いので、私が願うことは、上演期間中、皆さまが心の底から笑っていただける時期になっていればいいなと。出ている私たちが自らハードルをめちゃくちゃ上げていますが、本当に面白いんです(笑)。なので、皆さんマスクをしながら『おほほ』でもいいので、笑っていただけたら。笑いは、本当に私たちの活力になるんです」と、コロナ禍でコメディ作品を上演することについて切実な胸の内を語った。

最後に意気込みとして、朝夏は「今日この会見をしながら、いよいよ始まるんだなと新たに感じました。いろんな思いが詰まったこの『モダン・ミリー』という作品、2022年度版を劇場でお客さまと共有して、どういう反応がいただけるのか。まだ未知な部分もあるので、お客さまと一緒にこの作品を作っていきたいです。9月には少しこの状況が落ち着いて、もう少し皆さまが劇場に気楽に来られるようになっていたらいいなと思いますが、たとえそうなっていなかったとしても、明日への活力になる作品、心を開放し楽しく笑える作品になっているので、皆さんぜひ会場にお越しください。心よりお待ちしております。本日はありがとうございました」と締めくくった。

文・撮影:矢内あや

公演概要

ミュージカル『モダン・ミリー』

脚本:リチャード・モリス ディック・スキャンラン
新音楽:ジニーン・テソーリ 新歌詞:ディック・スキャンラン 
原作/ユニバーサル・ピクチャーズ同名映画脚本:リチャード・モリス

演出 / 翻訳 小林 香

出演:
朝夏まなと 中河内雅貴 実咲凜音 廣瀬友祐 保坂知寿 一路真輝 ほか

2022年9月7日(水)~9月26日(月)
日比谷・シアタークリエ

<大阪公演>
10月1日・2日
新歌舞伎座

公式サイト:https://www.tohostage.com/modern_millie/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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