福⽥悠太(ふぉ〜ゆ〜)主演。室龍太、松本明子ら出演。「ボーイング・ボーイング」囲み取材レポート!
2022年5月14日(土)より東京・自由劇場にて、6月3日(金)より京都・京都劇場にて「ボーイング・ボーイング」が上演される。
本作はフランスの劇作家マルク・カモレッティが書いた戯曲で、1960年のパリでの初演以降、世界中で幾度となく再演され、日本でも何度も上演された大人気コメディ。
モテない男・ロベールがモテ男・ベルナールを訪ねたことから巻き起こるドタバタ喜劇の大傑作!今回演出に三枝孝臣を迎え、台本を可児理華が務める。
モテない男・ロベールは福田悠太(ふぉ~ゆ~)が、二枚目のモテ男・ベルナールは室龍太が、重要な回し役とも言える家政婦・ベルタは松本明子が演じる。そして、ベルナールが付き合う3人のキャビン・アテンダントは愛加あゆ、大友花恋、飯窪春菜が演じる。
今回は、福田悠太・室龍太・松本明子が登壇した囲み取材とオフィシャルゲネプロレポートをお届けする。
囲み取材レポート
3人が立ち位置に着くや否や、福田は「よろしくおねがいしまーす。本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。さきほどは大盛況のなかでのフォトセッション、そして、まもなくトークコーナーということで。お一人1,000円ずついただきたいと思います。あ、大丈夫ですか。はい、それでは、ありがとうございました」とその場を去ろうとし、室がツッコみ、松本が横で笑って見ているという、スタートからカンパニーの仲の良さが伺える取材会に。
改めて、初日公演を終えた心境を聞かれると、福田は「今回は初日公演後に取材のお時間をいただくという初めての経験なのですが……。まぁ、ウケましたね。こんなにウケちゃって大丈夫かなというくらい。ここは自由劇場なんですけど、本当に自由でした。手応えもバッチリでございます。本番終わって2分くらいしか経っていないので、テンションも高いです」と述べた。
すかさず室は「そんな早くないです、もう少し経ってます」とツッコみ、「役柄的には当たり前なのですが、裏で福ちゃんさんがめちゃくちゃ笑いをとっていたら、悔しかったです。ライバル意識はないけど、やっぱり関西人の性なんでしょうね」と続けた。
それを聞いた福田は「僕は裏で室くんが笑いをとっていても、悔しいなんて思わなかったですけどね。やっぱり器の違いでしょうね(笑)」と笑顔でボソリ。
松本は「今回のお芝居には天才がいますね。女性陣もそうですし、なにをやらかしても救ってくれる福田さんとムードメーカーの室さんがいて幸せです。稽古では和気あいあいと仲良くて、素晴らしいチームワークです」と述べた。
福田が「3人は初共演ですね。室くんとも初めましてで、喋ったこともないです」と言うと、室は「すごいウソ言うやん、記事になっちゃうから! みんなこういうことつまんでいくから! ダメダメ!」と訂正し、会場は笑いに包まれた。
改めて、福田は「室ちゃんは事務所の後輩ですし、マネージャーが一緒なので接する機会が多いので”よろしく~”くらいの気持ちでしたが、松本さんは、あの松本明子さんですからね。会った瞬間に”うわ、電波少年!”って思いました。その松本さんは、本当に腰が低くて。僕の腰はなんて高いんだと思いましたね」とお互いに腰をどんどんと下げて見せる二人。
その横で室は「俺はどうしたらいいん!」と困惑していると、福田からは「ツッコめ! なんのために関西に生まれたのかを考えて!」と無茶振りをする一面も。
モテ・非モテ役について聞かれると、福田は「僕は普段からモテるタイプではないので、この役は僕のためにあるのかなって。この作品は約60年前の作品なんですけど、60年前の作品誕生の時から、僕が演じるために書かれている可能性がありますね(笑)。
自分との共通点もあって、演じていて楽しい。汗だくで、めちゃくちゃ頭を使うんですけど、演じられてよかったなって思います」と答えた。
室が顔には汗をかかないことを得意気な顔で語ると、福田からは「なんか、ジャニーズみたいなこと言ってる」と一言。
「俺、ジャニーズなんで! でも、役とは真逆ですね。キザなことは言わないですし、僕もモテないですし。俺はうるさいので、まじでモテない」と語った。
それを聞いた福田は「たしかにうるさい。朝の挨拶とかも、30歳越えてる男が”おはよ~ございま~す”って入ってくるんです。みんな愛想笑いですよ」とモノマネしてみせた。
「イジってますやん! 俺、そんな声高いです? 明日から暗い声で挨拶しよう」と室が言うと、松本がムードメーカーだとフォローし、室らしさが溢れる”ムーロメーカー”という新たな役割も誕生した。
演じるにおいて、笑いを耐えるのが大変なのは全員同じだったようで、内容を詰めるよりも、みんなで笑わないように何回も繰り返して慣らしていくことが多い稽古だったという。
お互いの呼び方について聞かれると、室は「最初は福田くんって呼んでいました。でも、俺がSnow Manの向井康二から”るーたん”って呼ばれていると知った後には、”ふくたん”って呼んでって言い出したんです」と暴露すると福田は「Snow Manが今波に乗ってるから、その波に乗っていこうと思って」とアピール。
最終的には福ちゃんさん、室ちゃん、アッコさんという呼び方になったが、松本だけは福田のことを社長と呼ぶそう。
「稽古終わりに僕のところに来て”社長、お疲れさまでした”って言うので、僕は振りだと思って”はい、Youは今日も頑張ったね”ってジャニーさんのモノマネをしてるんです。アッコさんは僕のことジャニーさんって思ってるのかな? って思いました(笑)」とエピソードを話した。
カンパニーの仲の良さは、ボーイング・ボーイングの台本の面白さ故とのことだが、親友役の福田と室は毎日一緒に電車で帰っていて仲を深めたという。
最後に、お客様へのメッセージとして、松本は「1960年代の名作コメディで素晴らしい作品です。素晴らしい出演者と暖かいお客様にも囲まれて、今日から幸せな時間を過ごさせていただきます。ぜひ足を運んでいただいて大いに笑っていただいて、明日からの活力になれたらと思っております」と、室は「暗いニュースばかりで明るいことがあまりないので、ここに来ていただいて、明るく笑って帰っていただけたらと思っております。お待ちしております」と、福田は「この公演は、浜松町の自由劇場と京都の京都劇場での上演になりますが、そこで一緒に、たくさん笑いましょう。……ハイッ!」と締めた。
と思いきや、室が「あ!苦労したこと、最後に思い出しました! 僕が長台詞を練習していたら、福ちゃんさんとアッコさんが邪魔してきます。この二人が、一番子供です。これ、絶対に書いてください!」とアピール。
すると、福田も「さっきも、本番ギリギリまで台本をこんなに顔の近くで、ぶつぶつと読んでいました。こんな近くでどうやって見てるんだろうって、台本フェイスシールドかと思ったよ」とエピソードを追加し、「そんな近くないし、全然うまくない! もう、帰りますよ!」と室がツッコみ、取材会では最後まで笑いが絶えなかった。
文・撮影:水谷かな子
オフィシャルゲネプロレポート
舞台上に広がるのはおしゃれなリビングルーム。ここはモテ男・ベルナール(室龍太)の自宅だ。よく見ると6つも扉があるが、この扉こそ本作のキーとなっている。そのリビングルームで朝食を楽しんでいるのは、ベルナールとアメリカ人CAのジャネット(大友花恋)。二人はどう見ても仲の良い恋人で、特にジャネットはフライトに行くまでのわずかな時間も離れたくないとばかりだ。そこで働く家政婦のベルタ(松本明子)はブツブツ言いながらも、なんだかんだベルナールのために動き回る。そこに突然訪れたのは、ベルナールの旧友で田舎からパリにやって来たばかりのロベール(福田悠太)。その暮らしぶりをうらやましがるロベールに、ベルナールはとんでもない告白を始める。彼はいま、密かに3人の婚約者がいるというのだ。それは、たった今出かけて行ったアメリカ人CAのジャネットと、これからやってくるフランス人CAのジャクリーン(飯窪春菜)、今晩やってくるドイツ人CAのジュディス(愛加あゆ)。彼女たちは飛行機の時刻表通りに動くので、絶対にかち合わないとロベールにも勧めるが――。
言うまでもないが、この舞台では3人のCAの予定が急遽変わり、全員がベルナールに会いに来る。その大ピンチを、ロベール、ベルナール、ベルタがタッグを組み、機転を利かせ、なんとか切り抜けようとする1日を描くドタバタコメディだ。
ロベールは、まったく洗練されておらず、女性に免疫もなさそうだし、だけど誠実ではありそうな男。それを演じる福田は、登場した瞬間からププッと笑わせる何かを纏っており、喜劇の才を感じさせる。いちいち驚いたり、羨ましがったりのリアクションも賑やかで、ベルナールの三股の告白を笑えるものにするのも、なぜだか三股がバレないように応援してしまうのも、ロベールがそうさせていると言える。ベルナールを演じる室は、喋り方も、身のこなしも、表情も、ひたすら二枚目。なにかに直面する度にあわあわするロベールとは違い、少なくとも恋人それぞれの前では取り乱さないし常にレディファースト。なんてヤツだと思わせつつも嫌わせない魅力がある。家政婦のベルタはとにかくずっとぶつくさ言っているのだが、松本が演じているからこそだろう、ずっと機嫌が悪いのにしっかりと愛らしさを感じさせるキャラクターになっており、この個性的な3人の会話は独特の面白さがある。
そしてベルナールの恋人たちがまた全員強烈。ドイツ人・ジュディスを演じる愛加はシリアスからコメディまで幅広く演じられる俳優だが、今作ではジュディスのキャラクターも相まって、常に全力スイングとも言える思い切りのいい芝居に笑わされる。大友が演じるのはアメリカ人・ジャネット。フランス人であるマルクの偏見に満ちたアメリカ人像にも笑わされるものがあるのだが、それを大友の愛らしさも加わり好演。「いやいや…」ということも愛らしく押し通すのが楽しい。飯窪演じるジャクリーンはフランス人で、劇中でもロベールとベルナールが「かわいい」と話す素直な女性。それを飯窪が真っ直ぐに演じているため、恋人が舞台上に登場すると観客としても度々癒された。劇中で何度も出てくる、ロベールやベルナールと彼女たちとのキスシーンも、みせ方がポップで楽しい。
さて、ベルナールはこのピンチを乗り越えられるのか。どんな展開が待っているかは、ぜひ劇場で楽しんでほしい。一回の観劇では観きれないところがたくさんある芝居なので、もっと観たくなった方はぜひ再び足を運んでほしい。上演時間は約2時間20分(2幕/休憩15分含む)。
撮影: 木村直軌
公演概要
ボーイング・ボーイング
作:マルク・カモレッティ
演出:三枝孝臣
上演台本:可児理華
出演:福田悠太(ふぉ~ゆ~)
室龍太/大友花恋・飯窪春菜・愛加あゆ/ 松本明子
<東京公演>2022 年 5 月 14 日(土)~29 日(日)
会場:自由劇場
東京公演主催:ミックスゾーン、サンライズプロモーション東京
東京公演問合わせ先:サンライズプロモーション東京
0570-00-3337(平日12:00~15:00)
<京都公演>2022 年 6 月 3 日(金)~5 日(日)
会場:京都劇場
京都公演主催:ミックスゾーン、リバティ・コンサーツ
京都公演問合わせ先:キョードーインフォメーション
0570-200-888(平日・土曜 11:00~16:00)
ケット料金:<東京・京都共通>¥10,500(税込・全席指定)
公式サイト:https://www.bbstage.jp/
公式 Twitter:@bbstagejp
【企画・製作】ミックスゾーン