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長野凌大(原因は自分にある。)×北村健人インタビュー 舞台『いいね!光源氏くん』「笑って楽しめる作品に。舞台ならではの面白さや感動を生で感じてほしい」(前編)

INTERVIEW

2023年8月12日(土)から、東京・三越劇場にて、舞台『いいね!光源氏くん』が開幕します。

本作は、現代の日本で暮らす藤原沙織のもとに、『源氏物語』の主人公・光源氏が現れることから始まる歴史コメディです。えすとえむさんによる原作漫画は「FEEL YOUNG」(祥伝社)にて連載が2015年にスタート。2020年にはNHK総合でドラマ化、2021年には続編も放送され、多くの話題を呼びました。

今回の舞台では、沙織の部屋に突如舞い降りる光源氏役を室龍太さん、『源氏物語』の登場人物で光源氏のライバル・頭中将役を冨岡健翔さん、突如光源氏と奇妙な同居生活を送ることになるOL・沙織役を矢島舞美さんが演じます。

脚本は演劇ユニット・艶∞ポリス主催の岸本鮎佳さん、演出は村上大樹さんが手がけ、原作をベースにしたオリジナルストーリーが展開されていく予定です。

THEATER GIRLでは、頭中将を手助けするホスト・カイン役にWキャストとして挑戦する長野凌大さん(原因は自分にある。)と、光源氏くんの恩人でアメリカ人のフィリップ役を務める北村健人さんにインタビュー。

前編となる今回は、出演が決まったときの気持ち、役作りやお互いの印象などについて伺ってきました。二人でお話しするのは、本取材が初めてとのこと。最初は少しぎこちない空気感が漂っていましたが、お二人の礼儀正しい様子、インタビュー中の物腰柔らかい話し方、芯の強さを感じる声のトーンは、どこか共通しているようにも見受けられました。

インタビュー後編はこちら

本作の出演が決まったとき、それぞれ二人が感じたことは?

――現在、お稽古はどのくらい進んでいる状況なのでしょうか?

北村:実はまだ始まったばかりなんですよ。(取材時)

長野:僕は、今日これから始まる稽古が2回目です。顔合わせは終わっているのですが、まだ全員では揃ったことがなくて。

北村:そうそう、長野くんとお会いするのも今日が2度目。まだ一緒にお芝居すらしていないので、こうやって二人で話すのは初めてですね。

――なんと、そんなタイミングに! 今回の対談インタビューが、お二人のコミュニケーションの良い機会となれば嬉しいです。まず、本作の出演が決まったときのお気持ちから伺ってもよろしいですか?

長野:今回カインというホストの役でお話をいただいたのですが、僕は普段そんなにはっちゃけているタイプではないので、意外性があって、まずはびっくりしました。それと同時に、僕に本当に演じられるのか、正直不安もあったんです。

でも、実はこないだ20歳になったばかりなので(長野さんのお誕生日は7月中旬。取材時はその数日後という時期でした)、新しいことに挑戦する良い機会になるなと思って、喜んでオファーを受けました。

――もともと原作をご存知だったとのことですが、どういう出会いだったのですか?

長野:ドラマ化されたときに、ちょうど母が好きで一緒に見ていたんです。それから原作漫画を読み直したので、「この作品に出られるんだ!」という嬉しさがありました。

北村:僕は今回のお話をいただいて、まず自分が演じるフィリップが、漫画でどう描かれているのか検索してみました。そしたら、おじいさんが出てきて「え! これ、(演じるのが)僕で大丈夫ですか?」と、マネージャーさんに一度確認しました(笑)。

でも「舞台は舞台で、原作のビジュアルとは異なる形でやります」とお話ししていただいて。実際に原作を読んでみたら、フィリップの役割の重要性を感じました。舞台でもその役割を担えたらいいなと思いつつ、やっぱり驚きが大きかったです。

――最初はあまりご自身とフィリップが結びつかなかったのですね。

北村:自分の実年齢より、フィリップはもう少し上なのかなと思っていました。ですが、それが逆に面白そうだな、と。

カインは明るくて良いやつ、フィリップは物語をかき乱すスパイス的存在

――それぞれが演じる役柄と、現在の役作りについて教えていただけますか?

長野:カインは根っからの明るいタイプですね。ホストという職業柄、近寄りがたいというか、周りから距離を置かれているのかと思いきや、本当に良いやつなんですよ。

それに比べて、自分は普段そんなに喋らなくて。特に、一人のときは落ち着いている性格なので、この稽古場に来るときはできるだけテンションを上げて、明るく社交的でいようと心がけています。

――ちなみに、ホストという職業にはどういうイメージを持たれていましたか?

長野:話し上手な方が多い印象があるので、僕もコミュニケーションを頑張らなきゃと思いました。

――北村さんはいかがですか?

北村:フィリップは研究者なので、自分の研究しているものや好きなものに熱中しすぎるあまり、ある意味、視野が狭くなってしまうことがある。それがみんなを引っ掻き回すきっかけにもなっているんです。

光源氏さんや頭中将さんを元の世界に戻すのか、戻さないのか。本来は、彼らにとって何が一番良い選択なのかを考えて、彼らのために行動しているつもりが、実はストーリーをかき乱す一因になっていて。トラブルメーカーとまでは言わないですけど、物語のスパイス的な存在になるのかなと思っています。

稽古を重ねていくにつれて、遊び心をプラスできそうな作品

――今回、原作にはいない舞台版だけのオリジナルキャラクターも存在しますよね。舞台版ならではの本作の魅力についてお伺いしてもよろしいですか?

長野:オリジナルキャラクターはもちろん、すでにいるキャラクターもみんなさらに個性が際立っているので、舞台版ならではの面白さや感動を生で感じていただけるのが見どころだと思います。

舞台は、ナマモノなのがやっぱり魅力ですよね。目の前で行われているからこそ、そこでしか味わえないものが、きっと一公演ごとにあるはず。そこはおそらく漫画やドラマとは違う受け取り方ができるのではないかと思います。

――北村さんは舞台経験が豊富なので、原作がすでにある作品にも今まで多く出演されてきたと思います。そういった作品に取り組むときならではの難しさはありますか?

北村:原作モノには原作モノ、オリジナルものにはオリジナルものの難しさがそれぞれあるので、一概には言えないのですが、今回において言うなら、ドラマとの大きな違いは、お客さまが俯瞰して好きなところに注目できるじゃないですか。

特に主演の3名は台詞量が多くて、今はそれを馴染ませるのが大変ですが、みんなが慣れてきたら遊びどころがたくさん作れる作品だと思います。喋っている人はここにいるけど、こっち側ではこんなことをやっていて……みたいな。

稽古を重ねていくにつれて、カンパニーがそれぞれコミュニケーションも増えていって「この人とはこういう遊びができそうだな」と、それぞれが発見できるはず。それが舞台ならではの難しさでもあり、面白さにもなっているのかな、と。

積極的にカンパニーを盛り上げる光源氏役・室龍太さんの存在感

――まだお稽古は始まって間もないですが、稽古場の雰囲気はいかがでしたか?

北村:主演の室さんが、素敵な雰囲気を作ってくださっていますね。昨日、キャストの方が「良かったら食べてください」と差し入れを持ってきてくれたのですが、なんとなく一番最初に取りに行くのがはばかられるシチュエーションって、たまにあるじゃないですか。

そんな中、主演の室さんが率先して「ありがとうございます、いただきます! みんなで食べましょう!」と、差し入れをもらいやすい空気にしてくださったのがとても素敵だな、と。これからもっと良いカンパニーになる予感がすでにしていますね。

――座長自ら、そういった雰囲気作りをしてくださっているんですね。

長野:本当そうでしたね。皆さんに初めてお会いした本読みのとき、僕、めちゃくちゃ緊張していたんですよ。でも、そこで室さんが僕に話しかけてくださったり、一人ひとり自己紹介していくときに「今日食べた朝ご飯は○○です」みたいな流れを作っていただいたりして、最初から和やかな空気で進められたので本当に救われました。

そのおかげで少し緊張が和らいで、本読みも自然にできたので、芝居以外のところでも勉強になることがたくさんありそうです。

二人きりで話すのは今日が初めて、お互いの印象は?

――今回せっかく対談インタビューという形なので、良ければお互いの印象を聞きたいです。

(お二人が顔を見合わせて、少し恥ずかしそうに笑う)

長野:北村さんは……ザ・職人です。

北村:いやいや。(恥ずかしそうに、首を横に振りながら)

長野:舞台の稽古動画を拝見すると、役としてちゃんとそこに存在している姿が印象的でした。たくさん準備をしてきていらっしゃるからなのだと思いますが、それは稽古場では見せないというか……。これからご一緒しながら、見習っていきたいです。北村さんを遠くから見つめながら、そんなことを思っていました。

――努力を表に見せない、一番かっこいいタイプですね。

長野:はい、そんな感じがしてかっこいいなと思います。

北村:そんなことないよ……(照)。

まだお会いしたばかりなので、そう言っていただけるのはありがたいですけれど、もっともっと頑張らなきゃと思っています。自分の中では、本当にまだまだなので……。

長野:あと、冷静な方なのかなとも思いました。僕は普段けっこう静かで、私生活では一人でいるのが好きなので、もしかしたら同じタイプかな、と。これも遠くから見ていて思いました(笑)。

北村:(笑)。普段は大人しい性格ということですが、そういう人がテンションの高い役をやるのってすごく難しいと思うんですよ。でも、長野くんはアイドルをやっていらっしゃるので、ステージ経験も豊富ですよね。人を楽しませることに長けている方だと思うので、自分の中で、切り替わるスイッチみたいなものを見つけたときは爆発力がすごそう。

長野:プレッシャーが(笑)!

北村:と、思っています! (期待を込めた視線を長野さんに送る)

長野:頑張ります!

北村:だと思いますよ、本当に。

取材・文:矢内あや

インタビュー後編はこちら

公演概要

舞台『いいね!光源氏くん』

日程:2023年8月12日(土)~8月19日(土)
会場:三越劇場

脚本:岸本鮎佳(艶∞ポリス)
演出:村上大樹
原作:えすとえむ

<出演>
光源氏くん:室 龍太
頭中将:冨岡健翔(ジャニーズJr.)

カイン(Wキャスト):長野凌大(原因は自分にある。)/小野寺晃良
城内桃香:加藤夕夏
藤原詩織(Wキャスト):小泉遥香(超ときめき♡宣伝部)/矢野優花

フィリップ:北村健人

笹本絹代:小野寺ずる
武坂むさか:伊藤修子

藤原沙織:矢島舞美

料金: 9,300円(全席指定・税込/前売り&当日共)
※未就学児童入場不可

公式サイト: https://mmj-pro.co.jp/hikarugenjikun/
公式Twitter: @hikarugenji_ST #舞台光源氏くん

お問い合わせ: メディアミックス・ジャパン
https://www.mmj-pro.co.jp/contact/stage/ (平日11:00~17:00)

企画製作: メディアミックス・ジャパン/citrolemon

主催: 舞台『いいね!光源氏くん』製作委員会(メディアミックス・ジャパン/citrolemon)

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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