甲斐翔真、夢咲ねねインタビュー ミュージカル『October Sky -遠い空の向こうに-』「劇場を出たときに晴れやかな気持ちになってほしい」(後編)
元NASAの技術者ホーマー・H・ヒッカム・Jr.による感動の自伝小説「ロケットボーイズ』を原作にし、大ヒットした青春映画『遠い空の向こうに』。その後アメリカでミュージカル化され、2度のトライアウト公演が行われました。今回は待望の日本初演として、豪華キャストを迎えて10月6日(水)からBunkamuraシアターコクーンにて上演されます。
1950年代、ウェスト・ヴァージニア州の炭鉱町を舞台に、周囲の大人たちに反対され、厳しい現実に直面しながらもロケットを打ち上げるという夢を追いかけた高校生4人の姿を描いた本作品。
THEATER GIRL編集部は、人類初の人工衛星が宇宙へ飛び立つ姿を見て、ロケットに夢を抱いた高校生・ホーマーを演じる主演の甲斐翔真さん、そしてそんなホーマーたちを支える教師ミス・ライリーを演じる夢咲ねねさんにインタビューを敢行しました。
後編となる今回は、演出を担当する板垣さんへの印象、本作に対する意気込みなどをたっぷり語っていただきました。作品のテーマである「夢」にちなんで、お二人が今まで叶えてきた夢についてもうかがっているので、お楽しみに。
「作品を一から作りながら、それを自分の意思として伝えられる」のは最上級の幸せ
――お稽古を重ねていくにあたって、楽しみにしていることはありますか?
甲斐:日本初演の本作をこのカンパニーで作っていけるというのは、俳優として表現者として、一番楽しい瞬間ではないかなと感じます。作品を一から作りながら、それを自分の意思として伝えられるというのは表現者にとって最上級の幸せです。
助けてほしいときに現れてくれるヒーローのような先生
――家族との関わり方もこの作品ではキーになっていくと思いますが、そちらについてはいかがでしょうか。
甲斐:家族との関わりも重要ですね。少年4人たちの関係性、先生との関係性、そして父との関係性。父はほぼ敵のような存在です。とはいってもただの敵ではなく、親子の絆があるうえでの喧嘩や言い争いができるといいなと思いつつ、父ジョン役の栗原(英雄)さんがとても素敵な役者さんなので、僕自身掛け合いも楽しみです。本番で何回か負けてしまうのではないかと心配はありますが(笑)、そこに必死に食らいついて、父として信用しつつも反論していきたいと思います。
――先生もこの親子関係に積極的に関わっていくのでしょうか?
夢咲:お父さんと直接関わることは、映画を見ている限りなかったと思います。
私が印象に残っている先生とのシーンは、最後一番煮詰まっているとき「自分たちはどうしたいの?」と投げかけることで、彼らが目覚める場面でした。ピンポイントで助けが必要なときに現れてくれる先生という感じです。
甲斐:そうですね。困ったときに来てくれるヒーロー的な存在です。