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浜中文一主演。舞台「スケリグ」ゲネプロ&取材会レポート!キャスト7人+音楽家1人で描くファンタジックな世界

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7/31(金)より紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて、舞台「スケリグ」が開幕した。自在に演じるキャスト、生演奏、映像を駆使した美術など、創造的な演出が光る傑作舞台『スケリグ』。2019年の上演に続く今回の再演では、キャスト7人+音楽家1人、全員で活き活きと描く魅力的な世界を、さらにスケールアップして届けられる。

今回は、主演の浜中文一、金子昇、瀬戸カトリーヌ、演出のウォーリー木下が登壇した、取材会の模様をお届け。

取材会レポート

――再演が決まった時はどんな気持ちでしたか?

金子昇:本当に嬉しくて、やっている最中は休憩時間がないくらいバタバタしていてくたくたになる作品なんですが、初演のときに達成感が凄かったので、「またやれるんだ」と、とても楽しみにしていていました。それが、まさかのコロナ禍になってしまい……できないかもしれないということになって。なので、明日が初日ですが、最後まで駆け抜けられるか本当に未知数ですね。奇跡が起きてほしいなと思っています。

浜中文一:話を聞いたときは年末くらいだったんですけど、「もう、すぐやん!」と思って。再演と聞いたときに、「そんなすぐに?」っていう感覚でしたね。それで、いざやるとなったときにこういう状況になってしまって。明日以降もどうなるかわからない不安定な状況ですけど、なんとかここまで来れたかなという感じがします。

瀬戸カトリーヌ:初演のときは、いろいろな役をやって余裕がほとんどなかったんですけど、再演の話を聞いたときには、 「 正直体力持つかな」と思いました(苦笑)。でも、このコロナの期間で「舞台に立てないかもしれない」と覚悟はしていたんですが、今日やっぱり演者みんなのナマの息遣いを演じながら感じて、お客さんと一緒に作る舞台ってやっぱり素晴らしいなという気持ちを細胞で感じて。

今まで当たり前だったけど、大好きな舞台に立てていることが、幸せだったんだなと強く感じますね。今は、誰一人欠けることなく、千秋楽まで走り続けたいなという強い思いがあります。

ウォーリー木下:今、瀬戸さんが言っていたように、再演をやれることがもちろん嬉しいですし、特にこの作品は、小さい頃からずっと考えている、僕にとっての演劇としての大事なことをたくさん使っているんです。それがこういう形でお客さんが入っていて……感動というか、ただの再演ではなく、演劇だからこそできることを伝えられるような再演になりそうな気がしますし、喜びもひとしおという感じです。

――出演者の皆さんは、ついこないだやったばかりの感覚とのことですが、まだ身体に役が馴染んでいて、戻すことも楽だった感じでしょうか?

金子:いや、皆さん暗い中で観られているので、誰が何をやっているかわからないと思うんですけど、僕でさえ小さい役を入れると5役くらいやってるんですね。文ちゃんとかはちゃんと数えたら7~8役くらいやってると思います。SEとかで流しててもわからないのに、赤ちゃんの鳴き声とかもやっていて、後ろで「おぎゃ~おぎゃ~」とやっていて(笑)。

隙間なくやっていることがいっぱいあって。初演でやったので、セリフはもちろん何となく入っていたんですけど、「ここ終わったら次あっち行ってこれやるんだ、あれやるんだ」という細かい部分を結構忘れていたので、稽古期間中はそれを思い出すのに必死でしたね。今でもまだ必死感がありますけど。

瀬戸:金子さんと額縁を持って出るシーンがあるんですけど、金子さんがいなくて、ふと金子さんを見たらふくろうでスタンバイしていて。

金子:ふくろうで出るところでした(笑)。

瀬戸:そのくらい全員が忙しいというのも一つの魅力だと思います。

金子:それも、観てるお客さんに伝わらないっていうのが、すごく残念ですね。

浜中:本当に皆さん手数が多いですよね。

金子:影絵も、プロジェクターを使って絵が出てるんですけど、それだけでいいのに、後ろで僕たち本当に影絵をやってたりするんですよ。あれ? プロジェクターだけでいいんじゃないかなと思いながら(笑)。

浜中:そこはウォーリーさんに聞きましょうよ(笑)。

ウォーリー木下:いやいや、それはプロジェクターじゃ味気ないじゃないですか。もちろん、ライブでやることの良さというか。でも、プロジェクターで出てるってことにお客さんは気づいてないと思うんですよ。

金子:いやいやいやいや(笑)。

ウォーリー木下:いや多分、本当、本当(笑)。それがいいなぁと思いました。

金子:先ほど演出の案で、小さい頃にこういったことを思い描いたとおっしゃってたじゃないですか。小さい頃って何歳の頃ですか? 5歳くらいでこんなこと思いついたら変態ですよ(笑)。

ウォーリー木下:影絵とか、僕すごく好きだったんですよね。夜、影絵ごっことかしませんでしたか? そういうことが蓄積されてというか。基本はSEがなくて、演奏の吉田さんとキャスト7人で全部やっているんですけど。

金子:音楽家の吉田さんは生演奏で、ピアノを弾きながら、音を叩いて、口で笛を吹いたりもしていて凄いですよね。

ウォーリー木下:文ちゃんも結構やってるよね。

金子:文ちゃんもカーテンの裏で、楽器を鳴らしたりしてるんですけど、誰にも伝わらないという(苦笑)。

ウォーリー木下:遊び場というか、できるだけ舞台上だけの人で、本当は照明とかもやってほしいくらいなんですよね(笑)。

そういう手作り感といいますか、ホームメイドな温かさが原作にはあるので、そういった手法でやることで、温かさは伝わって帰っていただけるんじゃないかなと思います。

浜中:前回は、涼しい時期やったからよかったですけど、今はあちあちですね。

ウォーリー木下:でも、この空間は換気もバッチリですし、そういう意味では涼しいと思います。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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