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愛希れいか主演。屋良朝幸、上山竜治、清水くるみら共演。ミュージカル「マリー・キュリー」公開稽古レポート!

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3月13日(月)~26(日)まで天王洲 銀河劇場にて、4月20日(木)~23日(日)まで梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演されるミュージカル『マリー・キュリー』。

先日行われた公開稽古のレポートと稽古風景の写真をお届けする。

愛希れいかが主演するミュージカル『マリー・キュリー』の公開稽古が2月27日に開催された。ラジウムとポロニウムという二つの元素を発見し、ノーベル賞を二度受賞した女性科学者マリー・キュリーの情熱と信念を、Fact(歴史的事実)とFiction(虚構)を織り交ぜドラマティックに描き出す“ファクション・ミュージカル”。2018年に韓国で初演され、2021年の韓国ミュージカルアワードで大賞をはじめ5冠に輝いた作品の、これが日本初演となる。共演は屋良朝幸、上山竜治、清水くるみら。演出は鈴木裕美が手掛ける。

この日の公開稽古では、3場面が披露された。まず最初は冒頭早々に歌われるM2『すべてのものの地図』。大学進学のため、母国ポーランドからパリ行きの汽車に乗ったマリー(愛希)が、のちに親友となるアンヌ(清水)と出会う場面だ。女性の生き辛さなど当時の社会情勢が盛り込まれつつも、意気投合するマリーとアンヌ、未知なるものの秘密を探し出したいというマリーの科学者としての夢などが描かれる、希望に溢れる明るいナンバー。愛希の芯の強さと透明感が同居する歌声、清水のエネルギッシュさと前向きな明るさも、マリーとアンヌの役柄をくっきりと際立たせていて良い。なおこのシーンには、台詞はないもののルーベン役の屋良も登場。物語の時系列的には、マリーがルーベンと出会うのは大学入学以降であるが――このあたり、鈴木ならではの仕掛けがありそう。

次に披露されたのは、そのルーベンを中心としたM4『遠い世界へ』。優秀な科学者に投資し産業へと結びつけるルーベンもまた、斬新な発見を渇望している。彼は未知なる新しい元素の存在を訴えるマリーの論文に興味を持ち支援を約束する……という場面。ハットを被り、ダンサーたちと軽快に踊る屋良を中心にショーアップされたナンバーで、ミュージカルらしい華やかさが楽しい。

最後は劇中のキラーナンバー、マリーと夫ピエール(上山)のデュエット曲であるM8『予測不能で未知なるもの』。ラジウムが医療分野にも役に立つのではという仮説を立てるマリーとピエール。新たな発見への興奮の中に、お互いのかけがえのなさと愛をも描く壮大なナンバーだ。愛希と上山の演じる科学者夫婦からは、知的さとともに、自分たちのやりたいことを探求する無邪気さ、純粋な情熱が伝わってくる。非常にチャーミングだ。

公開稽古のあとは、愛希、屋良、上山、清水、演出の鈴木による取材会も行われた。この公開稽古で初めてマスクを外したとのこともあり、皆嬉しそうな表情で、和やかに取材会は進行。愛希が“ファクション・ミュージカル”と銘打っていることに触れ「この物語の中のマリーは、皆さんがご存じの科学者マリー・キュリーの顔に加え、とても人間らしいところがある。そこに私は共感するし、心を揺さぶられる」とその魅力を語る。鈴木も「事実に大胆な虚構を加えることで、劇的なうねりが加わっている。しかも曲がとても良い。感情がほとばしるエモーショナルさがあり、それを支える楽曲があるというのはミュージカルとして良くできているし、楽しいところ」と話す。

さらに「演劇的理解を俳優に求める裕美さんの演出で、ミュージカルなんだけど演劇を見ている感覚になると思う。面白いと思ってもらえるものになっているのでは」(清水)、「キャストはみんな個性豊かで、群像劇のようにも感じてもらえるのでは」(上山)、「ダンスの面でも、ミュージカルというジャンルの中では非常に新しい表現になっています。自分でも新たなチャレンジがあって楽しい」(屋良)等、口々に作品の魅力をアピール。最後に愛希が「科学者の話ということで難しいのではないかと思われる方も多いと思いますが、それだけでなく人間ドラマがしっかりあり、熱量高いエネルギッシュな舞台になっています。ぜひ劇場に足をお運びいただけたら」と話し、取材会は終了した。日本版ならではの魅力を存分に湛えた、新たな名作誕生に期待しよう。

公演は3月13日(月)から26日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、4月20日(木)から23日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される。

取材・文:平野祥恵

稽古風景写真

撮影:平野祥恵

稽古場公開&取材会ダイジェスト映像

ストーリー

9世紀末、マリー(愛希れいか)は、大学進学のため、パリ行きの列車に乗っていた。そこで出会ったアンヌ(清水くるみ)と希望に胸を躍らせ、当時、少なかった女性科学者として、研究者のピエール・キュリー(上山竜治)と共に新しい元素ラジウムを発見し、ノーベル賞を受賞する。ところが、ミステリアスな男・ルーベン(屋良朝幸)が経営するラジウム工場では、体調を崩す工員が出てきて……。

公演概要

ミュージカル「マリー・キュリー」

脚本: チョン・セウン
作曲: チェ・ジョンユン

演出: 鈴木裕美
翻訳・訳詞: 高橋亜子

出演: 愛希れいか 上山竜治 清水くるみ
能條愛未 宇月 颯 清水彩花 石川新太
坂元宏旬 聖司朗 高原紳輔 石井 咲 大泰司桃子 / 屋良朝幸

【東京公演】
日程: 2023年3月13日(月)~3月26日(日)
会場: 天王洲 銀河劇場

【大阪公演】
日程: 2023年4月20日(木)~4月23日(日)
会場: 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

企画製作: アミューズ

公式サイト: https://mariecurie-musical.jp/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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