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白井晃演出、成河、別所哲也ら出演。音楽劇『ある馬の物語』開幕!「三年越しの初日の幕が開け、素直にうれしいです」

REPORT

2023年6月21日より世田谷パブリックシアターにて、音楽劇『ある馬の物語』が開幕した。

本作は 2020 年 6~7 月に上演予定だったが、折しも新型コロナウイルス感染症禍による第一回目の緊急事態宣言発令により当館も臨時閉館という事態となり、やむなく上演を断念した作品。そしてこのたび、丁度 3 年という歳月を経て、ようやく上演が叶った。

ロシアの文豪トルストイの小説(原題『ホルストメール』1886 年刊行)を舞台化した『ある馬の物語』は、人間という愚かな生き物と思考する聡明な馬とを対比させ、人間のあくなき所有欲に焦点をあてながら、「この世に生を受けて生きる意味とは?」という普遍的なテーマを、詩情豊かにそしてストイックに問いかけてくる作品。1975 年に本国ロシアで初演されて以降、国際的に評価の高いこの作品を、白井晃が新演出で立ち上げる。

まだら模様に生まれついたばかりに不遇な運命をたどる馬役に成河、その馬の中に潜む才能を見出す公爵役に別所哲也、公爵や、まだら模様の馬の前に立ちはだかる美と若さの象徴ともいえる男性(牡馬)に小西遼生、そして彼らの運命を変えていくファムファタールともいうべき女性(牝馬)役に音月桂が扮する。

また、大森博史、小宮孝泰、春海四方、小柳友の個性あふれる魅力的な出演陣に、馬の群れをアグレッシブに形成する歌とダンスに秀でた 10 名のキャストたち。総勢 18 名の出演者が、実力派のスタッフとともに、百数十年前のロシアのストーリーを現代の我々のストーリーとして立ち上げる。

音楽監督に国広和毅、振付に山田うんという強力なスタッフの布陣を得て、民族的な情緒豊かな歌に加え、音楽や身体表現の要素もふんだんに取り入れながら、馬の目線で人間の生きざまを映し出す。

コメント

上演台本・演出 白井 晃

三年越しの初日の幕が開け、素直にうれしいです。
この作品は、観客の皆さんと共に作る作品。初日の客席の皆様が加わったことで、伝わることが明確になった気がしています。
トルストイが伝えようとしたメッセージが今の私たちのフィルターを通して、しっかりと伝わっていることを願っています。
成河さんのホルストメールだからこそできる表現、別所さんの公爵だからこそできる表現、小西さん、音月さんだからこそできる表現がたくさん盛り込まれているので、無事にそれが形となったことに喜びでいっぱいです。キャスト・スタッフの総力でとても豊かな劇空間が生まれたように思います。
率直に、とてもほっとしています。たくさんの皆様のご来場をお待ちしております。

訳詞・音楽監督 国広和毅

ロゾフスキーさん作の歌をどうやってサックス 4 本で編曲するのか。また自分が新たに作曲した器楽曲とそれらをいかにして一枚の布に織り上げるか、悩みに悩んだ 2 ヶ月間でした。でも稽古プロセスでその二者の境界が消えて行くのを感じ、初日を迎えた今日、工事現場の足場から響き渡るサックスの音色と個性豊かな歌声はもはや誰のものでもなく、今ここで鳴っている切実な生命の息吹として創作の祝祭を彩っていると確かに感じました。最後にはお前は何をこれから建設するんだ、どう生きるんだ、と問いを突きつけられるような緊張感あふれる素晴らしい初日でした。
何と言っても生演奏ですからその音圧と即興性、公演ごとの変化もこれからとても楽しみです。

成河

白井さんを中心にカンパニー全員で、外堀を埋めるように大枠を作る作業を積み重ねて、まずは目指していた器の形が見えてきました。次に、この器に、これからお客様と一緒にどんな中身を詰めていくか。それがこれからの課題です。あまり器を満たしきってしまうのは作品として違う。とは言え、空っぽの器のままでもいけない。
想像力という中身を、お客様と一緒に詰めていって、最後にトルストイのメッセージがどのように響くのか。それをどう感じ、役立てていくのか。その使命は、実演家も観客も対等に担うのがこの作品だと思います。
実は、これだけ舞台と客席が密接な空間なのに、こんなに良い意味でお客様が気にならない舞台は久しぶりです。第四の壁とでもいうのでしょうか、客席との間にある壁をぶち破る演技を求められることが多いのですが、今回は白井さんとセッションを重ねて、あえてモノローグでもそれを避け、最後の最後に初めて客席と目が合う。そんな演技がなんだか自分にとって新鮮です。
これをお読みになっているあなたが 24 歳以下なのであれば、絶対に足を運んで欲しい作品です。世田谷パブリックシアターの U24(アンダー24)と、高校生以下であれば一般料金の半額でご観劇いただけます。この、難しいことは一切ない、必ず何か生きる上での刺激を得ることができる作品を観ていただけます。もちろん、24歳以上のみなさんもお待ちしています。必ずびっくりさせますから。

別所哲也

お客様と一緒に舞台は育つのだなと初日を終えて改めて感じました。2020年からの3 年という時間が巡り合わせや縁を作ってくれて、今この時期に上演する意味を皆様も感じてくださったのではないかと思います。所有するとか奪い合うとか、人間が持っているそもそものエゴが馬から見えてくるという、とても面白い作品です。
この作品自体の構造がそうなのかもしれませんが、永遠に完成を目指すという、いい意味での現在進行形の中を、白井さん、出演者の皆さんと一緒に、船で言うとオールを漕ぎながら海原を前進していくような感じがしています。俳優としてまた新しい自分の表現を見つけられる現場です。
皮を剥いても剥いてもその先にまだ何かがあるような作品です。決して難解ではないので、楽しく観ていただけたらと思います。胸に迫る深いメッセージが一番底にありますので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。

小西遼生

白井さんの遊び心が満ちた演出、アクティングエリアの広さ、トルストイのメッセージとが折り重なるこの舞台。実際にお客様の前でやってみないとどう受け止めていただけるか分からない緊張感を持って今日を迎えましたが、とても良い初日を終えることができたとほっとしています。
この物語は、馬の視点を通し、人間の業を時にはおもしろく、でも真摯に、説教くさくならずお届けできる作品。舞台と客席とがフラットで、半円形に迫り出しており、客席芝居も多く、舞台だけでなく劇場全体が『ある馬の物語』の世界観を築いています。こんなにイマーシブな演劇体験はそうそうできないと思うので、多くの皆様に体感していただきたいです。
日常では得難いパーツを皆様にお届け出来るのが演劇の醍醐味だと思います。劇場でお待ちしています。

音月 桂

二か月弱という期間があっという間に感じるほど、濃密な稽古期間を重ねてきました。いざ舞台に立ってみると、この物語や演出の奥行や立体感、具体的なイメージを感じながら、リラックスして舞台に立つことができました。普段、とても緊張してしまう私が、こんなに落ち着いて初日を迎えられたのは初めて。それは家族のように信頼し、支えあっていけるカンパニーと、日々変化を与えてくれる白井さんのマジックのおかげです。
トルストイ原作というと難しそうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現代の私たちにも通じるテーマ性と、白井さんの演出、国広さんの音楽とうんさんのムーブメントで、世代を問わずお楽しみいただける作品に仕上がっていると思います。舞台と客席とが地続きに感じるような劇空間で、私たちと共に、『ある馬の物語』の世界を楽しみながら創っていただけましたら幸いです。

舞台写真

音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司
音楽劇『ある馬の物語』 撮影:細野晋司

物語

ホルストメール(成河)は、天性の俊足を持つ駿馬だったが、人間の嫌う「まだら模様」に生まれついたがために、価値のない馬と見なされて育てられた。ある日、厩舎に凛々しい公爵(別所哲也)が現れた。厩舎の主人は見た目の美しい馬をすすめたが、公爵は一目でホルストメールの天性の素晴らしさを見抜き、彼を安価な値段で買い取った。公爵との生活はホルストメールの生涯で、唯一の輝かしく幸福な日々となった。
ある日、公爵の気まぐれから、ホルストメールは競馬に出走することになる。その競馬場で公爵の愛人マチエ(音月桂)は、若く美しい将校(小西遼生)と出会い姿を消してしまう。公爵は気が動転し、ホルストメールを橇に繋ぎ激しく鞭打ち走らせた……。

公演概要

音楽劇 『 あ る 馬 の 物 語 』

【原作】レフ・トルストイ 【脚本・音楽】マルク・ロゾフスキー 【詞】ユーリー・リャシェンツェフ
【翻訳】堀江新二 【訳詞・音楽監督】国広和毅

【上演台本・演出】白井晃

【美術】松井るみ 【照明】齋藤茂男 【音響】井上正弘 【振付】山田うん 【衣装】伊藤佐智子
【ヘアメイク】川端富生 【アクション】渥美博 【演出助手】桐山知也 【舞台監督】大垣敏朗

【宣伝美術】秋澤一彰 【宣伝写真】山崎伸康
【宣伝衣装】伊藤佐智子 【宣伝ヘアメイク】川端富生 伊荻ユミ 高村マドカ

【世田谷パブリックシアター芸術監督】白井晃

【出演】
成河 別所哲也 小西遼生 音月桂
大森博史 小宮孝泰 春海四方 小柳友
浅川文也 吉﨑裕哉 山口将太朗 天野勝仁 須田拓未
穴田有里 山根海音 小林風花 永石千尋 熊澤沙穂

【演奏】小森慶子(S.Sax.) ハラナツコ(A.Sax.) 村上大輔(T.Sax.) 上原弘子(B.Sax.)

【日程】2023 年 6 月 21 日(水)〜7 月 9 日(日)
【会場】世田谷パブリックシアター

【チケット料金】一般:S 席 8,800 円/A 席 5,500 円 ※ほか高校生以下、U24 など各種割引あり
【チケット取扱い】世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515(10~19 時)
世田谷パブリックシアターオンラインチケット https://setagaya-pt.jp/

【お問合せ】 世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515 https://setagaya-pt.jp/
【主催】 公益財団法人せたがや文化財団 【企画制作】 世田谷パブリックシアター 【後援】 世田谷区

【ツアー公演】兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2023 年 7 月 22 日(土)・23 日(日)各 13:00 開演

公演ホームページ:https://setagaya-pt.jp/stage/1829/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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