薮 宏太 (Hey! Sɑy! JUMP)×橋本良亮(A.B.C-Z)インタビュー 『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』「何度でも観たくなる魅力が詰まっている作品」(後編)
2026年6月14日(日)より東京・パルテノン多摩公演を皮切りに、仙台・名古屋、岡山・大阪、東京・有楽町よみうりホールにて、ミュージカル『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』が上演されます。
ティム・ライスとアンドリュー・ロイド=ウェバーによる、数々の賞を受賞した『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』は、ウェストエンドやブロードウェイでの複数回のロングランを含め、世界80か国以上で国際ツアーが行われ、数十万回以上の上演を重ねてきました。ポップスやミュージカルの名曲が数多く登場し、世界で最も愛されるファミリーミュージカルのひとつとなっています。
2022年、初めて日本版として上演され、約4年の時を経て、待望の再演が決定しました。日本初演に引き続き、演出はミュージカル『GHOST』の演出などを手がけたエネルギッシュでポジティブな演出に定評のあるダレン・ヤップさん。
日本初演に引き続き本作の主人公・ジョセフ役をつとめるのは温かみと芯のある歌声が人々を惹きつけるHey! Sɑy! JUMPの薮 宏太さん。
ナレーター役には、Wキャストとして、華やかで確かな歌唱力と多彩な表現力に定評のあるシルビア・グラブさんが日本初演に引き続き出演、圧倒的な歌声と演技力を備える清水美依紗さんがフレッシュな風を吹き込みます。さらに、ファラオ役には、華やかな佇まいで存在感を示すA.B.C-Zの橋本良亮さんが新たなメンバーとして名を連ねます。
THEATER GIRLは、ジョセフ役の薮 宏太さん、ファラオ役の橋本良亮さんにインタビュー。後編では、それぞれが演じるジョセフとファラオの役作りや再演に向けた思い、衣裳をまとった際の率直な感想、そして何度でも観たくなる本作の魅力についてたっぷりとうかがいました。
すでに再演を一度経験したような感覚
――ジョセフとファラオ、それぞれの役についての印象を聞かせてください。また薮さんは、再演にあたってブラッシュアップしたいと感じている部分はありますか?
薮:前回は歌の基礎的な部分に重点を置いて準備していました。2020年に一度上演できなかったことで、スタートラインに立ったまま止まってしまった感覚があったので。その後2022年に改めて一ヶ月間稽古を積んで本番を迎えられたことは、自分にとって大きな経験でした。
2度の稽古を経て、すでに再演を一度経験したような感覚もあったからこそ、今回は、さらに歌の説得力を高めていきたいと思っています。
一方ファラオは、物語の空気を一変させる存在ですよね。二幕の冒頭で突然ギターサウンドが入り、世界観がガラッと変わる。その役をはっしーがどう表現するのか、とても楽しみですし、彼なら絶対にできると思っています。
――その言葉を受けて、橋本さんはいかがですか。
橋本:本当に作品の空気が一気に変わる役なので、完全に自分のものにしなければいけないなと思っています。ファラオが登場している間は、自分が主導権を握って場の空気を引っ張っていく必要があると思うので。
ただ、そういう役割は好きですし、お客さんが入って初めて完成する役でもあると思うので、稽古中は難しさにぶつかることもあるかもしれませんが、本番ではテンションも確実に変わってくると思います。
薮:ファラオはかなりパーソナルな部分も出していい役だと思うので、そこも含めて楽しんでほしいですね。
自分なりの表現で取り組みたい
――ジョセフとファラオ、それぞれの人物像をどのように捉え、役作りを進めていこうと考えていますか?
薮:ジョセフは主人公で、一見キラキラした存在に見えますが、もともと聖書をベースにした物語なので、決して完璧な人物ではありません。むしろ性格的な欠点もあって、「それは妬まれても仕方ない」と思えるような部分があります。
夢を解く力を持つことで自分は特別だと感じていたり、兄弟に対して自慢げな態度を取ってしまったりするので、周囲から反感を買うのも自然な流れだと思います。
ただ不思議なことに、物語全体を通して観ると、最終的には「ジョセフって嫌なやつじゃないよね」と感じてもらえることが多いんです。むしろ「かわいそう」と思われる存在でもある。そのバランスがとても面白いと感じています。
一幕の「Close Every Door」で初めて自分がどん底にいることを実感し、そこから立ち上がっていく流れがあるのですが、その経験からジョセフが変化していくので、それまでの”少し鼻につくジョセフ”は、あっけらかんとしているくらいがちょうどいいのではないかなと。いかにピュアで、感情に正直でいるかを大事に演じたいと思っています。
――確かに、観ている側としてはあまり嫌な印象が残らないですよね。
薮:そうなんです。ただ実際には、兄弟に嫌われてもおかしくない言動をしていて。「僕はハンサムだ」「僕はスマートだ」と言ったり、父から特別なコートをもらって「歩く芸術品だ」と表現したりもしていますからね(笑)。そう考えると、妬まれるのは当然なんです。
――橋本さんは、ファラオ役についてはいかがでしょうか。
橋本:正直、現段階ではつかみきれていない部分も多く、稽古が始まってから見えてくるものが大きいのかなと。ただ、とにかくお客さんを楽しませる役であることは間違いないと感じています。
薮:コール&レスポンスのような要素もありますし、そういう参加型の空気感も魅力の一つですよね。
橋本:ロックなところもすごく面白いですし、ファラオ×ロックという組み合わせは、この作品ならではの魅力だと思うので。どうロックとして成立させるか、自分なりに役を作っていく必要があると思っています。今回は自分なりの表現でお客様に楽しんでいただけるよう取り組みたいです。
「こんなに重かったんだ」と驚いた
――ジョセフとファラオの衣裳を実際に着用された印象はいかがですか?
薮:4年ぶりに衣裳を着たのですが、改めて「こんなに重かったんだ」と驚きました。当時はそこまで意識していなかったのですが、着てみるとかなりの重さがあります。
それでもポーズを取ったりコートをなびかせたりしているうちに、当時の感覚が少しずつ蘇ってきました。前回は本番直前まで衣裳を使った稽古が難しかったのですが、今回は早い段階から使える可能性もあるので、役作りの幅も広がるのではないかと思っています。
橋本:実際に着てみると、パーツが多くて装着に時間がかかる印象でした。ロングのカツラもあって全体のボリュームはありますが、すべてを身につけて”完成形”に近づいていくと、自然とワクワクしてきます。
しっかり装うことで役に入り込みやすくなって、恥ずかしさもなくなっていく感覚がありますね。衣裳も含めて作品の世界に没入できるのが、とても楽しみです。
――最後に、本作を楽しみにしている皆さまへメッセージをお願いします。
橋本:皆さまにしっかり楽しんでいただける舞台にしたいと思っています。全力で取り組みますので、ぜひ楽しみにしていてください。
薮:この作品は繰り返し観るほど面白さが増していく魅力があります。前回ご覧いただいた方はもちろん、今回初めて観てくださる方にも、必ず何かを感じ取っていただける作品です。
楽曲のフレーズがとても印象的なので、初めて観たときは「よく分からないけれど、とにかく楽しかった」という感覚になる方も多いのではないでしょうか。2回目で「こういうメッセージだったのか」と気づき、3回目にはまた新しい発見がある。そういう中毒性のある作品だと思います。
一幕は特に展開がスピーディーで、『Go, Go, Go Joseph』と盛り上がっているうちに幕間を迎えているような感覚になると思います(笑)。その後もファラオの登場で一気に空気が変わり、物語が大きく動いていくので、気づけばあっという間に終わっている、体感としてとても短く感じる作品です。実際には約1時間45分ほどですが、それ以上のスピード感があって、何度でも観たくなる魅力が詰まっています。
今回はさまざまな地方でも公演を予定しており、前回行けなかった場所にも足を運べるのがうれしいです。世代を問わず楽しめる作品ですし、改めて皆さんに『ジョセフ』をお届けできることをとても楽しみにしています。ご来場いただいた方それぞれの心に何かが残るよう、精一杯努めます。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:梁瀬玉実
【薮 宏太】
ヘアメイク:二宮紀代子
スタイリスト:寒河江健(Emina)
ジャケット/¥94,600-/MARKWARE/
シャツ/¥46,200-/ANTOK/
その他スタイリスト私物
【橋本良亮】
ヘアメイク:土橋麻巳子(barrel)
スタイリスト:野友健二(UM)
公演概要
ミュージカル『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』
作詞: ティム・ライス
作曲: アンドリュー・ロイド=ウェバー
演出: ダレン・ヤップ
出演:
ジョセフ:薮宏太
ナレーター(Wキャスト):シルビア・グラブ/清水美依紗
ジェイコブ:三田村邦彦
ポティファー:大山真志
ジュダ:秋沢健太朗
ベンジャミン:東島京
武藤寛 斎藤准一郎 章平 加藤良輔
LEI’OH 田川景一 中村拳 横田剛基 島田隆誠
小野妃香里 音波みのり 丹羽麻由美 酒井比那 國松沙織
ファラオ:橋本良亮
【東京公演】
2026年6月14日(日)
東京都 パルテノン多摩 大ホール
【仙台公演】
2026年6月20日(土)・21日(日)
宮城県 東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)
【名古屋公演】
2026年6月27日(土)・28日(日)
愛知県 COMTEC PORTBASE
【岡山公演】
2026年7月4日(土)・5日(日)
岡山県 岡山芸術創造劇場ハレノワ 大劇場
【大阪公演】
2026年7月10日(金)〜13日(月)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
【東京公演】
2026年7月19日(日)〜8月9日(日)
東京都 有楽町よみうりホール
公式HP: https://www.josephthemusical.jp/
公式X: @josephmusicalJP
製作:松竹株式会社 ぴあ株式会社 株式会社シーエイティプロデュース
