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戸塚祥太(A.B.C-Z)×加藤和樹×辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)×JUON(THE& ex FUZZY CONTROL)×上口耕平インタビュー 『BACKBEAT』「“ファイナルの向こう側”へ」(前編)

INTERVIEW

2026年4月12日(日)のプレビュー公演を皮切りに、愛知・大阪・東京・兵庫にて『BACKBEAT』が上演されます。

本作は、世界的ロックバンド・ビートルズの結成初期を描いた1994年公開の伝記映画『BACKBEAT(バックビート)』を、イアン・ソフトリー監督自ら舞台化した作品。結成当初は5人編成だったビートルズに、メジャーデビューを待たず袂を分かつことになるバンドメンバーが存在した…という史実が基になっており、日本では2019年に初演され好評を博し、2023年に再演されました。

翻訳・演出は、石丸さち子さん、音楽監督は、森 大輔さんが務め、ビートルズ結成時のメンバーたちの葛藤や心の揺れを描く青春物語を再び創り上げます。

スチュアート・サトクリフ役は、戸塚祥太さん。ジョン・レノン役は、加藤和樹さん。ジョージ・ハリスン役は、辰巳雄大さん。ポール・マッカートニー役は、JUONさん。ピート・ベスト役は、上口耕平さん。19年の初演から熱量高く演じ、絆を深めてきた5人が若き日のビートルズとして再集結します。

共演には愛加あゆさん、林 翔太さん、鍛治直人さん、東山光明さん、田川景一さん、安楽信顕さん、そして尾藤イサオさんと、存在感と実力を備えた、個性豊かなキャストが揃いました。

そして、初演、再演と、初期ビートルズの粗削りながら勢いのある生演奏を再現してきた5人が、本公演でファイナルステージを迎えます。

THEATER GIRLは、戸塚祥太さん、加藤和樹さん、辰巳雄大さん、JUONさん、上口耕平さんにインタビュー。前編では、初演・再演を経て感じている作品の進化やパワーアップしたと感じるポイントについて、さらに、音楽を通して築かれたチームワークやカンパニーの絆など、作品づくりの裏側にあるエピソードもたっぷりとお聞きしました。

パワーアップしかしていないと思います

辰巳:正直に言うと、パワーアップしかしていないと思います。どこが、というよりも、パワーダウンしている部分が見当たらないんです。

稽古の始めに、(演出の石丸)さち子さんから「これまで積み上げてきたものを大切にしすぎず、捨てる勇気を持って、またここからスタートしよう」という言葉をいただいたことがとても大きかったですね。

加藤:どうやってもこれまでの経験や感覚が自分たちの中にあるので。再演作品で難しいのは、どうしても“なぞってしまう”部分があるところだと思うんです。でも「結果的にそうなったとしても、それでいいよね」とさち子さんも仰っていて。

さっき辰(辰巳さん)が言ったように、今までのものを捨てて新たに作り上げることができるレベルに僕らはいるので、その時点で確実にパワーアップしていると感じています。

辰巳:実際、稽古をしていても“なぞっている感覚”はまったくないですね。

JUON:同じシーンでも、年齢を重ねて、それぞれがいろいろな経験をしてきたことで、感じ方が変わってきていると思います。

それは決してネガティブな変化ではなく、より深く理解できるようになったというポジティブな変化です。以前は気づけなかった部分に気づけたり、自分なりの解釈が深まったりという、新しい発見がたくさんあります。

そういうものを全員が持ち寄っているので、作品が良い方向に進むのは自然なことだと思いますね。

上口:初演の頃は、『BACKBEAT』という作品のスタイルそのものをみんなで模索していた印象があります。初演はいろいろと粗削りな部分があって、再演では疾走感を重視して、凄まじいスピードで生きていく若者たちがいて。そして今回は、そのスタイルがすでに確立された上で、そこに“生身の人間が生きている”感覚がより色濃くなっていると思います。

これまではどこかで『BACKBEAT』という舞台のスタイルを意識していた部分もあったと思いますが、今回は本当にその場で生きている感覚が強いです。年齢を重ねたことで、人間としての厚みや経験が自然と滲み出ていて、それが随所に反映されていると感じます。

辰巳:例えば稽古場会見でお見せしたスチュ(戸塚さん)とジョン(加藤さん)のシーンも、以前とはまったく違う印象を受けると思います。深みがまったく違いますし、同じシーンでも別のものに見えるくらい変化しているので。そういうシーンが本当にたくさんあるんです。それも何か新しいことを無理にやろうとしているわけではなく自然に深みが出ているので、本当にドキュメンタリーみたいです。

加藤:だから楽しいよね。

戸塚:再演から今回までの数年間で、それぞれがいろいろな経験を積んできたことが大きいのかなと。舞台上でその“生き方”がにじみ出ていて、「すごい生き方をしてきたんだな」と感じます。

昔は理解できなかった映画を数年後に観たときに腑に落ちることってありますよね。それと同じで、演じる側も進化していますし、観る側も進化していると思います。

お客様の解像度も上がっていると思うので、より深く楽しんでいただけるはずです。楽しんでくれる方たちも上級者になっているので、観客の皆さんも確実にパワーアップしていると思います。

慣れ合いではなく、しっかりとリスペクトし合っている関係

戸塚:正直、「初演のときはどうだったんだろう」と思うくらい、当時の距離感が思い出せないんです。もう思い出せないくらいの距離感というか。ただ、慣れ合いではなく、しっかりとリスペクトし合っている関係です。

今回の再々演でバンド練習に入ったとき、スタジオにジョージ(辰巳さん)とポール(JUONさん)がいて、二人の笑い声が聞こえた瞬間に、一気に時間が戻りました。その音を聴いた瞬間に、『BACKBEAT』の世界、そしてバンドの中にスッと入り込めた感覚があったので、とても印象に残っています。

加藤:初演のときも、バンドリハーサルから始まっていて。みんなで音作りを一緒にやったことで、自然と関係性ができていった感覚があります。芝居から入るとどうしてもよそよそしさや探りあいが生まれますが、音楽から始まったことで、なにも飾らない状態のまま関係を築けたので。まるでそこで本当にビートルズが生まれたような、あの瞬間は印象深かったですね。

JUON:音楽がずっと僕たちをつないでくれているので。そういう魔法ってあるんだなと。愛しい時間がずっと流れています。

戸塚:本当に魔法だよね。

上口:会った日のことって覚えてる? 僕は、その瞬間のことが忘れられなくて。(加藤)和樹くんとは以前から面識があったのですが、とっつー(戸塚さん)と(辰巳)雄大とは初対面で、自分はバンド経験も音楽経験もほとんどなかったので、最初は不安が大きかったんです。

そこにプロのミュージシャンであるJUONくんが入ってくるという状況で、「自分は大丈夫だろうか」とすごく緊張していて。でもJUONくんが、まるで太陽みたいに明るく「イエーイ!」とスタジオに入ってきてくれて、音を鳴らした瞬間に「最高じゃん!」って。

その瞬間に、『BACKBEAT』の僕たちのビートルズが“ガチッ”とはまった感覚があって。あれは一生忘れられません。

JUON:実は、僕もかなり緊張していました。(ポールに合わせて)左で弾いていて必死だったので。もしかしたら一番緊張していたのは自分だったかもしれません(笑)。

辰巳:それと、初演の頃からグループラインがずっと動き続けているんですよ。もう遡れないんじゃないかと思うくらいの量で(笑)。頻繁に動いていて、それぞれが行った場所や、「また『BACKBEAT』で行った劇場に来たよ」といった何気ないことまで共有しています。まるで家族みたいな感じですね。

最近も和くん(加藤さん)が「焼肉に行く日程アンケート」を取ってくれたりして。そういうやり取りがずっと続いています。

JUONくんはバンドもやっていますし、僕ととっつーはグループ活動もしていますが、15年グループ活動をしていても、一つのマイクであそこまで頬を寄せ合って歌う経験はなかなかありません(笑)。

だからこそ、既存のグループとはまた別の家族、“もう一つのグループ”のような感覚です。僕は“伝説の終わり、そして“始まり”を信じているので。『BACKBEAT』という伝説はここで終わるかもしれませんが、このバンドとしては本気でやりたいですね。

上口:もう何度も伝え続けてきたけどね。

辰巳:このバンドでツアーもやりたいです!

JUON:僕もその景色が見えています。

加藤:最高だね!

辰巳:実際にやっている姿が見えているので。どこから新しい伝説が始まるか分からないですからね。

JUON:いいね! 今だったりしてね!

一同:(笑)。

加藤:常にこんな感じです(笑)。

JUON:純粋に楽しくなってしまって、自然とああなりました。根っからそんな感じなんです(笑)。

上口:“本物が来た”と思いましたね。わざと鼓舞していると分かってしまうものですが、それがまったくなかったんです。

戸塚:僕の辞書の中では「裏表がない」という言葉を引くと、そこに「JUON」と出てきます(笑)。

JUON:お邪魔します!(笑)

加藤:理想のバンドマスターだと感じましたね。それでいて音に関してはしっかりと導いてくれる。そこをまとめ上げてくれるのは、やっぱりポールであるJUONくんなので。自分も大変なはずなのに、押し付けるのではなく、一緒にやっているという感覚です。

辰巳:僕自身、ギターも弾けなかったのに弾ける、と一世一代の嘘をついて参加してしまったので、最初は本当に怖くて(笑)。そこから一日8時間くらい練習して、初めてバンドで音を出した時は本当に緊張しました。でも、JUONくんが、すぐに「それ、ジョージの音だよ!」と言ってくれたんです。

JUON:すぐ音がスポットに入るんですよ。上手くなるのはいいことなのですが、上手くなっていくとどんどんツルッとなってしまうんですよね。だからそのままでいてほしいなと。様子を見ながら、少し上手くなっていたりすると「ちょっと待って!」となりました(笑)。

辰巳:手綱を引かれていたのは知らなかったです(笑)。でも、それで緊張がほぐれて、「バンドって楽しいものなんだ」と感じさせてくれました。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:遥南 碧

公演概要

『BACKBEAT』

作:イアン・ソフトリー  スティーヴン・ジェフリーズ
翻訳・演出 : 石丸さち子
音楽監督: 森 大輔

出演:
戸塚祥太(A.B.C-Z) 加藤和樹
辰巳雄大(ふぉ~ゆ~) JUON(THE& ex FUZZY CONTROL) 上口耕平
愛加あゆ・林翔太
鍛治直人 東山光明 田川景一 安楽信顕
尾藤イサオ

【プレビュー公演】
2026年4月12日(日)13:00公演
水戸市民会館 グロービスホール

【愛知公演】
2026年4月17日(金)~19日(日)
穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

【大阪公演】
2026年4月25日(土)~26日(日)
SkyシアターMBS

【東京公演】
2026年5月3日(日祝)~17日(日)
EX THEATER ROPPONGI

【兵庫公演】
2026年5月21日(木)~24日(日)
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

版権コーディネート: シアターライツ
協力:ザ・ビートルズ・クラブ

企画:シーエイティプロデュース
製作:シーエイティプロデュース、テレビ朝日

公式サイト https://www.backbeat-stage.jp
公式X @BackbeatStage

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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