岡宮来夢・加藤梨里香 ミュージカル『四月は君の嘘』ビジュアル撮影潜入インタビュー
2022年、日生劇場で初演の幕を開けたミュージカル『四月は君の嘘』は、新川直司が2011~2015年に講談社・月刊少年マガジンにて連載(全11巻)し、2012年度マンガ大賞ノミネート、2013年講談社漫画賞少年部門受賞、フジテレビ「ノイタミナ」枠でのTVアニメ化、実写映画としても大ヒットを記録し、NETFLIX等での配信を通じて世界的にも絶大な人気を誇る同名コミックが原作。単なる青春ラブストーリーではなく、音楽に引き合わされた若き音楽家の卵たちが大切な人との出会いと別れを通してその才能を開花させて行く、多くの人を惹きつけてやまない傑作。
そのミュージカル版として創作期間約6年間を経て完成した本作は、ミュージカル界の巨匠作曲家フランク・ワイルドホーンが、本来のPOPソングライターとしての才能をいかんなく発揮したキャッチ―で瑞々しい音楽と、原作の魅力である青春の刹那のきらめきと美しさを巧みに織り込んだ脚本、日本ミュージカル界を牽引する若手実力派キャスト揃い踏みによる存在感あるパフォーマンスが絶賛され、大反響の内に千穐楽を迎えました。
そんな、世界各国で好評価を受けた日本発の傑作オリジナルミュージカルが、3年の時を経て2025年8月に再演されます。
THEATER GIRLは、ミュージカル『四月は君の嘘』のビジュアル撮影に潜入! 今回は、有馬公生役の岡宮来夢さん、宮園かをり役の加藤梨里香さんのインタビューをお届け。ビジュアル撮影の印象や、高校時代の思い出、本作にちなんだエピソードについて伺ってきました。
岡宮来夢

――ビジュアル撮影を終えてのお気持ちはいかがですか。
元々大好きな作品で、韓国版も観に行かせていただいたので、楽しみな気持ちがますます大きくなりました。今日初めて制服を着て、「ついに!」という気持ちです。撮影の間もずっとこの作品の楽曲をかけてくださっていたので、「本当にやるんだ」と、実感が湧いてきました。
――高校時代の“青春を感じる”思い出を聞かせてください。
高校生活は、悔いがないくらい楽しみました。部活も一生懸命やったし、強い学校ではなかったのですが、ずっとやりたかったバスケも始めることができたので。バスケ部の仲間とは本当に仲が良くて、休みの日でも学校に行って遊んだりしていました。
クラスもみんな仲が良かったので、文化祭もすごく楽しくて。この作品で文化祭のシーンを観た時に、そのワクワク感や楽しかった気持ちを思い出しました。そういうエネルギーを自分たちも出せるように頑張れたらと思います。
今回は、若いキャストの方ばかりで、僕と同じ有馬公生役の東島(京)くんも20歳だし、アンサンブルの皆さんも含めると平均年齢が22歳くらいのカンパニーになるらしく、僕はちょっとお兄さんの方になるんです。若々しさは皆さんがお持ちだと思うので、僕らも逆に胸を借りてはしゃげたらと思います。
――高校時代に戻れるとしたら、やり直したいことはありますか?
制服ディズニーですね。僕が通っていた高校は制服がなかったんです。だから制服ディズニーができなくて。でも本当に楽しくて、できることは全部したのでそれくらいですね。文化祭でも、女装コンテストだったりその日限りでバンドを結成したり、有志で踊ったりと、やれることはなんでもやりました。
クラスの出し物も、学級長でもなんでもないのに、自分が先導してやっていたくらい(笑)。お祭りごとも好きなタイプなので、そういう意味では、渡くんの方が自分に近いかもしれません。

――高校時代にやってみたかった部活は?
もし人生がいくつもあるのなら野球部に入りたいですね。ただ、うちの野球部は夏の大会とかぶっていたので、文化祭に参加できなかったんですよね。そう思うと、そこまで野球にかける覚悟が自分にはなかったかなと思います。
だから、人生がいくつもあるなら野球部に入ってみたいし、軽音部にも入ってみたかったです。元々、軽音部がない学校で、先生に「軽音部を作らせてください」と直談判したけれどダメで。あとは、ダンスもやってみたかったですね。
実は、中学1年生の時にプロ野球選手になりたくて、クラブチームで野球をやっていたんです。でも、バスケもかっこいいし、やってみたいなと思っていて。
だけど、平日はバスケ部で休日は野球のクラブチームに入ると大会にも出られないし、バスケ部側にも遊びでやっていると思われてしまったら嫌だったので。結局は陸上部に入って、平日は長距離の人たちと一緒に走り込みをさせてもらって、休日は野球をするというパターンになりました。
でも、野球を挫折してやめてしまって、そのまま陸上部に残りました。その時からずっとバスケをやってみたいという気持ちはあったので、高校に入ってバスケ部に入部しました。
――本作のタイトルにちなみ、“四月”にやりたいことや毎年やっていることは?
四月は誕生日があるので好きなんです。なぜか春になるとワクワクするんですよ。多分、出会いの季節だからですかね。入学式や新入生が入ってくるのも楽しかったし、卒業式も寂しかったけど楽しくて。桜が儚く散っていく、そういう出会いと別れみたいなものがすごくいいなって。
最近日本に生まれたことにすごく感謝していて。やっぱり桜があって春が芽吹いて、夏は暑くて海にも行けて、秋は紅葉が綺麗で美味しいものがたくさんあって、冬は雪が綺麗で、その木に雪が乗っかって。僕はスノボも好きなので、ゲレンデで雪景色を見たりして、やっぱり四季があることっていいですよね。
そうやって、四季を美しく感じられることを遺伝子レベルで残してきてくれた昔の人に感謝したいです。だから四月は出会いと別れがあるけれどワクワクするメージですね。
毎年やっていることは特にないですが、季節ごとが好きなので、毎年お花見には行きたいなと思います。去年は、大阪公演中に(黒羽)麻璃央くんと京都のお寺に行って、もう桜は散っていたけれど、ライトアップされている葉桜が綺麗で、楽しかったのが良い思い出です。
――『四月は君の嘘』にちなみ、今までについたことのある“小さな嘘”または“大きな嘘”は?
小学1年生の時に、ちょっと大きめの嘘をつきました。自分で前髪を切っちゃったんですが、「こんな風に髪の毛切れるんだぜ」みたいな感じで友達も切っていて。「僕も切れるし」みたいな感じで自分も切ってしまって。友達はつむじ辺りの毛を切っていたので、なんともなかったんですけど、僕は前髪を切っちゃったので、でこぼこになって家族にバレてしまって。
怒られたくなくて、とっさに「この子にやられた」という嘘をついてしまったんです。それで学校にも、その男の子にもご迷惑をおかけしてしまって。けっこうしっかりめに、母親に怒られました(苦笑)。そこから、もう嘘はつかないと決めました。だから“嘘”と聞くと、それが蘇ってきますね。でも、あの経験があったからこそ、今は正直に生きられているなとも思います。

――Wキャストで有馬公生を演じる東島 京さんの印象を聞かせてください。
まだお会いしたことがないのですが(取材時)、歌がすごくお上手だと聞いています。まだ20歳なので、最近の若者のノリとかも聞けたらうれしいですね。すごくいい子だよといろいろな方から聞くので、今からお会いできるのが楽しみです。
――東島 京さんへメッセージを送るとしたら?
ちょっと人見知りなので、話しかけてもらえたらうれしいです(笑)。
――ビジュアル撮影をしてみて、キャストの皆さんの印象は?
皆さん役にぴったりだと感じました。加藤梨里香さんとは、この間、ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観に行かせていただいたのですが、コゼット役がすごく素敵だったので、かをり役も楽しみだなと思いました。
ご本人もおっしゃっていたんですが、この作品はかをちゃんのエネルギーが周りを巻き込んでいくお話で。どちらかというと、僕が演じる公生はそれに引っ張られていく方なので、かをちゃんのエネルギーがすごく大切だと思うんです。加藤さんは、天性のものをお持ちだと思ったし、今回地毛でビジュアル撮影をされていたのですが、すごく色もお似合いで、すでにかをちゃんの雰囲気だったので、早く歌も聞きたいですね。
希水さんは、とても明るい方で、きっと気遣い上手な方なんだろうなと思いました。そういうところも、椿の一歩引いている部分をすでにお持ちなんだろうなと。きっと、ご本人の魅力がすごく発揮されると思うので、楽しみですね。
吉原さんはちょっと年上でお兄さんなんですが、それがまた懐の大きさがあって、余裕があってモテそうだなと思いました。やっぱり渡くんはモテるし、スポーツマンなので。ご本人もスポーツをやられているみたいなので、ぴったりですよね。
今日、ほぼ初めましてだったのにビジュアル撮影をしている間もずっと楽しくて、稽古期間が待ち遠しくなりました。
加藤梨里香

――ビジュアル撮影を終えてのお気持ちはいかがですか。
久しぶりに制服を着たので、すごくソワソワします。二年前に別の作品で中学生の役をやったのですが、今回は、“THE 高校生”みたいな制服なので、逆に新鮮です。
学校で撮影というのも印象に残ると思いますし、この高揚感や学生の記憶が蘇ったりもしたので、この景色を覚えておこうと思いました。
――高校時代の“青春を感じる”思い出を聞かせてください。
高校生の時からお仕事をしていたので、部活に打ち込んだりはしていなかったのですが、放課後に学校全体を使って鬼ごっこをしました(笑)。それから、放課後によくカフェ行ったりもしましたね。
やっぱり文化祭はすごく印象に残っていて。高1では、お化け屋敷をやって、高2の時はショートフィルムを作って、高3では、売店でビーフシチューを作りました。そういうイベントもすごく楽しかったですね。
――高校時代に戻れるとしたら、やり直したいことはありますか?
制服ディズニーですかね。あまり制服で遊びに行ったり、それこそ恋愛というのもなかったので。お友達みんな放課後も忙しかったのであまり機会がなかったですね。なので、戻れるとしたら制服で遊園地に行ったりしてみたかったです。
――高校時代にやってみたかった部活は?
中学では、ソフトテニス部に入っていたのですが、マット運動とか、身体を動かすのが好きだったので、体操部にも入りたかったです。母が体操をずっとやっていたのもあったので。

――本作のタイトルにちなみ、“四月”にやりたいことや毎年やっていることは?
実家が梨農家なのですが、桜が満開になった10日後に梨の花が咲くので、四月は梨の花が咲いて、毎年花粉付けをしています。ちょうど梨のシーズンが始まる季節でもありますが、個人的に大切な人との別れを多く経験したのも四月なので、心が落ち着かない感覚もあります。
――『四月は君の嘘』にちなみ、今までについたことのある“小さな嘘”または“大きな嘘”は?
中1くらいまで、ずっとサンタさんを信じているふりをしてプレゼントをもらっていました。母は騙しきれなかったですが、お父さんのことはずっと騙せていましたね(笑)。
――Wキャストで宮園かをりを演じる宮本佳林さんの印象を聞かせてください。
一瞬、ご挨拶したくらいしかお会いできていないのですが(取材時)、オーディションがちょうど前後だったので、とても印象に残っています。ご挨拶した時に佳林ちゃんも、「オーディション一緒でしたよね」と話してくれて、印象に残っていると言ってくださったのですごくうれしかったです。佳林ちゃんは、パッと明るい印象がありますね。
――宮本佳林さんへメッセージを送るとしたら?
初演で宮園かをりを演じていた生田絵梨花ちゃんとは、ミュージカル『レ・ミゼラブル』でご一緒しているのですが、「かをちゃん役、頑張るね」という話をしたら、「本当に大変な役だから頑張ってね」と言っていただきました。なので、大変なことは分け合って、佳林ちゃんと手を取り合いながら一緒に頑張っていきたいです。
佳林ちゃんとWキャストでとても心強いですし、全く違うかをりちゃんができるのではと思っているので、いろいろと刺激をもらいながらやっていきたいです。

――ビジュアル撮影をしてみて、キャストの皆さんの印象は?
希水しおちゃん以外は皆さん初めましてです。有馬公生役の(岡宮)来夢くんは、以前ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観に来てくださった時にお会いして。共通の知り合いも多いですし、「いい人だよ」という噂を聞いていたので、今回ご一緒できるのがうれしいです。
渡 亮太役の吉原(雅斗)さんはとても面白くて。年齢も4人の中では一番年上だと思うので、お兄さん的存在だなと思いました。
しおちゃんとは念願の再共演となります。今回のビジュアル撮影でも、しおちゃんの明るさに助けられたなぁと思っています。大人になって同じ作品に出演するのは初めてなので、お稽古でも一緒に過ごすことができるのがとても嬉しいです。
今回のビジュアル撮影でも、打ち解けるのはすごく早かったので、今から稽古が楽しみです。
撮影おまけカット

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:野田涼
公演概要
ミュージカル『四月は君の嘘』
岡宮来夢/東島 京(Wキャスト)
加藤梨里香/宮本佳林(Wキャスト)
希水しお/山本咲希(Wキャスト)
吉原雅斗/島 太星(Wキャスト)
かをりの父:原 慎一郎 かをりの母:鈴木結加里
審査員:武内 耕・三木麻衣子
相座武士:内海大輔 井川絵見:飯塚萌木
池田航汰 大森未来衣 相樂和希 桜井咲希 佐藤志有 新條月渚 須田拓未
千歳ふみ 千葉海音 鳥居留圭 中野太一 張家ヰエナ 東倫太朗 深澤悠斗
町田睦季 松村桜李 吉岡花絵 渡辺七海
原作:新川直司(講談社「月刊少年マガジン」)
脚本:坂口理子
作詞・作曲:フランク・ワイルドホーン
作詞:トレイシー・ミラー/カーリー・ロビン・グリーン
編曲:ジェイソン・ハウランド
訳詞・演出:上田一豪
2025年8月23日(土)~9月5日(金)昭和女子大学人見記念講堂
協力:学校法人 昭和女子大学
【料金】(全席指定・税込)
S席 14,000円 A席 9,000円
【一般前売開始】2025年5月31日(土)
【チケットお問合せ】TEL:03-3201-7777 東宝テレザーブ
【HP】https://www.tohostage.com/kimiuso/
【全国ツアー】
愛知 2025年9月12日(金)~9月14日(日)
Niterra日本特殊陶業市民会館フォレストホール
大阪 9月19日(金)~9月20日(土) 梅田芸術劇場メインホール
富山 10月4日(土)~10月5日(日) オーバード・ホール 大ホール
神奈川 10月12日(日)~10月13日(月・祝) 厚木市文化会館 大ホール
