松下優也インタビュー ミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』「バドは物語にドラマ性を持たせられる役」
ミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』が、9月4日(金)より20日(日)まで東京・東急シアターオーブ、10月3日(土)から9日(金)まで大阪・オリックス劇場にて上演が予定されています。1961年ブロードウェイでの初上演以来、世代を超えて世界で愛される名作を、今回は主演・増田貴久さんの2020年版新演出での公演となっています。演出・振付を手がけるのは、2011年版(ダニエル・ラドクリフ主演)クリエイティブチームの一員として、今作を知り尽くしたクリス・ベイリー氏である点も注目です。
今回お話をうかがったのは、俳優として舞台やドラマに出演するほか、歌手としても幅広く活躍中の「松下優也(まつした・ゆうや)」さん。ミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』では主人公・フィンチのライバル役となるバドを演じる彼に、今作への意気込みや、今抱いている思いなどを語っていただきました。
バドは「やりがいのある役」
――ではまず、バド役での出演が決まった時の気持ちを聞かせてください。
楽しそうな役だと感じていましたし、かなりやりがいもありそうなので、嬉しかったです。出演が決まってから、すごく楽しみになりました。
――主演の増田貴久さんが演じるフィンチとは、出世を巡ってのライバルという役柄ですね。すでに稽古真っ只中ということですが、松下さんから見た増田さんは、どのような印象ですか?
もう、みんなが知っている“まっすー”そのまんまの感じです 。僕が共演させてもらうのは今回が初めてなんですけど、フィンチにとても合っているように感じるので、いっしょにお芝居をしていて楽しいですよ。バドとして、もっと邪魔してやろうって思います(笑)。
――座長としての増田さんは、やはりみなさんのムードメーカーなのでしょうか。
そうですね。ただ彼が演じるフィンチは覚えることの量がかなり多いので、その背中を目にすることで、みんなも頑張ってるんじゃないかなと思います。増田さん自身、稽古中に台本を持って(それを見ながら)やるようなタイプではないですし、そうなると僕らももちろん、(台本を)持つわけにはいかないですから。僕自身が座長をやらせてもらう時でも、やっぱりそうしますし「あれだけの分量があってもやっぱりそうするんだな」って感じました。
――演出・振付のクリス・ベイリー氏も、リモートという形で指揮をとっているとのことですが。
そうなんです。僕らの稽古を映像でチェックしてくれて、昨日もちょうど、クリスからのメッセージビデオを全員で見せてもらいました。
――この状況下に応じた体制で進められているんですね。稽古の様子が変わったことでの大変さも感じますか?
やっぱり、稽古が終わってからいっしょに食事に行けないっていうのは……。それだけが特別好きだったわけじゃないですし、稽古中も雑談はしますが、「そういうところで距離って縮めてたよな」って、あらためて思いました。稽古中は、もちろん、作品作りが最優先になるので。
――あぁ、なるほど。
芝居自体はすごく楽しく、全員一丸となってやってるんですけど。今は、芝居や稽古をやっている時以外は、なるべく接触がないようにしなきゃと気をつけています 。やりづらい部分といったら、そこかなぁと思います。僕みたいな人見知りの人たちは、芝居以外では、お酒を飲んでようやく人と話すみたいなところがあるんで(笑)。