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石川凌雅×松島勇之介インタビュー 『Grave Keepers』 「お客様を巻き込んでお芝居ができるのも、少人数の舞台の強み」(後編)

INTERVIEW

2023年11月9日(木)、Theater Mixaにて『Grave Keepers』が開幕します。

本作は、「劇団 東京夜光」主宰の川名幸宏さんが脚本・演出を務めるオリジナル企画。大きな戦争に巻き込まれたとある街を舞台に、墓守を生業とする5人の兄弟に隠された“秘密”をめぐる物語が描かれます。兄弟を演じるのは、様々な舞台で活躍中の石川凌雅さん、松島勇之介さん、櫻井圭登さん、新谷聖司さんです。

今回、THEATER GIRLのインタビューにご登場いただいたのは、石川凌雅さんと松島勇之介さんのお二人。後編では、親しくなったきっかけや、お互いの印象などを伺いました。

インタビュー前編はこちら

僕たちって、独特な距離感なんです

――お二人は作品での共演以外に、お互いのイベントにゲスト出演したりと、普段から交流が多いと思いますが、親しくなったきっかけは?

松島:きっかけは……何でしょうね。

石川:俺、きっかけっていうのはないと思うの。

松島:そうだね。凌雅くんとは、おととしからずーっと一緒にいるんですよ。去年は年初めも年末も一緒にいて、今年も年始が一緒で。

石川:そうそうそう!

松島:だからもう、時間がそうさせたって感じですね。

石川:うんうん。

松島:でも凌雅くんと二人でいても、ずっとしゃべっているわけではないんですよ。例えば、家族と一緒にいてもそんなに多くはしゃべらないじゃないですか。その感じに近いのかなって。

石川:何かきっかけがあって仲よくなったとかではなくて、ホントに過ごしてきた時間がそうさせたというか。僕たちって、独特な距離感なんですよね。

松島:そうそう。僕、こういう友達ってほかにいないんですよ。

石川:仕事仲間だし、友達だしっていうね。でもさ、今年に入ってからより友達になった感じがしない?

松島:あー、たしかにそれはあるね。

石川:共通の役者仲間と3人で焼肉とボウリングに行った日があったよね。あと、カラオケもか。あれは、けっこう思い出に残ってるな。

松島:うん、たしかに!

石川:“仕事でずっと一緒にいるから、プライベートでもそろそろ会うか”みたいな感じになるんですよ。

松島:うん、ホントにそうです。でも、プライベートで二人きりで出かけることはほぼないよね。

石川:そうそう。さっき勇之介と話していたんですが、学生時代に同じクラスになっても、きっとそんなに話す仲にはならないよねって。

松島:うん。教室では話すけど、二人で放課後に「プリクラ撮りにいこうぜ」とはならないし、カラオケに行くこともないよね。

――お互いにライバル心もあるのでしょうか。

松島:僕はあります。でもたぶん、凌雅くんと同じ役を取り合うことはないんですよ。身長も違うし、立ち位置というか演じる役柄のタイプも違うから。でも、ミュージカル『刀剣乱舞』という作品に同じタイミングで加入して。そこから凌雅くんがどう変わっていったかを、間違いなく一番近くで見ているので。置いていかれてはいけない! というプレッシャーと同時に、負けてたまるかという気持ちもあります。

石川:僕は、自分と近しい人をライバルだと思うと、燃えちゃってどこまでもツンツンしちゃうんですよ。

松島:あっ、そうなんだ!?

石川:そう。俺、そういうタイプなのよ。超面倒臭いの(笑)。だけど、勇之介は僕が持っていないものを持っているので、とってもリスペクトしているんです。

松島:あー。たしかに僕も、リスペクトのほうが大きいですね。

石川:とはいえ、もしも“用意ドン!”で勇之介と競争させられるようなことがあったら、すっげぇ意識しちゃうと思うけど。

松島:でも、お互いに戦い方が違うよね。

石川:そうだね。でも、なんとしても勝ちたいかも(笑)。

松島:まぁ、それは僕もそうかな(笑)。

石川:だけど、普段の勇之介を見ていると、僕とは属性がまったく違うので、ライバル意識よりもリスペクトが大きくなるんです。

――先ほど、石川さんが「勇之介は、僕が持っていないものを持っている」とおっしゃっていましたが、例えばどういう部分ですか?

松島:ぜひ、聞かせてもらいましょう(笑)!

石川:このインタビューでもおわかりになると思うんですけど、僕のボケや暴走をちゃんとまとめてくれたりとか(笑)。それに、頭の回転が速くて機転がきくんですよ。そういうのって、生きていくうえでどんな場面でも大事じゃないですか。だから、そういうところがすごくうらやましいです。

――逆に、松島さんが石川さんに対して“自分にないものを持っているな”と感じる部分はありますか?

松島:どう転んでも凌雅くんみたいにはなれないだろうなと思うところは、数えきれないほどあります。プライベートだと、多趣味なところだったりとか。あと、板の上に立っているときの凌雅くんは、まぶしいくらいキラキラしているんですよ。同じ土俵で戦わないようにしているのはたぶん、自分はそういうところで戦えないと思っているからでしょうね。

――では、もしかしたら自分しか知らないかもしれない、お互いの意外な一面があれば教えてください。

石川:これは僕、ありますよ。

松島:えっ、何!?

石川:実は、こういう取材のときに言おうと思って温めていたんですよ。

松島:えーっ、何なに!?

石川:いや、勇之介には言ったことがあるけどね。彼は自分の好きなものについて話すときに、口調がとっても優しくなります。

松島:あははは! そうなんだ?

石川:ホントにわかりやすくて。世間話をしているときに、口調が一気に変わる瞬間があるんですよ。

松島:へー! そんなこと、初めて言われた。

石川:だから、そういう話し方になったときは、そのモノだったりコトだったり人だったりにすごく興味があって、好きなんだろうなってわかるようになりました。

松島:そうなんだ! 例えば、僕は何が好きなんだなと思った?

石川:音楽とか? 今、ほかの役者の人を含めて4人でバンドを結成していて、今度、一日限りのライブを行うんですが、そういった音楽の話をしているときも口調が変わるし。あとは、食べ物の話とか(笑)。好きといっても、LIKEじゃなくてLOVEなときね。

松島:はいはいはい、愛してるのほうね(笑)。

石川:真心が生まれるぐらいの愛をもって好きなものに対して、勇之介はものすごく丁寧な口調になります。

――松島さんは、石川さんの意外な一面をご存じですか?

松島:凌雅くんは、めっちゃくちゃ気持ちが繊細だよね。デリケートだよね。

石川:でも、勇之介もめっちゃデリケートでしょ。

松島:いや、凌雅くんはホントにデリケートなんですよ。“えっ、そんなこと気にするの?”みたいなことを気にしたりとか。“そこ、そんなに悩むところ?”と思うこともあるし。あと、僕が悩みを相談すると、自分のことのように考えてくれるし。そんなふうに繊細でいい人なのに! いったん自分の世界に入ると、人を寄せつけないんですよ。

石川:そうかもしれない。

松島:凌雅くんが何かに没頭しているときに「ねぇねぇ」って話しかけると「ちょっと待って」って言われるんですけど、そのときの顔、けっこう怖いからね(笑)。これ、いつか言おうと思ってたけど。

石川:マジで(笑)?

松島:「あっ、ごめん!」ってなる。まぁ、不器用といえば不器用なのかな。

石川:うん、不器用だね。逆に、勇之介はコミュニティに対する勘がいいから、人の懐にするっと入っちゃうんですよ。

松島:いや、そんなこと考えてないよ!

石川:でしょ? だから、何も考えてないからできるんだよ。俺は、まず頭で考えちゃうから。

松島:あっ、そうなんだ?

石川:そういう違いも含めて、お互いに違う価値観や感性を持っているから。“そんなところで悩むの?”“繊細だな、コイツ”ってお互いに思っているんでしょうね。

松島:そうかもね。

――凸と凹みたいな関係性なんですかね。

石川:そうかもしれないですね。

松島:だから逆に、大ゲンカすることはないんじゃない?

石川:ないかもね。ケンカになりそうになったら、たぶん話し合えると思うし。

松島:あー、そうだね。ただ、凌雅くんは話し合いやディベートに強いんですよ。

石川:いや、全然そんなことないよ!

松島:ガンガン攻めてくるんですよ。前にディベートをやったとき、強かったよね。

石川:そんなことあったっけ? 覚えてないなー。

松島:フフッ。

――お話を伺っていると、お二人の絆の強さを感じます。最後に作品の見どころや、現時点での意気込みを教えてください。

松島:とにかく脚本がおもしろくて、“どうなるのどうなるの!?”という展開だと思います。登場人物4人の魅力的なギャップというか、人間としての深みのようなものを今の段階でもすごく感じるので、本番初日までにさらに深みを出せるように。それぞれのキャラクターの魅力を感じとってもらえるように、稽古を重ねていきたいです。

石川:今回のように、4人だけで芝居をさせてもらえるってすごく贅沢なことだと思うので。僕たち4人にしか出せない世界観、そして、川名さんが演出してくださるこの作品の可能性を、稽古期間中にもっともっと広げていきたいなと思っていますので。期待していてください!

取材・文:林桃
Photo:野田涼
ヘアメイク:北崎実莉
スタイリスト:MASAYA(PLY)

〈衣装〉
【石川凌雅】
•ジャケット ¥143,000
•シャツ ¥44,000
•パンツ ¥49,500
•フレームネックレス ¥24,200
•シーリングネックレス ¥14,300
以上5点ともに(Taiga Igari)
その他スタイリスト私物

【松島勇之介】
すべてスタイリスト私物

〈お問合せ先〉
•Taiga Igari (090-1496-8524)

インタビュー前編はこちら

公演概要

Grave Keepers

【公演期間】2023年11月9日(木)〜11月19日(日)
【劇場】 Mixalive TOKYO 6F Theater Mixa

【脚本・演出】川名幸宏
【振付】當間里美

【出演】
アラン・グレイブ役:石川凌雅
ジョージ・グレイブ役:松島勇之介
オリバー・グレイブ役:櫻井圭登
トミー・グレイブ役:新谷聖司

【チケット料金】
11,000円(全席指定・税込)
※未就学児入場不可

【チケット・公演に関するお知らせ】Mitt:TEL 03-6265-3201(平日12:00〜17:00)

【公式サイト】https://gravekeepers-stage.com
【公式X(旧Twitter)】@GraveKeepers_st
【公式ハッシュタグ】#グレステ

【主催】「Grave Keepers」製作委員会

© 「Grave Keepers」製作委員会

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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