福士誠治インタビュー 舞台『セールスマンの死』 「誰が見ても共感できる家族のお話」(後編)
2022年4月4日(月)より、東京・PARCO劇場にて舞台『セールスマンの死』が上演されます。
本作は、アーサー・ミラーの代表作で、世界中の名優が演じており、トニー賞、ニューヨーク劇評家賞、ピューリッツア賞を受賞しています。
主人公となる敏腕セールスマンのウィリー・ローマンが帰宅した月曜日の深夜から自ら命を絶つ火曜日の深夜までの24時間が描かれており、主人公のウィリー・ローマンを演じるのは、段田安則さん。そして、その妻リンダを鈴木保奈美さん、長男のビフを福士誠治さん、次男のハッピーを林遣都さん、兄のベンを高橋克実さん、友人のチャーリーを鶴見辰吾さんが演じます。
今回THEATER GIRLは、長男ビフを演じる福士誠治さんにインタビューを敢行。後編では、福士さんのご家族の話や役者として大事にしていることを語っていただきました。
我が家は本作と同じ家族構成だけど関係性は似ていない
――福士さんご自身の家族にまつわるエピソードを教えていただけますでしょうか。
我が家は本作と一緒で、両親がいて僕は二人兄弟の弟。男三人女一人という家族構成なのですが、母親が中心で回ってきたような家族だと思います。本作は父親が中心で昭和的。一家の大黒柱のような、父親が主でそれを支える母がいるという家族ですが、我が家は父親が「かぁちゃんの言うことは絶対だ!」という人だったので、そこは違うところですね。
あと、僕の母親は天然ガールで面白い。家族で焼肉屋に行って、お店の人がお肉を焼く前に火をつけてくれると思うのですが、自分で網を触って「熱い!」と叫んでは家族に向かって「お肉焼けるわよ」と言うんです。「手が熱いかどうかで肉が焼けるかを調べるのをやめろ」と男三人で突っ込んでいました。それくらい天然な母親ですがみんなから愛されております。
――2人兄弟とのことですが、お兄さんとの仲はいかがでしょうか。
良いと思います。5つ離れているので同じ学校でいられるのは小学生の時だけでしたし、高校も違ったので、いい意味で離れていたという印象です。兄貴の友達とも遊んだこともありますし、いつからか喧嘩もしなくなりました。部屋もずっと一緒だったので、寝る時はいつも一緒でしたね。とても優しい兄貴です。
――ご家族が舞台を観劇にいらっしゃることもあるのでしょうか。
ありますね。父親も母親も、タイミングがあったときには観に来てくれます。兄も離れて住んでいますが、子どもを連れてきてくれたり。今はコロナ禍で万が一のことを考えて、観劇を控えているところもありますが、今まではよく来てくれていました。