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三浦宏規・高野 洸、小関裕太・牧島 輝、鈴木大河(IMPACTors/ジャニーズJr.)・神里優希インタビュー 舞台『キングダム』「いろんなキャストの組み合わせで観てもらえたら嬉しい」

INTERVIEW

2023 年 2 月に帝国劇場にて舞台『キングダム』 が上演される 。

時は紀元前、春秋戦国時代。未だ一度も統一されたことのない苛烈な戦乱の中にある中国を舞台に戦災孤児の少年・信とその玉座を追われ、のちの始皇帝となる若き王・嬴政。2人の少年が時代の荒波にもまれながらも、友との約束のために、そして己の夢のために史上初の中華統一を目指す大人気コミック『キングダム』。

2006 年に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載が始まると次第に人気を獲得し大ヒットに、既刊66巻の累計発行部数は9200万部を突破(2022 年 9 月現在)。2019 年 4 月には待望の実写版映画が公開されると山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、長澤まさみ、大沢たかお等豪華俳優陣、そして原作の再現度と高いエンターテイメント性が評価され、2022 年 7 月公開の『キングダム 2 遥かなる大地へ』も大ヒット上映中。

信役の三浦宏規と高野 洸、嬴政・漂役の小関裕太と牧島 輝、成蟜役の鈴木大河(IMPACTors/ジャニーズJr.)と神里優希がインタビューに応じた。今回は、その様子をお届けする。

――『キングダム』の原作を読まれて、多くの方を惹きつけるこの作品の魅力についてはどうお感じでしょうか。

三浦:まず作品の持つ世界観や壮大さにすごく惹かれるものがありました。僕は信役に選んでいただいてから原作を見たのですが、信役だからなのかもしれないんですけど、すごく信を通してこの作品を見たんです。信が辛い時は辛くなるし、戦ってる時は勝ってくれと心から思うし、信の気持ちになって、見てる側もすごくハラハラドキドキしながら中華統一を目指して一緒に冒険している感覚になれる原作だなと思いました。

高野:僕はお話をいただく前に映画を見させていただいていて、凌ぎを削るような戦国時代のストーリーということで本当に熱いなと思いました。このお話をいただいてから漫画も読ませていただいて、すごいスピードで読めちゃうくらい本当に面白くて。戦略がめちゃくちゃ大事なんだなというのが読んでいてびっくりしたことですね。どんどん次の戦が楽しみになりましたし、この作品が人気な理由が分かりました。

小関:僕も洸くんと同じで、本当にすらすら読める漫画だなと思いました。この舞台の取材のタイミングに向けて最初は読み始めてたんですけど、だんだんと面白くて読み進めてくことに変わったので、役作りに向けてというところから、原作のファンになっていきました。

この作品の面白さは驚きがたくさん詰め込まれているところだと思うのですが、人情とか愛とかいろんな要素がたくさんある中でも、僕は特に知略の部分に惹かれました。今回は出て来ないですが、李牧というキャラクターをはじめとして、「こんな角度から攻めてくるんだ」「これは無理でしょ」と思った後に対抗する策にも、ものすごく面白みがあったりして、読者としてもすごくのめりこんでいきました。

今回はWキャストということで、役者によってこういう読解になるんだという面白さも、 知略の部分とちょっと似てるのかなと感じています。映画化、アニメ化とされている中、今回は舞台化ということで、新しい景色を見出さなきゃいけないと思いますが、たくさん余白があると思っているので、お芝居の部分でも、舞台表現の部分でも、自分なりに『キングダム』の知略の面白さに通ずる何かを生み出せたらいいなと思います。

牧島:僕も、漫画を全巻、何回も読んでるんですけど、『キングダム』って本当に面白くて、 最初に信が大将軍になってる姿から始まるんですよね。その大将軍になるまでの道のりを描いているんですけど、 大将軍になってる姿から描かれているから、信が死ぬことはないってわかってるのに、めちゃくちゃハラハラしてドキドキするんです。いろんな仲間たちと出会って、どんどん強くなっていく信の姿を見ていくのがすごい面白くて。出てくるキャラクターが特に個性的で、一人ひとりのキャラクターに思い入れが強くもなりますし。

2300年前なので、今の戦い方とは大きく違うという意味でも楽しめるし、歴史を勉強したくなる作品だなと思いました。あとは、効果音が好きです。戦闘描写がとにかく激しいし、みんなが一斉にひざまずくシーンの効果音とか好きですね(笑)。効果音で絵が想像できるって、漫画はやっぱそういうところがすごく大事だと思うので。そういう絵だけじゃない描き方というか、繊細で大胆な作品だなと思います。

鈴木:僕はこのお話をいただく前から 漫画と映画を見ていたんですけど、キングダムが面白いと感じる点は、史実に基づいてるのもそうですけど、それ以上に、一人ひとりの登場人物のキャラクターや個性というか、本当にその言葉を言っていたように感じるし、ストーリー上で喋った言葉もそのまま史実に繋がっていくという、その構成力というか。基本は史実に基づいてるんですけど、例えば壁なんかは、史実では死ぬと書いてあるんですけど、その読解によって死ななくなったりとか、そういう漫画ならではの展開も楽しめるところが面白い部分だと思います。

神里:僕も、このお話をいただく前に映画を拝見させていただいていたんですが、お話をいただいてから改めて原作を読んで、やっぱり男の友情や戦いなど、常にワクワクする展開がたくさんあって、そういうところが本当にこのキングダムの魅力だなと感じました。成蟜役に決まった時は本当に驚いて、こんな嫌なやつを演じられるのかという不安もあるんですけど、楽しみの方が大きいので精一杯頑張りたいです。成蟜は、男の友情とはまた別なので、そこをしっかりやっていきたいと思っています。

――それぞれ演じる役柄の印象と魅力を感じた部分についてうかがえますか。

三浦:信の原動力になっているものって、もちろん将軍になりたいっていう気持ちが一番にはあるんですけど、やっぱり目の前で漂を亡くしていて、そのショックがすごく大きいと思うんです。下僕だった頃から2人でずっと一緒に暮らしてきてきて、そんなかけがえのない親友を亡くした信の気持ちって絶対に自分では測り知れないぐらい大きな出来事だったと思うんですよ。

展開が進んでいくにつれ、戦闘のシーンなど大変なときでも、やっぱり漂の存在があるから、信は乗り越えていけると思うんですよね。無鉄砲でまっすぐで、自分の思ったところに突っ込んでいくところは、 自分ともちょっとリンクしてるというか。性格は全く違うんですけど、小さい頃から舞台が好きで、何も考えずに東京に一人で出てきたところが、自分と信とがリンクするかなと思うので、精いっぱい演じたいなと思います。

高野:信は思ったことをすぐ言っちゃうような素直さがあって、まっすぐ突き進める感じがあると思うんですけど。でも、所々に見せる内に秘めている人間力というか。たとえ敵だとしても、罪のない人は殺したくないといった感情を大事にしていたりと、そういうところがかっこいいなと思います。ついていきたくなるような存在で、味方の士気を上げるのが得意というのもすごく素敵だなと思いますし。そういうところに僕も惹かれるし、演じる上ですごくハードルが高いなとは思いますけど、あのシーンはすごくかっこいいんですよね(笑)。

小関:政も漂も、どちらも顔が同じなだけで全く違う人物なのは皆さんご存じだと思うんですけど、 どちらとも共通して、すごくミステリアスな人物だなと思っています。漂は、ほぼ回想で登場する中で、多分信の目線の漂ばかりだと思うんですよね。読者の方も、漂に感情移入するというよりは、 信にとって漂ってどういう存在なんだろうと思いながら見る方が多い気がします。その中に入る身として、実際に漂はどんな景色を見てたんだろう、どんなふうに思っていたんだろうと、余白がすごくたくさんあるので、まだ答えには至ってないですけど、これからすごく作りがいのあるキャラクターだなと思っています。

つい最近やらしてもらった別の作品も、漫画原作のすごく好きな作品で、この役は絶対に想像しきれると思っていたのに、いざ入ってみたら全く違う感情や景色が待っていたので、ミステリアスなこの役でどんな景色が見られるのかすごく楽しみです。

牧島:漂が出てくるのって、本当にわずかなんですけど、村のみんなから好かれていたのがすごくわかるなって。いつもニコニコしてるけど冷静な部分はあって、だけど一緒に笑い合える仲というか。確かに現実にいたら俺も好きになっちゃうなと思いますし、魅力的なキャラクターだなと思います。

キングダムは国と国の争いの話なので、いろんな王様が出てくるんですけど、とんでもない王様もでてくるんですよ。でも、自分がどの国にいたいかっていうと、僕は政のいる国にいたいなって思います。それくらい強いし、民のことを考えているかっこいいキャラクターなんです。感情を大きく表に出すことはないけど、いろんなものが彼の中で渦巻いていて、常に戦っているキャラクターなので。持ち上げられて王様になった訳じゃなく、自分が先導して中華を統一するんだという大きな夢を抱えて戦っている。そういうところがやっぱり男として憧れるしかっこいいなと思いますね。

鈴木:成蟜は多分読者が読んでいて、一番最初に嫌いになるキャラクターだと思うんです。僕も読んでいて最初は本当に嫌いで……(苦笑)。今はめちゃくちゃ好きなんですけどね。でも、逆に考えたら成蟜がいなければキングダムの物語が始まることもなかったとも言えるし、大事なキャラクターなので、とにかくその不快な感じというか、見ている方に「なんだあいつ」と思ってもらえるように頑張りたいと思います。

神里:とにかく性格が悪い(笑)。でも一見すごく性格が悪そうにも見えるんですけど、僕は、彼にはきっと寂しい部分もあるんだろうなと思っていて。やっぱりみんなから見るとすごく性格が悪いように見えるんですけど、純血の王族の血を引いてるけど王になれなかったことはやっぱり悔しいことだろうと思いますし、そこはちょっと共感できるというか。でも舞台上ではしっかりと嫌われるように頑張ります(笑)。僕も、昔は本当に生意気で、親にすごく迷惑をかけるくらいのやんちゃ坊主だったので、いよいよそれを生かす時が来たという思いで、頑張って演じたいなと思います(笑)。

――先日、帝国劇場が2025年から一時休館に入ると発表されました。今回初めて帝劇に立たれる方もいらっしゃいますが、改めて本作で帝国劇場に立つ思いを聞かせてください。

三浦:休館が発表されたとき、反響がものすごかったじゃないですか。改めてそれを見た時に、「本当にたくさんの方に愛されてた劇場だったんだな」というのを実感しました。もちろんなくなってしまう訳ではなく、リニューアルされる訳ですけど、期限付きというか、今の帝劇は2025年までと決まっているので。そんな中で新しい試みとして『キングダム』という作品を新しい人たちと作るというのは、もちろんすごく荷が重いというか、頑張らなきゃという思いでいっぱいなんですが、でも、たくさんの偉大な先輩方が、帝劇の真ん中に立たれてきて、自分もその一員として加われると思うと本当に身が引きしまる思いでいっぱいです。

舞台『千と千尋の神隠し』の時に、座長の萌音ちゃんと環奈ちゃんが、比較的年が近くて。『千と千尋の神隠し』の上演をしている時は、もちろんこのキングダムをやることが決まっていたので、ちっちゃい背中なんですけど、すごく大きくて頼もしくて。お二人がこのカンパニーを背負って、帝国劇場に立っている姿を間近で見れたことは、自分にとってすごく貴重な経験でした。あの二人のように僕も頑張らなきゃなという思いでツアーを回っていたので、こうして『キングダム』をやる前に、 『千と千尋の神隠し』でそういった経験ができたことは、自分にとってすごく大きかったなと思います。そこで学んだことを生かして、洸と共に頑張っていきたいなと思います。

高野:本当に歴史のあるところで、初出演でしかも主演なんて本当に恐縮なんですけど、しっかり頑張りたいなと思います。それだけ歴史のある劇場で、たくさんの役者さんが出てきた中で、僕にしか出せない色じゃないですけど、新しい風みたいなものを吹かせるぐらいの気持ちで挑みたいなと思います。せっかく戦友の宏規と立てるので、仲間たちと一緒にできるこの舞台を成功させたいです。

小関:やっぱり最初から、自分にとってすごく重みのある劇場だという印象はありました。グランドミュージカルをはじめ、いろんな作品が歴史と共に刻まれていて、自分もその一人ですけど、演劇をやってる人にとって、一度は立ちたいと思う劇場だと思うので、そんな場所に形が変わる前に立てることはすごく嬉しいなと感じました。 

この『キングダム』という作品は、ものすごく期待値も高いですし、この政と漂という役もゴールのない役だと思うので、すごく大変な日々が待っているんだろうなと思うんですけど、一つ力を借りるならば、劇場に染み込んだ汗とか涙とか笑いとか、かつてあったであろう拍手の反響音とか、そういうものが自分の力になったら嬉しいなと思いますし、勝手にですけど、そこに立ってきた皆さんの思いを力にしながら過ごせたらいいなと思っています。

舞台『千と千尋の神隠し』を僕も拝見したんですけど、その時の客席の拍手が終わったあとの余韻がとにかく印象的で、今回も大きな漫画原作がある作品を帝劇でやるということで、作品は違えど、ベクトルが似ていると思うんです。『千と千尋の神隠し』を観に行った時は、僕はすでにこの作品への出演が決まっていたので、自分が一公演やり遂げた時に、どんな感想を持ってお客様が帰るんだろうというのを想像しながら観ていたのですごくワクワクしました。

牧島:数字で言ったら113年ってすぐに言えるけど、 長い歴史を考えたら本当に大変なもんですよね。僕が生まれるすごく前、お母さんが生まれるもっと前、さらに言えばおばあちゃんが生まれるもっと前。ひいおばあちゃんには会ったことがないから分からないですけど(笑)それくらい歴史があって、 僕も役者を志す前から帝国劇場を知っていたし、本当に存在感がすごいですよね。ここからさらに113年経った時に、僕たちのことが思い出されるような、そんな1ページを作れるような作品になったらいいなと思います。

鈴木:2013年頃から『JOHNNYS’ World 』という舞台で、Hey! Say! JUMPさんたちの後ろで、Jr.マンションという4階立ての一部屋で踊らさせてもらっていたんですけど、当時は中学生だったというのもあって、今振り返ってみると帝国劇場に立たせてもらえる重みやありがたさをなかなか実感することができなかったと思います。

いざこうして『キングダム』という大きな作品の一人のキャストとして立たせていただくのは、今まで出させてもらってた帝国劇場での感覚とまた違うというか、すごく背筋が伸びる思いです。まだまだこれからではありますが、113年という歴史の重みを感じながら、この作品を一生懸命作っていきたいと思います。

神里:僕が帝国劇場で初めて作品を見たのは、ミュージカル『エリザベート』だったと思うんですけど、まず会場に入る前から帝国劇場独特の特別なオーラを感じて、ロビーを通って客席について、ふかふかの座席に座って『エリザベート』を観させていただいて、僕もいつかあのステージに立ちたいと思いました。自分にはやっぱり無理かなと思う時もあったんですけど、夢からちょっとずつ憧れ、そして目標に変わっていって。今回、この『キングダム』で帝国劇場に立つことができて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。歴史のある帝国劇場なので、本当に一瞬一瞬を大事にして、劇場に通いたいなと思います。

――今回は、Wキャストで演じられますが、様々な組み合わせで演じることについて難しさや楽しさを感じることはありますか?

三浦:ミュージカルの場合は、ナンバーがあって振付があってと、けっこう決まり事が多いんです。ただ、今回はミュージカルではないので、Wキャストでやることによって結構変わってくるんじゃないかなと思っています。それが面白いところでもありますし、Wキャストの醍醐味なので。僕と小関くん、僕と牧島くんがやるのとでは、もちろんお二方の演技が違うのは当たり前なんですけど、僕の演技プランも変わってくるんだろうなと思っています。どんな感じになるのか、早く稽古して楽しみたいなと思いますし、ミュージカルよりも、より色濃く違いが出るんじゃないかなと思っているので、そういった部分も楽しみにしていただいて、いろんなキャストの組み合わせで観てもらえたら嬉しいなと思います。

高野:僕、Wキャストをやらせてもらうのが初めてなんですよ。だから、すごく学ぶことも多いと思いますし新鮮だと思うんですけど楽しみです。いろんな組み合わせが何通りもあって、きっとそこでしか生まれないものがあるので面白いだろうなって。それを間近で見られるのは、すごく貴重な経験だと思うので、宏規にいろいろ教えてもらおうと思います。

三浦:ええっ!?

高野:Wキャストの達人なので。

一同笑

三浦:一緒に頑張りましょう。

文:THEATER GIRL編集部
Photo:くさかべまき

公演概要

舞台『キングダム』

2023年2月5日(日)~2月27日(月)
帝国劇場

【キャスト】
信 :三浦宏規/高野 洸
嬴政・漂 :小関裕太/牧島 輝

河了貂 :川島海荷/華 優希
楊端和 :梅澤美波(乃木坂 46)/美弥るりか
壁 :有澤樟太郎/梶 裕貴
成蟜 :鈴木大河(IMPACTors/ジャニーズ Jr.)/神里優希
左慈 :早乙女友貴
バジオウ :元木聖也

紫夏 :朴 璐美/石川由依

昌文君 :小西遼生

王騎 :山口祐一郎

【スタッフ】
原作 :原泰久(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載) 脚本 :藤沢文翁
演出 :山田和也
音楽 :KOHTA YAMAMOTO

一般前売開始:2022年 12月3日(土)/お問い合わせ:03-3201-7777(東宝テレザーブ)

製作 :東宝

公式サイト:https://www.tohostage.com/kingdom/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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