永田崇人インタビュー ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』「焚き火で暖をとっている時のような暖かさがある作品」（前編）
2023年2月7日より東京・日生劇場にて、ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』が上演されます。
本作は、第72回トニー賞にて10部門を受賞した傑作ミュージカルで、かつての敵国で迷子になった警察音楽隊の、とある一夜の物語。今回が日本での初上演となります。
日本版『バンズ・ヴィジット』の演出を手掛けるのは、第21回読売演劇大賞・最優秀演出家賞、第47回菊田一夫演劇賞を受賞した森 新太郎さん。
楽隊長のトゥフィークを風間杜夫さん、食堂の女主人ディナを濱田めぐみさん、若い楽隊員のカーレドを新納慎也さんが演じるほか、矢崎 広さん、渡辺大輔さん、永田崇人さんら多彩なキャストが揃います。
THEATER GIRLは、パピ役の永田崇人さんにインタビュー。前編では、本作に出演が決まった時のお気持ちや役柄の印象、森 新太郎さんの演出を受けた心境など、たっぷりと語っていただきました。
本作への出演は「正直驚きました」
――本作へ出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか？
オファーをいただいた時に、「俺でいいの？」と正直驚きました。ミュージカルの経験があまりなかったので少し不安でしたが、素直に嬉しかったですね。
――本作で演じられるパピ役の印象はいかがでしょうか？
最初は内気なイメージがあったんですが、稽古を進めていくうちに少し印象が変わりました。今も模索中なので、「こんな風に演じたい」と、まだ明確にはなっていないのですが、この作品の大事なピースになれたらと思っています。
ボーダレスというテーマととても相性が良いのでは
――今回、日本で初上演となりますが、どんなところが見どころになりそうでしょうか？
演出の森さんはミュージカルの演出だけではなく、ストレートプレイなど多様な舞台の演出をされているので、その良さが出るんじゃないかと思います。作品もボーダレスというのがテーマだと思うので、そういう意味でとても相性が良いのではと感じますね。
――実際に、森さんの演出を受けられた印象はいかがでしょうか？
森さんの視点がちょっと複雑なので、なかなか捉えるのが難しいです。森さんの頭の中では多分できているんですけど、それを拾えないことが悔しいです。
――森さんのイメージされていることをご自身で噛み砕いていかないといけない、という感じなのでしょうか？
そうですね。台本にもヒントが少ないので、今はそこのすり合わせが難しいなと感じています。
俳優としても共演できることが嬉しい
――今回、風間杜夫さん、濱田めぐみさん、新納慎也さんをはじめとした、ご豪華なキャストの方々が揃っていますが、 初めて共演者の方のお名前を聞いた瞬間はいかがでしたか？
嬉しかったですね。風間さんも濱田さんもずっと素敵だなと思っていましたし。新納さんは以前、Musical『HOPE』で演出をしていただいたことはありますが、 俳優としても素敵な方なので、今回共演できることが本当に嬉しかったです。
――今回は、初共演の方が多いのでしょうか？
そうですね。新納さんは演出を受けただけで、まだ共演はしていないので。岸（祐二）さんは以前共演したことがあります。
――永田さんが、今回特に気になる共演者の方はいらっしゃいますか？
青柳（塁斗）さんですね。身体がマッチョですごいんです！ 席が隣なんですけど、いつも面白くて。青柳さんが演じているツェルゲルという役もすごく好きなんですよ。
――エキゾチックな雰囲気のナンバーもありますが、本作の楽曲の印象はいかがでしょうか？ 永田さんの歌う楽曲はどのような雰囲気ですか？
僕のソロ曲は、他の楽曲とは違うテイストですね。耳に残る感じというか。蚊がずっと耳の近くを飛んでいるみたいな……（笑）。
――なかなか賑やかそうな楽曲ですね（笑）。今回は楽器の生演奏もあるので、それに合わせて歌唱もされますよね。
そうなんです。見たことのない楽器がたくさんあるんですよ。
――生演奏で歌唱されることについてはいかがでしょうか？
ミュージカルで生バンドに合わせて歌うのがほぼ初めてなので不安な部分もありますが、音楽が本当にカッコいいのですごく楽しみです。
取材・文：THEATER GIRL編集部
撮影：MANAMI
公演概要
ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』
＜東京公演＞
2023年2月7日(火)～2月23日(木祝)
日生劇場
＜大阪公演＞
期間：2023年3月6日(月)～8日(水)
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
＜愛知公演＞
期間：2023年3月11日(土)～12日(日)
刈谷市総合文化センター大ホール
原作：エラン・コリリンによる映画脚本
音楽・作詞：デヴィッド・ヤズベック
台本：イタマール・モーゼス
翻訳：常田景子
訳詞：高橋亜子
演出：森 新太郎
出演：
風間杜夫：トゥフィーク（指揮者）
濱田めぐみ：ディナ
新納慎也：カーレド（トランペット）
矢崎 広：イツィク
渡辺大輔：サミー
永田崇人：パピ
エリアンナ：イリス
青柳塁斗：ツェルゲル
中平良夫：シモン（クラリネット）
こがけん：電話男
岸 祐二：アヴラム
辰巳智秋：警備員
山﨑 薫：ジュリア
髙田実那 ：アナ
友部柚里：サミーの妻
太田惠資：カマール（バイオリン）
梅津和時：警察音楽隊（マルチリード）
星 衛：警察音楽隊（チェロ）
常味裕司：警察音楽隊（ウード）
立岩潤三：警察音楽隊（ダルブッカ）
竹内大樹（スウィング）
若泉亮（スウィング）
