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海宝直人×平間壮一インタビュー 音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』「オリジナル作品だからこそ、作っては壊し、探りながら追求していく」(後編)

INTERVIEW

2023年6月21日(水)、東京・シアター1010にて、音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』が開幕します。

モーツァルトの名作オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』。現在も愛されるこれらの作品が誕生した背景には、モーツァルトの影に隠れた、詩人ダ・ポンテの存在がありました。時代の波に抗い、偏見を乗り越え、制作に没頭した若き天才たちの軌跡を、オリジナルの音楽劇で表現します。

今回は、女好きのペテン師でありながら、天才詩人の主人公ダ・ポンテ役を演じる海宝直人さん、ダ・ポンテと出会い、その才能を余すことなく発揮させた作曲家・モーツァルト役を演じる平間壮一さんのお二人にインタビュー。前編では、出演が決まったときの気持ち、お互いの役への印象、楽曲についてなどを語っていただきました。

時折笑顔を交えながらも、オリジナル作品に挑む難しさを真剣に語ってくださったお二人。後編では、自身の役や公演に対する意気込みを中心に、作品にちなんでダ・ポンテの存在のように「今まで自分が影に隠してきた」才能なども伺ってきました。

読者プレゼントのサイン色紙に、弊メディアの名前を書いてくださったとき、海宝さんが「こっちはカタカナで書くね」と言うと、「じゃあもう一枚のほうは英語で<THEATER GIRL>と書きますね(笑)」と平間さん。まだ2回目の共演というのが信じられないくらい、自然体なコンビネーションが垣間見えました。まだまだこれから稽古をしていくお二人、本番のときにはさらに息の合ったダ・ポンテとモーツァルトを見せてくれる予感です。

インタビュー前編はこちら

大人たちに揉まれ、自分の思いを我慢していたモーツァルトの意外な一面も

――お稽古が始まってから、ご自身の役について最初と印象が変わった部分はありますか?

平間:もともとモーツァルトは一人で生きて、一人で曲も作っているイメージで。あまり周りからの影響を受けずに飄々と生きていて、「僕は僕で、音楽が味方でいるから強いよ」という印象でした。

でも、この作品の中のモーツァルトは、意外と大人たちに揉まれていた。自分の思いは我慢して、いろんなストレスと戦って生きてきたのだろうなという印象に変わりましたね。

海宝:僕はダ・ポンテを知らないところから入ったので、最初の出会いから大きく変わったところはあまりなかったです。ですが、いざ立ち稽古に入って、どちらかといえばコメディ寄りなのかなと感じました。女好きで詐欺師でクズ野郎という性格が、けっこうコミカルにかわいらしく表現されているのかな、と。

ただ、これから先もこのままのペースで行くかどうかは分からないので、それによってもダ・ポンテ自身の色味が変わってくる気はしています。この作品におけるダ・ポンテがどこに着地するのかまだ未知な状態で、いろんな球を投げながら探って……という最中です。

ダ・ポンテの行動がひどくても、チャーミングで魅力的に見えるからか、なぜか愛されている。実際に史実にも、ダ・ポンテを訴えた女性が、しばらく経ってから彼と会っていたり、手助けしたりしている記述があるんです。ただのクズではないのが、強く描かれていると感じます。

ダ・ポンテの存在のように、今まで「隠されていた」お二人の才能とは?

――作品のキャッチコピーでもある「モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才」のダ・ポンテですが、ご自身が実は今まで「影に隠してきた」特技や才能、誇れることなどがあったら教えてください。

平間:えー、なんだろう。隠すくらいなら出したほうがいい職業ですからね(笑)。

海宝:そうだね(笑)。

平間:うーん。(思いついた顔をしながら)あ、これは才能じゃないな……。癖だった。

海宝:今言おうとしたの?

平間:はい。買い物に行くと、商品をつい正面に向けちゃうところかなって思ったんですけど……。

海宝:フェイス出すんだね(奥にある商品を前に出したり、商品の向きを整えたりすること)。僕と真逆だ(笑)。

平間:洋服とかも全部畳んじゃうんです。

海宝:僕はコンビニ店員をやっていたとき、フェイス出すのが苦手だった(笑)。

平間:でもこれはただの癖でしたね(笑)。

海宝:几帳面なんだろうね。

平間:「綺麗でいてほしい」と思うんですよね。

海宝:えー、すごい。

平間:部屋でもハンガーを揃えたり(笑)。

海宝:わー、ないない。僕にはそんな面(笑)。

――才能だと思います。

平間:才能なのか、そっか。

海宝:僕は全く意識していなかったのですが、エアギターが上手いらしいです。『アラジン』のカーテンコールのときに、最後みんなでわーって踊って終わるんですよ。そのとき何も考えずエアギターをたまたまやっていたら、「上手だね」と褒められました(笑)。

平間:完全にそれは特技ですね(笑)。

――どういう音楽に合わせている感覚なのですか?

海宝:パンクロックです(笑)。

平間:出ましょう、今度大会に。

海宝:エアギター大会ね(笑)。

今の自分につながる、ミュージカルや音楽との出会い

――ダ・ポンテは挫折をして行き場を失っていた中、モーツァルトとの出会いをきっかけに、革新的なオペラを世に送り出すことになります。今まで一つの出会いをきっかけに、運命が変わった出来事はありますか?

平間:変わったもの、なんだろうな……。

海宝:僕はやっぱりアラン・メンケンさんの音楽ですかね。それがなければ、今の自分はないと思います。

――アラン・メンケンさんの音楽で、最初に出会った作品は何でしたか?

海宝:『アラジン』かな。その音楽との出会いがあったから、『美女と野獣』のチップを演じていて、今もミュージカルをやっているのだと思うんですよ。

子どものときから、ジーニーが歌う『フレンド・ライク・ミー』が大好きで。親からよく聞くのは、VHS(当時のビデオ)で『フレンド・ライク・ミー』の部分だけ、何度も再生して見ていたみたいです。そういう意味では、山寺宏一さんもそうかもしれない。(山寺宏一さんは、アニメ『アラジン』の日本語版声優としてジーニー役を務めている)

山寺さんに出会っていなければ、『ものまねグランプリ』で優勝もしてないでしょうし。そういう意味では大きくディズニーですね。

平間:僕もかぶっちゃうんですけど、ミュージカルや音楽なのかなと思います。もともとダンスをやっていましたが、喋りたくない、訴えたくないから、溜まったものを身体で表現している感覚で、自分の思いを話せない人だったんですよ。音が鳴っていても踊るだけ、誰かと一緒にカラオケに行ってもリズムに乗って身体を動かすだけ。だから、マイクを持つことが最初はできなくて、声を出すのすら恥ずかしかったんです。

でも、芝居や歌で伝えるお仕事をするようになってからは、今でも家族がびっくりしますね。「あの壮一が? 恥ずかしがって何もやらなかったじゃん」って。本当に自分を変えてくれたものだと思います。

――内側には何か秘めたる思いが。

平間:もしかしたらあったのかもしれないですね。

楽しい気持ちで、幸せな気持ちで劇場を出ていける作品に仕上げる!!!

――最後に、本番に向けて意気込みをお願いいたします。

海宝:もうとにかく「良い作品にしよう」という思いで、今みんなで頑張っております。笑えて、泣けて、エンターテイメントとして楽しい気持ちで、幸せな気持ちで、劇場を出ていける作品に仕上がると思います。仕上げます!!!(眼にぐっと力が入りながら)

――気合い十分ですね。眼の力強さからとてもパワーが伝わってきます。

海宝:眼力って書いておいてください(笑)。ぜひぜひ劇場に楽しみにして来ていただけたら。

平間:もういいですよね。海宝さんの言葉だけで(笑)。

海宝:いやいや、壮ちゃんの言葉もほしいよ。

平間:本当に海宝さんがおっしゃるとおり、みんなで必死こいて頑張っている最中です。

海宝:もがいているからね。

平間:もう本当に何が良いのかも分からず、「とにかくやってみよう」で、トライしてトライして、何がはまるのか。一コマずつ作っているので、ザーッと通したときに「これ違うね」というのもあるかもしれないですし……。でもその分ね、やっぱり愛着も湧くはず。その部分は当日観に来てくださるお客さまには関係ないかもしれませんが、「一生懸命、愛を持って作品に向き合ったよ!」というパワーを届けたいなと思っております。

インタビュー前編はこちら

取材・文:矢内あや
Photo:MANAMI

【海宝直人】
メイク : 三輪昌子
スタイリスト : 津野真吾

【平間壮一】
メイク : 菅野 綾香
スタイリスト : 岡本健太郎

公演概要

音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』

作:大島里美
音楽:笠松泰洋
演出:青木 豪

<キャスト>
ロレンツォ・ダ・ポンテ役          … 海宝直人
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト役 … 平間壮一
アントニオ・サリエリ役           … 相葉裕樹
フェラレーゼ役               … 井上小百合
ナンシー/オルソラ役            … 田村芽実
コンスタンツェ役              … 青野紗穂
皇帝ヨーゼフ二世役             … 八十田勇一

岡本華奈、小原和彦、柴原直樹、鈴木結加里、田村雄一、
西尾郁海、橋本由希子、平山トオル、吉田萌美(五十音順)

◆公演日程◆
【プレビュー公演】
2023年6月21日(水)~25日(日)シアター1010

【愛知公演】
2023年6月30日(金)~7月1日(土)日本特殊陶業市民会館ビレッジホール

【東京公演】
2023年7月9日(日)~16日(日)東京建物Brillia HALL

【大阪公演】
2023年7月20日(木)~24日(月)新歌舞伎座

後援:公益財団法人としま未来文化財団

主催:キョードーファクトリー/足立区シアター1010指定管理者(プレビュー公演のみ)
企画製作:東宝

<公式サイト> https://www.tohostage.com/dp/
<公式Twitter> @da_ponte2023

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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