村井良大、木村達成、渡辺大インタビュー『魔界転生』「お祭り的な感じで楽しんでいただけたら」（前編）

2021.04.08

INTERVIEW

山田風太郎による伝奇小説『おぼろ忍法帖』を原作とし、2018年に上演された舞台『魔界転生』。動員10万人超を記録した本作が4月から6月にかけ再演され、愛知・福岡・東京・大阪の全国４カ所を巡ります。

演出を再び堤幸彦が手掛け、脚本はマキノノゾミが担当。ド派手なアクション、変幻自在なフライング、ＬＥＤによる映像効果を駆使し、演劇と映像の融合による画期的な演出により、感動の人間ドラマ、魅惑のエンターテインメント時代劇となっています。

今回お話をうかがったのは、初演に続いての出演となる根津甚八役の村井良大さん、柳生又十郎役の木村達成さん、再演からの参加でさらに今作が初舞台となる、宮本武蔵役の渡辺大さん。前編でうかがったのは、出演が決まった時の気持ちや、お互いの印象や、稽古場でのエピソードについて。3人の個性が感じられる和気藹々とした対談となりました。

インタビュー後編はコチラ

2年半でどれだけ成長した姿を見せられるか

――村井さん、木村さんは、初演に続いての出演となりますが、再演が決まった時のお気持ちをうかがえますでしょうか？　

木村：また、すごいロングでハードな舞台をやるのか、と思いましたね（笑）。

村井：前回は、77回だったもんね。でも、今回も75回だからあまり変わらないですね。

渡辺：長さがちょっと短縮した感じで。

村井：しかも、前回は4時間公演だったんですよね。

木村：当たり前のように、シングルキャストでその回数をやるっていうね。このご時世で、ちょっとした不安もありましたけど、前回に引き続きこの役をいただけたことは、もちろんありがたいです。新たなキャストの方々も入って、今稽古をしている中で、前回とは全く違うなという気持ちと、少し懐かしい雰囲気を感じる部分もあって。この2年半で、どれだけ成長した姿を見せられるかなとも思いますし、楽しくやらせていただいています。

村井：僕は、再演のお話をいただいたときは、まず単純に嬉しかったですね。なぜかというと、『魔界転生』の中で自分が演じる根津甚八という役が非常に好きでして。この作品は、禍々しい史実に基づいたところから派生している物語なので、ちょっとおどろおどろしい内容も多いんですが、その中で甚八という明るいキャラクターが登場することによって、お客様に楽しんでいただけることを前回の公演で感じたので、また演じられることをすごく幸せに思いました。やはり、このコロナ禍で日々が大変な状況なので、劇場に来て楽しんでいただくということを、心掛けたいなと思います。

――渡辺さんは、再演からの参加で、さらに今作が初舞台になるとのことですが、出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか？

渡辺：この間別のところで取材をしたときも、「なんで今までやらなかったのか」と言われたんですが、避けていた訳ではないんですけど、単純に今までご縁がなかったんですよね。なので、ついに今回来たかと思いました。今までやっていなかったのもずいぶん不思議なことだなと思ってましたし、こうやって板の上に立つのも、ライブでやるというのもすごく楽しみだったので。

でも、本当に全部が初めてなんですよ。だから全然勝手がわからなくて。みんな、（このコロナ禍で）いろんなことが、変わったって言うんだけど、僕からするとこれがスタンダードなんですよね。今はやっと、少しずつルーティンというか、こういう流れなんだなというのが、だんだんと体に染み入ってきているところです。あとは、本番だけをまだやってないだけなんで。それ以外は少しずつセットアップして、初演組も再演組のみんなもうまく混ざっている感じなので、毎日すごく楽しいですね。