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笹森裕貴の芯にあるニュートラルさ「お芝居にはその役者の人生が表れる」【シアダン vol.11】(前編)

INTERVIEW

THEATER GIRLが注目する“今知りたい若手俳優”へのインタビュー企画「シアダン」。第11回目にお迎えしたのは『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』〜Memory of Marionette〜 天祥院英智役や、ミュージカル『刀剣乱舞』松井江役などを務める「笹森 裕貴(ささもり・ひろき)」さん。

8月には「刀剣乱舞-ONLINE-」五周年記念 「刀剣乱舞 大演練」、9月にはMANKAI STAGE『A3!』 ~Four Seasons LIVE 2020~へ出演予定の彼に、前編でおうかがいしたのは、お芝居と向き合う上での意識の変化や、自粛期間中に抱いた思いなどについて。リラックスした様子で語ってくれた言葉の端々から、経験を重ねて成長を続ける彼の、揺るがない芯のようなものを感じることができました。

インタビュー後編はコチラ

踏み出した役者の道「可能性が少しでもあるのなら」

――演技に挑戦してみたいと思ったきっかけについて「いくつかあるうちのひとつが『ゴッドファーザー』のアル・パチーノに憧れたから」と拝見したのですが、ほかにはどんな理由があったのでしょうか?

初めは雑誌のモデルとして活動していましたが 、僕はあまり現状維持が好きではなくて、どんどん新しいことに挑戦したくなる性格なんです。それもあって、撮影中や雑誌では(静止画として)止まっている自分を目にするわけですけど、動ける分野でも活動してみたいと思ったのがまずひとつです。

ただ、新しいことはやってみたいけど、なかなか一歩を踏み出す勇気が出なくて。いつもいざ挑戦するまでにすごく時間がかかるんですよね。やり始めたら、引き際を見失うくらいにとことんやるんですけど、決断力がないというか(苦笑)。

――きっと慎重派なんですね。

どうなんですかね。大学に入った2年目くらいにお芝居を実際にやり始めたんですが、時期的に自分の進路や人生について考える頃じゃないですか。それで、現実的に企業に就職するのか、それともやりたいことをやっていくのかを考えた時に、可能性が少しでもあるなら今の仕事をやりたいと思ったのがもうひとつのきっかけでした。

自粛期間中にトライしたのは「絵」

――ここ2ヶ月ほどの自粛期間は、どのように過ごされていましたか?

これは最近の話ですが、 ずっと絵を描いています。 父もデザイン系の仕事をしていたので、僕は昔から絵を描くのが大好きでした。小学校から高校まで、美術と体育の成績はずっと5だったんですよ。iPadで描いているんですけど、それを買うまでにまた、決断力のなさが……。

――悩ましいですね(苦笑)。

自粛期間に何か新しいことをしたいなと思って、一からデッサンを学び直してみようと考えたんです。初めは鉛筆で手描きをしていたのですが 、iPadで絵を描いている役者仲間がけっこういて、ずっと前から面白そうだとは思ってはいました。多分、1年くらい買うか迷っていましたね(笑)。

でも、僕は機械にめちゃくちゃ疎いので、使いこなせるのかという不安があって。買うならしっかり買いたいし、自粛が始まったあたりから毎日ネットでiPadについて調べていました。容量はどれくらいがいいかとか、どういうアプリを使ったらいいのかなとか。かなり悩みましたね。

――小さくはない買い物ですしね。

6月21日が僕の誕生日でそのイベントのグッズ・デザインもあるし、今後アパレルとのコラボ商品を出す予定もあるので、そのデザインにも使えるじゃんと思ったのですが、まだ思い切れなくて。とうとう、家族に「俺がiPadを買う大義名分をくれ」って聞いてみたんですよ。

――大義名分!(笑)

自分じゃ決断できないから「絵を描くだけじゃなくて、こういうのもいいんじゃない?」みたいなアイデアをくれと。父も母も僕の舞台をよく観に来てくれるのですが、「稽古の動画を、携帯じゃなくてもっと大きい画面で見られたらいいんじゃない?」と言ってくれたので、「いい大義名分だ!」と思って、ようやく買えました(笑)。だから今は、絵やデザインを本気でやっています。こういうのを描いたりとか……。(開かれたiPadの画面には、キャラクター風の自画像や、植物画の模写)

――すごいですね、色使いもきれいです。

ブラシなどもいろいろあるのですごく楽しくて、朝までずっと描いています。これを買ってから、自粛期間も苦じゃなくなりました(笑)。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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