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鈴木拡樹×新木宏典インタビュー 舞台「ブラック・コーヒー」「ミステリーはリピートして楽しむ魅力が非常に大きいジャンル」(前編)

INTERVIEW

2026年4月8日(水)より、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、東京・品川ステラボールにて舞台「ブラック・コーヒー」が上演されます。

本作は、アガサ・クリスティが初めて描いた舞台戯曲にして、クリスティ直筆の脚本の中で名探偵エルキュール・ポワロが唯⼀登場する推理劇『ブラック・コーヒー』。1930年代の英国邸宅を舞台に、高名な科学者の死と機密情報盗難事件が複雑に絡み合う、クラシック・ミステリーの快作です。

演出は、『罠』『ホロー荘の殺人』『呪縛の家』など、話題作を次々と成功へ導いてきた“クオリティの請負人”野坂実さん。

世界的に有名な名探偵エルキュール・ポアロを、片岡鶴太郎さん、そして相棒のアーサー・ヘイスティングスを鈴木拡樹さんが演じ、W主演を務めます。

更に、リチャード・エイモリー役を新木宏典さんが務め、玉城裕規さん、天華えまさん、中尾暢樹さん、凰稀かなめさんといった華やかで実力派の出演陣が揃いました。

THEATER GIRLは、鈴木拡樹さんと新木宏典さんにインタビュー。前編では、アガサ・クリスティが手がけた舞台戯曲の魅力や、本作ならではの見どころについて。さらに、それぞれが演じる役柄の印象、久々の共演となるお二人が感じたお互いの変化やリスペクトについてもたっぷりとお聞きしました。

作品を届けられること自体がとても楽しみ

新木:この作品の魅力は、アガサ・クリスティの頭の中にある世界が、そのまま舞台化できるように作られている点だと感じました。それをストレートに上演するのか、あるいはアガサの世界観を日本人の僕たちに落とし込んで、日本のお客さまに向けたエンターテインメントとして再構築するのか。

どういう形になったとしても面白い題材であることは間違いありませんし、リスペクトを持ちながらどのように作品を立ち上げていくのか、その過程自体が楽しみです。戯曲としてすでに完成されているので、そのまま台本として使うことも可能ですし、どのようなアプローチを選ぶのかも見どころの一つだと思います。

鈴木:日本人が演じるにあたっては、原作の戯曲で描かれているものとの間に、観る側が少し違和感やストレスを感じる部分が出てくる可能性もあると思います。その点をどう解消していくかという作業は必要になるでしょうが、作品を届けられること自体がとても楽しみです。

また、この作品は小説で読むと200ページを超えるボリュームがあります。それを2時間から2時間半ほどの上演時間に収めるとすると、かなりタイトな構成になるはずです。それをどう凝縮するのかという点も大きな挑戦ですよね。

そのあたりの時間設計も含めて、心地よい観劇体験を作るための工夫がされていくのだろうと感じています。

非常に感情の振れ幅が大きい役

新木:僕が演じるリチャード・エイモリーは、エイモリー卿の息子で、父親と比較されることで葛藤を抱きながらも、それを反骨心に変えて前に進もうとする人物です。ただ、その過程で複雑な問題も抱えていて、非常に感情の振れ幅が大きい役だと感じています。

一方で、その感情の強さは若さゆえの純粋さの裏返しでもあり、単純にそれが犯罪につながるわけではないというバランスを、アガサ・クリスティは巧みに描いていると感じました。

その純粋さゆえに違和感を抱かせる瞬間も多く、この物語のキーマンであることは間違いありません。そのまま王道として描かれるのか、あるいはミスリードとして機能するのかは、まさにアガサ作品ならではの妙だと思っています。

鈴木:ヘイスティングスは、僕の中では一人で成立するキャラクターというよりも、ポアロとの関係性の中で立ち上がる人物だと捉えています。いわゆる助手という立ち位置ではありますが、常に一緒に捜査をしている存在なので、彼に対する信頼や距離感がとても重要になるのかなと。

おそらく今回が初めてのコンビではない関係性なので、その積み重ねが目線や立ち居振る舞いに表れるはずです。

ドラマ版のポアロシリーズを拝見した際にも、長年の関係性が自然に伝わってくる距離感や視線がとても印象的でした。ポアロが話を聞いているときや思考を巡らせているときに、ヘイスティングスが信頼のまなざしで見つめている姿がとても素敵で、その表現はぜひ今回の役作りにも取り入れたいと考えています。

今回は片岡鶴太郎さんがポアロを演じられるので、その関係性をどう築いていくかが大きなテーマになる。このメンバーで上演する意味、特にポアロとヘイスティングスの関係性をしっかりと形にしていきたいと思います。

鈴木:はい、お会いしました。その時に片岡さんが「ヘイスティングス卿」と呼んでくださって、すでにそういう眼差しで見ていただけていたのがとてもうれしかったです。この関係性はぜひ舞台でも生かしたいと思います。

これをきっかけに今後もご一緒できたら

新木:舞台「幽☆遊☆白書」の現場でしかご一緒したことがなくて。2作目のときは共同演出として演出側にも関わっていたので、役者同士として深く向き合うのが難しい状況でした。

さらにコロナ禍でもあったので、コミュニケーションも取りづらく、もどかしさを感じていて。もっとがっつりやりたかったと感じています。

だからこそ、今回改めてしっかり共演できることがとてもうれしいです。変わったというよりは、僕自身が拡樹くんに対しての興味がより強くなっている感覚です。久しぶりに一緒に作品を作れるのが純粋に楽しみですね。

鈴木:僕も「変わった」というよりは、「お久しぶりだ」という感覚のほうが強かったです。また別の作品でもご一緒したいと思っていたので、今回実現したことがうれしいですし、これをきっかけに今後もご一緒できたらいいなと思っています。

それに新木さんは演出的な視点もお持ちなので、台本を読んだ考察を共有できるのが楽しみです。自分一人の視点だけではなく、周囲の感じ方や解釈を聞きながら作品づくりをするのが好きなので、そういう意味でも今回の再会はとても楽しみでした。

新木:正直に言うと、共演する前のほうが「すごい人」という印象が強かったです。素材の良さや才能がありつつも、それだけではなく、相当ストイックに努力を重ねないと表現できないような“人間臭さ”をしっかり舞台に乗せている方だと感じていました。

天才でありながら努力家で、どこか孤高の存在というイメージだったので、孤独になりやすいタイプなのではという印象で。だから共演者にとっては大きなプレッシャーになるのではと思っていました。

ただ実際に現場でご一緒して人柄に触れる中で、そうしたイメージだけではない魅力を感じました。天才だと思われる部分を持ちながらも、どこかチャーミングで抜けているところや人間味があって、周囲から愛される要素を持っている方なんだなと。

別世界の人というよりも、同じ世界に生きる一人の人間として距離が近づいた感覚がありました。それを感じられたのが、初共演の現場でしたね。

鈴木:そう思われていたプレッシャーからは解放されました(笑)。僕は不器用な人間なので、隠そうとしてもいずれ出てしまいますから。

鈴木:やはりストイックなところがすごいと思います。日常のことからトレーニング方法まで、興味を持ったことに徹底的に向き合っている印象があります。

舞台「幽☆遊☆白書」のときに、役柄的におしゃぶりをくわえてしゃべるシーンがあったのですが、普通に考えるとあの状態で自然に話すのは本当に難しいと思うんです。でも、それを感じさせないほどナチュラルに演じていて、その裏には相当な試行錯誤と努力があったはずです。

実際に稽古場でも、くわえる部分のサイズ感を検証したり、どうすれば自然に見えるかを細かく調整したりしている姿を見てきました。そうした積み重ねを間近で見ていたからこそ、「ここまでこだわることが大事なんだ」という共通認識をカンパニー全体で持てたと思いますし、非常に分かりやすい指標になっていたと感じます。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:Jumpei Yamada

ヘアメイク:権田政剛
スタイリスト:藤長祥平

公演概要

舞台「ブラック・コーヒー」

脚本:アガサ・クリスティ
演出:野坂実

出演:
エルキュール・ポアロ :⽚岡鶴太郎
アーサー・ヘイスティングス:鈴⽊拡樹
リチャード・エイモリー:新⽊宏典
カレリ博⼠:⽟城裕規
バーバラ・エイモリー:天華えま
エドワード・レイナー:中尾暢樹
ルシア・エイモリー:凰稀かなめ

横島亘(劇団⺠藝) 泉関奈津⼦(劇団NLT)神農直隆(クリオネ)
河村岳司(劇団AUN)多⽥健悟 成⽥裕也

【大阪】
2026年4月8日(水)〜4月12日(日)
COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

【東京】
2026年4月18日(土)〜4月26日(日)
ステラボール

チケット料金(全席指定・税込):プレミアム席 20,000円(前⽅確約・特典付)/⼀般席 12,000円

公式サイト:https://blackcoffee-stage.com
公式X:https://x.com/BlackCoffee2026

お問合せ:キョードー東京 0570-550-799 オペレータ受付時間(平日11:00〜18:00/土日祝10:00〜18:00)
主催・制作:舞台『ブラック・コーヒー』制作委員会
制作協力・運営:キョードー東京

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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