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韓国発ミュージカル『ミア・ファミリア』の日本初演公演が開幕! 植原卓也×平間壮一×水田航生の仲良しトリオが全力で挑むエンタメの真骨頂‼

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1930年代、大恐慌時代のニューヨーク。イタリア系労働者たちが集う“アポロニア イン&バー”を舞台にした韓国発ミュージカル『ミア・ファミリア』の日本初演公演が11月24日(金)に東京芸術劇場シアターウエストにて幕を開け、取材会に植原卓也、平間壮一、水田航生が登壇。初日に向けての意気込みを語った。

本作の出演者はたった3人。ボードビル俳優のリチャード役をミュージカル『RENT』マーク役や『a new musical「ヴァグラント」』での熱演も記憶に新しい平間が、リチャードの友人で同じくボードビル俳優のオスカー役をミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』ベルナルド役、ミュージカル『ダブル・トラブル』ボビー役の水田が演じ、バーを支配するマフィアの手下スティーヴィー役をミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』シン役やミュージカル『黒執事』グレル・サトクリフ役など、シリアスからコメディまで幅広く演じる実力派、植原が担当する。

取材会がスタートし、日本初演を迎えるにあたってどのような点を意識し稽古に臨んだのかとの質問に植原は「“ノンストップ・ミュージカルコメディ”ということで面白いシーンがたくさんある作品ですが、感情を吐露するしっとりした場面ももちろんあります。感情を込めるシーンはリアリティを追求しつつ、コメディシーンではエンタテインメント要素を意識するといったように、バランスを細かく計算しながら稽古に挑んでいった印象があります」と充実した稽古を振り返った。

続いて今作が3人のミュージカル初共演になることについて心境を尋ねられると、「ちょうど良かった……っていう言い方は変かもしれないけれど、ユニット3LDKとしての活動やそれ以前から長く一緒に過ごしてきた僕ら3人の関係性が、この作品の中に自然と受け継がれていったような気がします。例えばリチャードとオスカーが幼馴染という設定と重なっていたりとかね」と、水田と顔を見合わせながら笑顔で語る平間。

また、物語の中でそれぞれメインで演じる役以外に劇中劇なども含めて植原が8役、平間が4役、水田が5役のキャラクターを演じるのも見どころとなっているが、役作りの苦労に質問が及ぶと「稽古場は和気あいあいとしていて、周囲で見ているスタッフが笑って盛り上げてくださったり、とてもいい雰囲気の中で稽古をすることが出来ました。なので僕はあまり役作りで苦労を感じることはなかったかな」と語る水田。「本編の中に2つの劇中劇が入って来るので多少ややこしい構造になっているかもしれませんが、ご覧になる方は深く考えすぎずに「このキャラクターがこんなキャラもやるんだ」みたいな面白さを純粋に楽しんでいただければいいなと思います」と自信をのぞかせる。

記者からの「資料に皆さんの演じる役が“あてがきのようにピッタリ”と書かれていましたが、キャラクターと自身の似ている部分は?」という質問に「自分で意識していないところで周りで観てくださっている人たちが言っていることなので自覚はないですね」と冷静に自己分析をする植原だったが、「卓也くんはもとからマフィアなんで」という水田の言葉に「違うわっ! 勘違いされるから!」と食い気味にツッコミを入れ取材陣の笑いを誘う一幕も。気を取り直し「3人で芝居をしている間にスティーヴィーがどんどん熱が高まっていくシーンがあるんですけど、気づいたら熱くなっているみたいなことは自分にもあるかもしれない」との言葉に、納得の表情を浮かべる平間と水田が印象的だった。

平間は「僕はリチャードのようにギャンブル好きじゃないけど、優柔不断だったり悪いことを想像しちゃうみたいなところは似ているかなと思います」と考察。

「オスカーは夢と現金を追いかけて葛藤するキャラクター。生きていくうえでいろんな葛藤を抱えるのはオスカーの魅力でもあると思います」とかっこよくキメた水田だが、「やっぱりオスカーみたいにお金持ちの女性と結婚したい?」と平間が問いかけると、「そうですね……って、そういうんじゃないよ!」と自らボケ&ツッコミを入れ、これには再び取材陣から笑いが起こり、会場の空気は一気に和んだのだった。

10代の頃から事務所の先輩・後輩として共に切磋琢磨し合い、友人として役者として絆を深めて来た3人だけに、今回の初共演はファンだけでなく本人たちにとっても楽しみだったという。しかし同時に役者として互いに刺激を与えあえるような関係でなければ、せっかくの共演も互いを引き上げるようなチャンスとはならない。

「僕が言うのもアレですけど、子供の時から知っている仲ですが、とんでもない役者さんになられているなって……ビックリしましたね。「こういうふうに芝居を作り上げていくんだな」とか、当然自分とはやり方が違うので、ひとつひとつが感動的でしたし、改めて自分も思うところがありました」と植原が稽古場での様子をしみじみと語ると、「今回の稽古は自分が納得いくまで話し合えたのが大きかったです。自分の納得のいくお芝居をしたくてたっくん(=植原)を長時間待たせてしまったり、とにかく甘えまくりました」と平間。

この言葉に「本当だよ! 普通、先輩を2時間も待たせる後輩いないよ!」と冗談っぽく怒ってみせる植原だが、その表情はどこか嬉しそう。

「待たされている間も、たっくんが何気なく言ったひと言がそのシーンの核心を突いていたり、そういうところはすごく大人だなって思いました」と視線を交わす植田と平間をニコニコと見つめていた水田に対し、「その頃、水田さんはグミを食べてたんだっけ?」と、先ほどの“マフィアいじり”の反撃に出る植原(笑)。

「ちゃんと稽古に参加してたよ!」と即座に否定しつつも、「作品のことを常に考えて前向きにディスカッションできたのはもちろん、少しで気になることがあればその場で相談できたり……ほかの現場だったら「今このタイミングじゃなくて、後で聞こう」って空気を読んでしまうところですけど、質問することを許してくれる二人&スタッフさんなので、甘えさせてもらいながら安心して稽古場に居ることが出来ました。いろんな経験をしてきた二人の姿にたくさん刺激をもらいましたし、もっともっと自分も上がっていかなければというプレッシャーも感じながら、いい相乗効果を保ちながら稽古ができたなという印象です」と引き締まった表情で答える水田が頼もしく見えたのだった。

強固な絆で結ばれたトライアングルが生み出す、歌、ダンス、笑い、そして胸に迫る感動のストーリーは、千秋楽に向けてどのような曲線を描いて進化していくのか、期待せずにいられない。

最後に、楽しみにしている観客に向け、それぞれひとことずつメッセージを寄せた。

「観劇を楽しみにしてくださっている皆様に、いい形でお届けしたいと思い稽古をしてきました。千秋楽まで一生懸命頑張っていくので、よろしくお願いいたします!」(植原)

「正直、1回目に台本を読んだときは「どういうことなんだろう?」といろいろ考えさせられることが多かったのですが、不思議と“好きになっちゃう作品”というか、“真剣に向き合っちゃう作品”なんですよ。演じていても楽しいしパワーもすごく使いますが苦しい感じはなくて、本当に魔法のように愛せちゃう作品。観てくださる皆さんにもそう思っていただけるように、僕らも楽しみながら精一杯頑張っていきたいなと思っています」(平間)

「この後、初日の幕が開くのがまだ信じられないくらいマジで緊張しています(笑)。本番では瞬間瞬間に生まれるお客様との感情のキャッチボールみたいなものが天に昇華して、いい作品になればと思っています(と、両手を広げ“昇華のポーズ!?”)」(水田)

その後は、ゲネプロが公開された。

明日には閉店する「アポロニア イン&バー」で開店準備をするリチャード(平間)。

ボードビル俳優の彼にとって舞台は人生の全てであり、店がなくなる明日からは無職の身。

不安にさいなまれる中、金持ちの娘との結婚を明日に控え心ここにあらずな様子のオスカー(水田)が店にやって来た。最後の公演に向けて練習をしている二人の前にマフィアの手下スティーヴィー(植田)が来店し「この店で今夜ボスのためのパーティーを行う。そこで俺が書いたボスの自伝『ミア・ファミリア』を上演するから練習しとけ!」と迫るのだった。

ギャラとして提示された大金に大喜びのリチャードとオスカーは、スティーヴィーも巻き込みリハーサルを始めるが……。

いかにもマフィアといった風貌のスティーヴィーが、リチャードとオスカーにのせられて様々な役を演じるシーンでは、過去に2.5次元舞台を中心に個性的なキャラクターを多く演じて来た植原の経験が大爆発!? ウイッグをかぶると豹変する様子やスタイルの良さを逆手にとったコミカルな動きには、会場のあちこちから何度も笑いが起こっていた。

水田は得意のダンスと伸びやかな歌声で正統派ミュージカルポジションを担うのかと思いきや、物語後半になると“某キャラクター”を嬉々として演じ、隙あらば随所に笑いを突っ込んでくる攻めの芝居で物語をかき回す。

平間が演じるリチャードは、ボードビル俳優としての自身の人生が終わる無念さや先が見えない不安を、愁いを帯びた表情と歌声にのせて客席の隅々まで届ける一方で、『ミア・ファミリア』と交錯しながら演じる『ブルックリン・ブリッジの伝説』では一転、キュートなドレス姿とはじける笑顔の可憐な乙女役を演じて観客を魅了する。

心地よいハーモニーと洗練されたダンスは言わずもがな。

シリアスとコメディの波が絶え間なく押し寄せるハラハラドキドキのストーリー展開と実力派俳優たちが全力で挑む抱腹絶倒のミュージカルコメディを、心ゆくまでご堪能あれ!

ミュージカル『ミア・ファミリア』東京公演は12月3日(日)まで東京芸術劇場シアターウエストにて上演。その後、12月23日(土)~12月24日(日)に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される。

また、11月29日(水)19:00公演の模様はPIA LIVE STREAMでのライブ配信(アーカイブ付き)が決定! 販売期間や料金など詳細は公式HP(http://miafamiglia.jp/)を要チェック!

文:近藤明子

公演概要

ミュージカル『ミア・ファミリア』

脚本・作詞:イ・ヒジュン 作曲:パク・ヒョンスク 訳詞:森雪之丞   日本版脚本・演出:安倍康律

【出演】
植原卓也 平間壮一 水田航生

<東京公演>2023/11/24(金)~12/3(日)東京芸術劇場シアターウエスト
<大阪公演>2023/12/23(土)~12/24(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

【公演オフィシャルサイト】
https://miafamiglia.jp/

11/29(水)夜公演にて、ライブ配信(アーカイブ付き)決定!

【配信日時】2023/11/29(水) 19:00
(アーカイブ付き:生配信終了後~2023/12/6(水) 23:59 まで)

【販売期間】11/26(日)11:00~12/6(水)20:00
【配信視聴チケット料金】4,500 円(税込)
【視聴チケットのご購入・配信】PIA LIVE STREAM(ぴあライブストリーム)

詳しくは公式 HP:http://miafamiglia.jp/
公式 Twitter:@miafamiglia_jp

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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