加藤 将インタビュー『超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ』「お客さんに最高に楽しんでもらうために、命がけでがんばる」(前編)
2024年10月23日(水)、シアター1010にて『超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ』が開幕します。
『ボボボーボ・ボーボボ』は、「週刊少年ジャンプ」にて2001年から2007年まで連載され、コミックス全28巻の累計発行部数は700万部を突破している、澤井哲夫原作の伝説の不条理ギャグバトルマンガ。アニメ化・ゲーム化もされていますが、ついに舞台化が実現しました。
鼻毛を自在に扱う《鼻毛真拳》の使い手である主人公・ボボボーボ・ボーボボを演じるのは、加藤 将さん。ボーボボと戦いの旅に出る謎の美少女・ビュティを工藤晴香さん。ボーボボと死闘を繰り広げる伝説のハジケリスト・首領パッチを稲荷卓央さんが演じます。ほか、樋口裕太さん、大澤駿弥(OrβIT)さん、兎(ロングコートダディ)さん、小松準弥さん、稲荷卓央さんなど、豊かな経歴を持つキャスト陣が物語を彩ります。
THEATER GIRLは、主演を務める加藤 将さんにインタビュー。前編では、脚本を読んでの感想や役作りについて、共演者の印象などをお聞きしました。
この作品の世界観をどういうふうに舞台にするんだろう!? と思った
――本作への出演が決まったときの気持ちを教えてください。
原作モノの舞台は久々でしたし、お話をいただいたときはとてもうれしかったです。でも、この作品の世界観をどういうふうに舞台にするんだろう!? と思って。演じるボボボーボ・ボーボボは、僕のビジュアルがほぼ隠れちゃう扮装だし(笑)。でも、逆にそこがおもしろそうで、“やりたい!”と思いました。
――役者仲間からの反応はいかがでしたか?
自分ではわからないのですが、僕、普段からちょっとおかしいらしくて(笑)。“ピッタリやん”“めっちゃええやん!”とみんなから言われました。
――“普段からちょっとおかしい”?
そうなんですよ。でも、これはエハラマサヒロさんから教えていただいたのですが、人と感じ方が違う人って、指摘されるまで自覚がないらしいんです。自分では普通だと思っていることも、「みんなはこういうことをしないよ」とか「変わってるね」とか言われることがあるんです。でもそれは、自分の育ってきた環境によってそういうマインドが生まれているだけで。僕の生きてきた環境はちょっと特殊ではあるけど、役者というのは自分の感じてきたことや経験が反映される仕事だと思うので。ボーボボのように一般常識にとらわれず、自分の武器にしていこうとがんばっています。
――脚本を読んでの感想を教えてください。
僕は、脚本を読む前に原作を読みたいというこだわりがあるんです。原作があるときって、たいがい“(原作の)ここからここまでを○○編としてやります”という感じじゃないですか。でも今回は、(原作を)全部やるということだったので“マジか!?”となりました。お仕事の合間に原作をがんばって読んで。あと、アニメも全部観て、全部の解釈を入れたうえで脚本を読んだんですけど。ボケを回収するためのツッコミとか、原作にないセリフもちょっとあったりして。そういうのって、演じる人のスパイスによるところが大きいと思うから。僕は不器用なので時間がかかるけど、役者としてそれを表現できるところまでいきたいなと思いました。
――本作は独特の世界観ですが、ほかの作品とアプローチのしかたが違う部分もありますか?
以前、『ビジネスライクプレイ3』という川尻(恵太)さんが脚本・演出をやっている作品に出演させてもらったことがあって。それはオリジナル作品だったので、途中で設定を変えたり、僕が試してみたことを川尻さんがおもしろく脚色してくれたりもしたのですが、今回は原作があるので。先日、台本を読んでいるとき、原作を思い返しながら“ここは必須のキメ”とか“ここは笑い”とか書き込んで、それを全部写真に撮ったんです。その作業に8時間以上かかって。実際に舞台上でやったら、その通りにできるかはわからないけど、それくらい原作に沿ったほうがいいのかなと思って。
僕はもともとアニメファンで、『テニスの王子様』が好きでテニスを始めたんですけど。自分がテニミュに出演できることになったとき、原作ファンだからこそ、できる限りのことは再現したいと思ったんです。今回も、原作ファンの人にも、初めてこの作品に触れる人にも、来てくださった方全員に喜んでもらいたいので。原作通りにやるのは大変ですが、挑んでいきたいと思っています。
――キャラクタービジュアルの再現度が素晴らしいですが、ビジュアル撮影時の裏話があれば教えてください。
ボーボボの衣裳のパンツが、ジーパンを改造したもので。ストレッチが効いていなくてあまり脚を広げられないから、衣裳さんに「ヤバい! このままやったら俺、股がやぶれます」と言ったら、「そうやで。あんた、いっつも股をやぶってるからな」って。その衣裳さんとは、ここ3作品連続でご一緒しているんですが、どうやら僕、毎回衣裳の股をやぶっているらしくて(苦笑)。なので、今回は気をつけようと思っています。
――現時点で、役作りはどのようになさっているのでしょうか。
ボーボボをどういう声でいこうか考えたんですね。まだ音楽をいただいてないので、ボーボボの声のポジションがわからないのですが(取材時)、基本的にはバトルしているので、たぶん叫びまくるなと。普通にやっていたら喉を潰すなと思ったので、ボーボボの声帯を見つけるところから始めたいと思っています。でも、とりあえずはセリフを覚える作業に集中したいですね。長ゼリフとかもあるので。
あと、ボーボボはものすごくガタイがいいので、とにかく食べまくって、体重を80キロぐらいに持っていくのと、腕を鍛えまくろうと思っています(取材は9月中旬)。ビジュアル撮影の時期は、ほかの作品をやっていてカラダを大きくできなかったんですけど。とりあえずお腹のくびれだけは作っとかなあかんなと思って、腹筋ローラーをしました。僕、舞台で歌をやるようになってから、あまり腹筋をつけないようにしているんですけど、ボーボボの腹筋がないのはヤバいなと思って。
――どのくらいの期間、腹筋を鍛えたのですか?
ビジュアル撮影が2回あって、1回目は1週間前から鍛えられたのですが、2回目のときは忙しくて、10回3セットを2日間だけしかできませんでした。でも、撮影前日の夜から水分をあまり摂らないようにしていたら、当日キュッと細くなっていましたね(笑)。でも僕、筋トレの才能があって。まだ数日しか鍛えていないけど、腕もけっこう太くなったし。ただ、普通の人より腕が長いので、近くで見たら太くても、遠目だと細く見えてしまうらしいんですよ。なので、もっとがんばって筋トレをして。あと、普段から稽古中はどんどん痩せていってしまうのですが、今回は特に物量の多い役でカロリーを消費すると思うので。がんばって食べて食べて食べて、ボーボボも加藤 将も膨らんでいきたいと思います!
――キャストには、ベテラン俳優やお笑い芸人、アーティストなど様々な分野で活躍中の方が集結しましたね!
先日、川尻さんと一緒に取材を受けたときに、「演技のベテランである稲荷(卓央)さんや、お笑いのベテランである兎さんとかに力を貸してもらうことが絶対にあると思う」と川尻さんが言っていたんです。一つのチームとしてみんなで稽古をしていったら、みんなのいいところやパワーが共有されるし、刺激にもなって、おもしろい作品がさらにおもしろくなりますよね。
自分なりのスパイスも出せたらいいなとは思っていますが、今は超緊張しています。というのも、ボーボボの相方・首領パッチを演じる稲荷さんが、超ベテランの俳優さんじゃないですか。でも、稲荷さんはめちゃくちゃいい方で、僕なんかに敬語を使ってくださるんですよ。ホントに申し訳ないので、稽古場ではコミュニケーションをとって、「敬語やめてくださいよ~」と言えるぐらいの関係になりたいです。
――稽古場では、ニックネームで呼ぶなど、積極的にみなさんとコミュニケーションをとるタイプですか?
基本的には僕、名前は記号にすぎないと思っているので、どんな呼び方をしてもいいと思っているんですけど。理想は、みんなが名札をつけて、ニックネームで呼び合う形ですね。以前出演したミュージカル『ファントム』の現場で、城田 優くんがファーストネームで呼び合うという方法をとっていて。そういう環境であれば、メインキャストとアンサンブルの境目みたいなものもなくなるし。後半になって稽古に参加される照明さんや音響さんのことも、名前で呼ぶことで顔も覚えられるし。カンパニーのチームワークがすごくよくなると思うから。とはいえ、自分から言い出す勇気はまだちょっと出ないので、もともと仲のいい小松準弥とかに「紙と名札入れを買ってきてや」とお願いしようかな、ぐらいの気持ちなんですけど(笑)。
――今回の現場に小松さんがいてくださるのは、やはり心強いですか?
そうですね。基本的に僕はマイワールドで生きているので、みんなと共存することがあまり得意ではないんです。もしかしたら周りの人たちは全然気にしていないかもしれないけど、僕はけっこう気にしぃで……。だから、準弥がいてくれるだけで心の支えになるところはあります。でも、今回は座長でもあるし。大変な役だから自分のことに精一杯になってしまい、みんなの足を引っ張ってしまうかもしれないけど、仲よくできたらなと思っています。
取材・文:林桃
撮影:野田涼
ヘアメイク:権田政剛
スタイリスト:藤長 祥平
『超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ』開幕レポートはこちら
公演概要
超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ
原作:澤井啓夫「ボボボーボ・ボーボボ」(集英社 ジャンプコミックス刊)
脚本・総合演出:川尻恵太(SUGARBOY)
出演:
加藤 将/
工藤晴香 樋口裕太 大澤駿弥(ORβIT)/兎(ロングコートダディ) 小松準弥/稲荷卓央(劇団唐組) 他
公演期間:2024 年 10 ⽉ 23 ⽇(⽔)〜10 ⽉31⽇(⽊)
会場:シアター1010(〒120-0034 東京都足立区千住 3-92 千住ミルディスⅠ番館 10F)
チケット(全席指定・税込):
超ハジケシート 33,000 円(最前列・特典付き)
〈特典内容〉終演後舞台上にて写真撮影(舞台セット+お客様のみ※キャスト登場はございません)
ボーボボ鼻毛アクリルキーホルダー
複製サイン入りブロマイド 7 枚セット(加藤、工藤、樋口、大澤、兎、小松、稲荷)
⼀般席 9,900 円
舞台公式サイト:https://bo-bobo-stage.jp
舞台公式 X:https://twitter.com/bo_bobo_stage
主催:ボボステ製作委員会(東映ビデオ/東映アニメーション/アプル)
©澤井啓夫/集英社・ボボステ製作委員会
ライブ配信概要
配信対象公演:10月28日(月)13:00公演(全景映像)
18:00公演(スイッチング映像)
視聴券:3,850円(税込)
10月28日(月) 13:00回/18:00回マチソワセット券:7,150円(税込)
※生配信終了後、ディレイ配信期間は購入した公演の映像を何度でも視聴いただけます。
販売ページ:https://live.tv.rakuten.co.jp/content/488902/
配信の購入期間:9月13日(金)17:00~11月3日(日)20:00まで
ディレイ配信の視聴可能期間 : 11月3日(日)23:59まで