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七五三掛龍也・吉澤閑也W主演。ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』開幕!「作品の魅力にどっぷり浸かっていただけたら」

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後藤ひろひとによるダークファンタジー『ダブリンの鐘つきカビ人間』が、初のミュージカル化。7月3日(水)に東京国際フォーラム ホールCにて、ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』として幕を開ける。

『ダブリンの鐘つきカビ人間』は、1996年の劇団・遊気舎での初演以降、何度も上演されてきたユーモアと切なさが歪に入り乱れるポップなダークファンタジー。初のミュージカル化に際し、ジャンル問わず活躍するウォーリー木下が脚色・演出を、ケルト音楽に造詣の深い中村大史が音楽を手掛ける。

本記事では、初日を前に実施された囲み会見を、和やかな会見の様子や、劇中ショットとともにレポートする。

会見には、物語の世界の住人で、醜い容姿と誰よりも美しい心を持つカビ人間役を演じるTravis Japanの七五三掛龍也、物語の世界に迷い込む青年・聡役を演じるTravis Japanの吉澤閑也のほか、おさえ役の伊原六花、真奈美役の加藤梨里香、市長/老人役の松尾貴史、おさえの父(ジジイ)役の中村梅雀、ウォーリー木下(脚色・演出)、後藤ひろひと(作)の8名が登壇した。

後藤は「こんなに素晴らしい劇場で美しいセット、衣装で舞台が始まることが嬉しい。30年前に書いた悲しい2人ですが「こんなに幸せな2人はいないんだな」と思っています、楽しみにしています」と、ウォーリー木下は「充実した稽古でした。明日の初日に120パーセントが出せると思いますので、ぜひ期待していてください」とコメント。

W主演を務めるTravis Japanの七五三掛龍也は「今回初めてメンバーと一緒で、緊張しているけど同時にワクワクしています。ハットの技などがあるので、失敗しないようにしたい」と意気込みを語った。

今回、七五三掛はもともと容姿端麗で醜い心を持っていたが、奇妙な病で容姿と中身が入れ替わってしまい、カビだらけの醜い容姿だが心は誰よりも美しいカビ人間という難しい役を演じる。役作りについては、「普段はこういう感じの役を演じることがなかったので、稽古中にカビ人間の感情を自分ごとにするのにすごく時間がかかりました。カビ人間はおさえちゃんとコミュニケーションを取る中でカビ人間としていろんな発見をしていくのですが、それを繊細に見つけていったときに、カビ人間がすーっと自分の中に入ってくる感じがしました。ここまでピュアで心が真っ直ぐな役を演じたのは初めてだったので、自分の中で新しい扉が開いた気がしました」と役作りを振り返った。

また、カビ人間の見どころのひとつがハットの技。劇中でも、心と連動するようにカビ人間はよくハットで手遊びをしている。七五三掛は「カビ人間の唯一の友達がハットなんです。ハットの先生に技を教えてもらったのですが、カビ人間が日常的にハットを使っているように見せるために2週間くらいかかりました。そのうち、ハットを触るとカビ人間のスイッチが入るようになりました」と、マスコミ陣にもいくつか技を披露。うっかりハットを落としてしまい「今のはカットでお願いします!」といたずらっ子のような笑顔を見せた。

本格的な舞台初挑戦にして七五三掛とともにW主演に挑む吉澤は、物語の中の世界に入って行くことになる青年・聡を演じる。「聡はすごく閑也に近い。見た目も閑也そのままですし(笑)。29歳にして、お芝居にちゃんと打ち込むのは初めてなので緊張しています」とコメント。すかさず七五三掛をはじめとしたキャスト陣から「29歳まだじゃん!」と言われると「ツッコミがすごい(笑)!今はまだ28歳ですが、いい29歳を迎えられるように聡、がんばります!」と初日に向けて意欲を見せた。

セリフの覚え方もわからない状態だったという吉澤は、「聡と閑也を擦り合わせるときに、閑也を薄めていくのがすごく難しかった。ウォーリーさんにも『閑也が出てるぞ』と言われてしまったこともありました」と役作りの苦労も明かした。

メンバー同士の共演について質問が及ぶと、七五三掛は「普段、グループでは僕たち“しめしず”と呼ばれているんですが、今回はこれまで見せたことのない新たな“しめしず”が生まれると思います」と回答。

吉澤は、稽古場ではあまり七五三掛としゃべった印象がないそう。「こっちが喋りかけても、しめが集中しすぎていて、返事が返ってこないんですよ。みんなで緊張をほぐそうと思ってしめに話しかけにいってたんですけど、しめは天然だから多分話しかけられたことにも気づいてなくて……」と稽古を振り返ると、七五三掛は「あれ、緊張を崩しにきてたんだ!」とマイペースといわれる所以を見せてくれた。

カビ人間と深く関わることになるおさえ役を演じるのは伊原。最初に脚本を読んだときから心掴まれたという伊原は、「悩みながらもすごく楽しい日々を過ごせて、劇場に入ってからも新しい発見がありました」と満面の笑み。

一緒のシーンも多い七五三掛の印象については「最初は『七五三掛さん』っていう感じかと思っていたんですが、意外と『七五三掛!』という感じでした(笑)」と語り、七五三掛の物怖じしないマイペースを貫く姿を「男らしくてストイックで、本当に引っ張っていただいて稽古ができました」と評した。

聡とともに物語の中に紛れ込む真奈美役の加藤梨里香は、「お客様も聡と真奈美と一緒に物語の中に入って、結末を見届けてほしい」とコメント。「とにかくしゃべる」という会見の言葉通り、序盤からマシンガンのようにしゃべる真奈美の姿にぜひ注目を。

また、行動をともにする聡役の吉澤への印象を聞かれると、「お互い人見知りなので、どうやって2人の距離を詰めたら良いのか苦戦しました」と稽古を振り返った。そこから稽古の時間を重ねる中で、真奈美と聡の関係性も築いていけたそう。

本作を、「全員が皿回しを何十枚もやる人みたい」だと表現したのは市長/老人役の松尾貴史。1996年の初演をはじめ、これまで何度も再演の度に観客として本作を観てきたという松尾は、「まさかこの名作に呼んでいただけるとは」と出演への喜びを語る。

目まぐるしいステージに期待を膨らませるのは、おさえの父(ジジイ)役の中村梅雀。「奇想天外な設定で、しかもファニーでキュートでラブリーでショッキングで、だけど実はすごく深い、謎がたくさん込められたファンタジックなドラマです」と、初日が待ち切れないといった様子を見せた。

約30年前にこの物語を書いた後藤は「ミュージカル化は私もいつかやってみたいと思っていた。ウォーリーくんが言ってくれたので、安心して任せたいなと思いました」、脚色・演出を手掛けるウォーリー木下は本作の世界観や筋立てがミュージカルに合うと確信していたそうで「今日も稽古をしながらミュージカルにしてよかったな」とコメント。

最後に、吉澤が「毎回、泣きそうになるくらい感動するシーンがあったり、本当に楽しい面白いシーンがあったりで、どんな方ものめり込める作品だと思います。ぜひ楽しんでいただけたらと思います」、七五三掛が「普段生活している世界とは違う異世界に連れて行ってくれる作品だと思うので、ケルト音楽とともにこの作品の魅力にどっぷり浸かっていただけたらいいなと思います」と締めくくり、会見は終了した。

ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』は、7月3日(水)~10日(水)まで東京国際フォーラム ホールCにて、7月20日(土)~29日(月)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演。

舞台写真

文・撮影:双海しお

おさえ役 伊原六花さんのインタビューはこちら

公演概要

PARCO&CUBE produce 2024 ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』

作:後藤ひろひと
脚色・演出:ウォーリー木下
音楽/音楽監督: 中村大史

出演:
七五三掛龍也 吉澤閑也 伊原六花 加藤梨里香
入野自由 コング桑田 小松利昌 竹内將人 
安田カナ 安福毅 Ema 工藤広夢 半山ゆきの
松尾貴史 中村梅雀

演奏:中村大史 奥貫史子 石崎元弥

【東京公演】
2024年7月3日(水)~10日(水)
東京国際フォーラム ホールC

【大阪公演】
2024年7月20日(土)~29日(月)
COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

企画・製作:パルコ/キューブ

公式サイト:https://stage.parco.jp/program/dublin2024

THEATER GIRL編集部

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