演劇『ライチ☆光クラブ』2025開幕！　牧島輝「明日から頑張ろうと思える作品だと思っています」

2025.01.11

REPORT

2025年1月10日（金）IMM THEATERにて、演劇『ライチ☆光クラブ』2025が開幕した。

「ライチ☆光クラブ」とは、漫画家・古屋兎丸が2005年に発表した作品で、本作は4度目の舞台化となる。リアルな少年たちの感情を抉り出し、《会話》で紡いでいく、新しい演劇『ライチ☆光クラブ』2025 が届けられる。

今回は、牧島輝、岐洲匠、中山咲月、脚本・演出：谷碧仁（劇団時間制作）のコメントと舞台写真をお届けする。

初日会見コメント

ゼラ役：牧島輝

役が決まったときは、嬉しかったです。ガッツポーズしました（笑）僕がこの作品に出会ったのは小学生の頃で、舞台化も映画化もされていますがそのどれも知っていたし、こういう形でまさか自分がゼラを演じられるとは思っていなかったので、嬉しかったです。
学ラン、眼鏡、帽子をかぶって、みんな揃うとすごく迫力があって、衣裳さんはすごくこだわってくれているし、音楽も素晴らしいものが出来上がっているし、舞台セットもすごいんです。どのセクションの方々も僕たちよりもこだわりぬいているから、それに僕たちが負けないようにというか、いただいたものを活かして前にすすめられるように、色々なものをキャッチして作っていけるように意識していました。
「ライチ☆光クラブ」ってすごくかっこいいと思うんです。作品をよく知らない人がぱっと見れば、妙な雰囲気だし、中2病感があって、絶対皆さん心のどこかに自分が14歳だった頃の自分みたいなのを飼っていると思っていて、この作品を観るとその部分がとてもくすぐられると思うし、見ちゃいけないものを見ちゃったワクワク感とか、中学生の時の好奇心とか、嫌だったことも含めて思い出して、明日から頑張ろうと思える作品だと思っています。登場人物が生きているなってことが深く書かれている作品って素晴らしいと僕は思うんですが、ライチはそういう作品だなって稽古して改めて思いました。

タミヤ役：岐洲匠

タミヤを知れば知るほど、自分に近い部分も多くて、役を勝ち取ったときにはやっぱり俺でしょ！と自信を持って思いました。僕はあまり原作に頼りすぎず、自分でタミヤを見つけていくために、しっかり考える時間を増やすというのを意識しました。
舞台セットや小道具が本当にすごくて、稽古場に建て込まれたセットを初めて見たときのことを今でもずっと覚えています。
すごい！秘密基地だ！と思って、すごく登りたくなったんです。僕たちも本当に14歳に戻ったようにワクワクさせられたというか、全員の力が重なって創り上げていくものだなと。大変なこともたくさんありましたが、皆で大変を分け合っていて、すごい化学反応が起きているなと思いました。
最初から最後まで、自分と稽古と仲間を信じて、迷わず、タミヤらしく、最後までいけたらいいなと思います。よろしくお願いします。

ジャイボ役：中山咲月

自分は元々「ライチ☆光クラブ」という作品を知っていたので、まず舞台が発表されたことが純粋に嬉しくて、なおかつ自分が一番好きなキャラクターを務められるっていうのがすごく嬉しかったです。と同時に怖さもあって、好きだからこそ、ジャイボにどこまで近づけるのかという葛藤がありました。
ジャイボは「美しい少年」という設定があって、それがもともと僕の中ではすごいプレッシャーだったんですが、正直まだ…恐らく千秋楽まで納得はしなくて、その美しさというものを追求するためにストイックに、ジャイボに近づけたらなと役作りを頑張っております。
本日初日を迎えるんですが、「ライチ☆光クラブ」を自分が初めて見たときちょっと時間の流れがゆっくりに感じるくらい、「なんて作品に出会ってしまったんだろう」という衝撃を受けたのをいまだに思い出せます。お客様にもそういう気持ちを劇場で味わってくれたらいいなと思います。そしてこの「ライチ☆光クラブ」がこの舞台をきっかけに色々展開していくのもすごく楽しみですし、何よりもこの一瞬の2時間が、皆さんにとって永遠に続くようになってくれたらいいなと思います。

脚本・演出：谷碧仁（劇団時間制作）

僕はエンタメ的な舞台はやってこなかったんですが、このお話をいただいた時に、この作品を裏切らないことが意識しようと思ったことで。感情というよりも、自分がやれることは一体なんだろうかというのが先に来て、責任みたいなものを感じたことを覚えています。
脚本のほうでは、会話劇にする、というところが主に自分の中でこだわりがあり、群像劇をつくりたいということと、そこにエンタメを混ぜるということを自分の中で意識しました。
作品の内容としては、僕は共感することを作品の良し悪しとすることが全てではないと思っていて、俯瞰的に観ることで作品の面白さを感じることも山ほどあります。さらに共感に関して、人は善の共感よりも、どちらかというと「この人嫌いだな」という気持ちや同族嫌悪のような、悪の共感のほうが強かったりするのかなと思うときもあって。今回の公演は俯瞰的に観ても面白いですし、誰かに共感、それは善も悪も、共感して観ていくということがやっぱり面白いのかなと思っているので、ぜひ好きなキャラクターと嫌いなキャラクター両方とも楽しめるといいのかなと思っております。
舞台上に乗っているものが全てですので、それを自由に感じていただいて、感想を隣の方と合わせる必要はまったくなく、ご自身だけの特別なものになるように誠心誠意こめて最後までやれたらなと思っております。よろしくお願いします。