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ふぉ~ゆ~主演。『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』開幕!「噛めば噛むほど味が出てくるようなお芝居になっています」

REPORT

2025年3月6日(木)に東京・IMM THEATERにて、ふぉ~ゆ~主演舞台『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』が開幕した。

朗読劇、コント、演劇と年末年始に様々な魅力を魅せるふぉ~ゆ~だが、新作舞台『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』では悪役に挑む。物語の舞台は、フランス・パリ。“スリに強盗、なんでもござれの極悪な集団”といわれる犯罪集団でありながら、実は彼らなりの美学を持っていて・・・。

脚本・演出は、独特のコメディーセンスと哲学で構築されたストーリーで高い人気を誇る劇団「山田ジャパン」を主宰し、「全裸監督」「新聞記者」など骨太な映像作品の脚本も手掛ける山田能龍。

それぞれのキャラクターに当て書きをし、更に犯罪集団が街を疾走するさまを、走る・跳ぶ・登るなどの身体技術を用いて効率よく障害物を乗り越え移動する“パルクール”を用いて表現するなど、普段は明るくオモシロな印象が強い4人が、本作で新たな魅力を爆発させる。

今回は、ふぉ~ゆ~、山田能龍のコメントと公演レポート、舞台写真をお届けする。

主演:ふぉ~ゆ~コメント

福田悠太

もっと稽古をしていたかった気持ちが強いです。やればやるほど細かいところをやりたくなって、もう少し稽古をしていたいな、なんて話をしていました。いや、これは本番をやらないとダメなやつだと、今日本番を迎えることにしました。かなり細かいところまで僕たちの色々な気持ちが詰まっているので、何回観ても、噛めば噛むほど味が出てくるようなお芝居になっています。
僕が演じるのはミラージュのリーダーで皆を引っ張って行く役で、ふぉ~ゆ~でもリーダーですが会見などで「リーダーです!」と名乗るだけなので(笑)、演じながらこういう風に引っ張っていくといいんだなと思っています。
今回、山田さんが当て書きしてくださって新しい一面が引き出され、僕たちってまだ色々なことができるんだな、たくさん魅力が詰まっているんだなと思いました。この作品を皆様が観終わった後に、どんな気持ちになるか楽しみです。

辰巳雄大

ふぉ~ゆ~として、また新たな一面を魅せられる作品になっています。ワクワクドキドキするものを盗み観てもらえると思うと、今から楽しみでしょうがないですし、早くお客様の反応を見たいです。
稽古場では(山田)能龍さんとたくさん話をして、早々に「台本を飛び越えてきたな」と言ってもらえたことがものすごく嬉しかったです。能龍さんの胸を借りてそこに飛び込んだら、質量の上がったぱつぱつのライアンが出来上がりました。山田さんは、僕のおしゃべり好きなところを見抜いてくださっていたのかなと思っています。
アニメから飛び出してきたんじゃないかと思うほど、それぞれのキャラが立っています。その反面、劇場だからこそ感じるヒリヒリとした人間同士の摩擦などもあり、両面性をもった、このカンパニーとして勝負できる作品になりました。ぜひ劇場でこの迫力と臨場感を味わっていただきたいです。シリーズ化したいです!!

越岡裕貴

新しいチャレンジとしてパルクールという要素があり、そこが見せ場になっています。そして僕たちは悪党を演じるので、いつもと違ったふぉ~ゆ~をお見せできたらいいなと思います。お客様が入って完成する作品だと思うので、早くやりたいです。
僕が演じるシモンは方向音痴だと書いてありましたが、僕自身も実際にすごく方向音痴で、そんな話はしてないのになんで分かったんだろうと不思議な気持ちがありました。人を見る力がすごくあるんだなと思っています。(「偶然です!」by山田能龍)
能龍さんに「思っていたシモンと違うのが出てきた」と言ってもらえた時は、すごく嬉しかったです。
色々な感情がグルグルする作品だと思いますし、動かされるシーンがたくさんあります。観に来てくださった方が、何か感じ取っていただけたら。ぜひ劇場でお待ちしています。

松崎祐介

今の心境を5文字で表すと、「時は来た」。以上です。
ガスパールという役を演じますが、身体能力がずば抜けているキャラクターで、かわりに頭がちょっと……。松崎祐介このまま!です(笑)。初挑戦のパルクールは今までに使っていなかった筋肉を使うみたいで、階段を上がるのに一苦労、下がるのに二苦労……という感じでした。
皆さんにとって悪とはなんですか?劇場でお待ちしており松。
水道橋でミラージュとアクション!!!
トゥクストゥ~~~~ル~~!!!

脚本・演出:山田能龍コメント

僕はふぉ~ゆ~のみんなが大好きなんですが、この異常な魅力がまだ世間に広がりきってない、もっと広がって然るべき、と思っています。ふぉ~ゆ~のスタンダードな魅力を踏襲しながら、ファンの皆さんも見たことのないような姿を見せたいというクリエイターとしての欲もあるので、そういったものをミックスして創り上げました。2年前くらいに4人とご飯に行った際、じっくり観察させてもらったのでその時のイメージが反映されている部分もあると思います(笑)。
この作品は、笑いあり、涙あり、アクション、パルクール、歌、メッセージ性あり、と欲張った芝居になっています。これだけ盛っていると上手くいかないこともあるのですが、今回はすごく上手くいっています。キャストの皆さんそれぞれがもっている多ジャンルのメソッドが混ざり合うことでいいバランスが取れたのかなと思います。これは奇跡的なことなので、存分に期待してお越しください!

公演レポート

舞台を主戦場に、最近では冠バラエティ番組「ふぉ~ゆ~の王道テレビ ~まじデビューめざすんで!!!!」(日テレプラス)やYouTubeチャンネル「ふぉ~ゆ~ちゅ~ぶ」をもつなど活躍の場を広げ、その“愛されキャラ”ぶりも浸透しつつある4人組グループ・ふぉ~ゆ~。メンバー個々人のみならずグループとしての主演作も数多い彼らの、新たな代表作が誕生した。3月6日(木)、東京・IMM THEATERで開幕した主演舞台『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』だ。脚本・演出は山田ジャパンの山田能龍。

客電が落ちると鳴り響く警報音。追いかける警官たちを後目に、高さのあるセットを縦横無尽に飛び乗り飛び降り飛び移り、ふぉ~ゆ~4人が逃げ回る。「ふぉ~ゆ~が初の悪役に挑む!」と銘打たれていた本作、その前宣伝にたがわず、迫力の大捕り物から幕は切って落とされる。彼らが扮するのはスリに強盗なんでもござれの犯罪集団ル・ミラージュだ。

物語の舞台は今よりちょっと未来のパリ。国同士の対立が深まる世界情勢の中、平和を掲げるフランスは孤立し経済は困窮、市民の不満はたまっている。そんなパリの話題は次期市長選。不人気の現市長に代わり支持を得ているのは、現代のジャンヌ・ダルクと呼ばれるネットソーシャル企業のカリスマ経営者シルヴィー・ゴールドスミスだ。しかしル・ミラージュの目は欺けない。シルヴィーの裏の顔を嗅ぎつけた彼らは、隠された陰謀を明らかにしようと暗躍する。正義の心を持つ悪党 VS 正義の仮面を被る悪党の対決の行方は――。

出し抜き出し抜かれ、懐柔し、裏切り……。スピーディでトリッキーな物語は何度も予想外の方向に転がり、観客を翻弄していく。最後の最後までハラハラが止まらない、極上のクライムアクションサスペンスだ。

物語を牽引するのはもちろん、ふぉ~ゆ~扮するチャーミングな悪党ル・ミラージュ。福田悠太はとぼけているようで実は頼りになるリーダー・ユーゴを包容力たっぷりに演じる。裏の顔を隠し警察官として働くユーゴは、事件が深まるにつれ次第に高まっていく緊張感も見どころだ。

立板に水で喋り倒す詐欺師・ライアン役に扮する辰巳雄大は、“推し活”に生きるおかしなテンションもユニークだが、後半、彼の苦悩が鍵になっていく重要な役どころを体当たりで演じている。

セキュリティ破りを得意とする頭脳派シモンは越岡裕貴。4人のバランスを取る常識人のようで、こだわりの美意識がちょっとヘン。

松崎祐介が演じる体力自慢の熱血漢ガスパールは、普段の松崎そのもののパワー系、この人にしか出せない面白さがある。

山田がふぉ~ゆ~にあて書きしたキャラクターは、4人がもともと持つ個性とあいまって魅力倍増。そして身体能力の高さに定評のあるふぉ~ゆ~だが、今回は初めてパルクールに挑戦、アクションでもバッチリ魅せてくれる。

ル・ミラージュを取り巻く人々も個性的だ。信念を貫く元新聞記者のラジオパーソナリティ・エミリーを演じる大原優乃は、可愛らしさの中に、時にル・ミラージュの4人を引っ張るほどのぶれない芯の強さをしっかり描き出す。

ル・ミラージュの創設者ロイドを演じる鍛治直人は、押さえた中に温もりと信念を感じさせる芝居で、様々な正義が交錯する物語の中で一本の軸を通す。ル・ミラージュ逮捕に燃える刑事エリック・ゼニガタは吉田メタル。アルセーヌ・ルパンにとってのガニマール、ルパン三世にとっての銭形という好敵手ポジションを持ち前の豪快さで好演。そしてル・ミラージュ最大の敵シルヴィーに扮する蘭寿とむは、完璧すぎる清潔感と押し出しの強い笑顔で好感度の高い市長候補、そして冷徹な悪役顔で闇の武器商人、二面性ある役を圧倒的な華と大迫力で演じる。

個性の強いキャラクターたちに笑い、物語の行方にドキドキし、愛すべき悪党の活躍にスカっとする楽しいエンターテインメント作品であるが、『全裸監督』『新聞記者』など骨太な映像作品の脚本も手掛ける山田は、政治の裏表や、正義という言葉の危うさ、“雰囲気”に流される市民感情の移ろいやすさなども笑いの影に潜ませる。ル・ミラージュの4人にしても単純な悪党でも義賊でもない。孤独や傷といったものも抱えているのだ。その傷があるからこそ4人の絆は深まり、弱点を補いあうことでチーム感が生まれる。それは“完璧なアイドル像とはちょっと違うけれど、4人集まれば最強”な、リアルなふぉ~ゆ~の姿にも重なる。娯楽作品で終わらない見応えある物語であり、観ればふぉ~ゆ~のことが好きになってしまうに違いない作品。そういう意味で「ふぉ~ゆ~の新たな代表作誕生!」なのだ。

公演は3月23日(日)まで同劇場にて。その後大阪、福岡でも上演される。

取材・文:平野祥恵
撮影:引地信彦

公演概要

『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』

脚本・演出 山田能龍
出演 ふぉ〜ゆ〜(福田悠太/辰巳雄大/越岡裕貴/松崎祐介)
大原優乃 吉田メタル 蘭寿とむ 他

【東京公演】
2025年3月6日(木)~23日(日)
IMM THEATER

【大阪公演】
2025年3月27日(木)~30日(日)
COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

【福岡公演】
2025年4月12日(土)・13日(日)
キャナルシティ劇場

制作: Soymilk
企画・製作: 関西テレビ放送

公式サイト: https://www.ktv.jp/event/foryou/
公式X: @criminalfour4

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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