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坂本昌行と海宝直人が3年半ぶりにタッグ。オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「MURDER for Two」開幕!「誰かに伝えたくなるような作品に仕上がったのでは」

REPORT

2025年9⽉6⽇(⼟)からパルテノン多摩を⽪切りに、東京、宮城、福岡、新潟、⼤阪、愛知でミュージカル 『MURDER for Two』が上演される。

 本作は、2011年にシカゴで世界初演、2013年にオフ・ブロードウェイに進出したサスペンスコメディです。2⼈の役者が約13 役を⾐裳を替えることなく、⼩道具や声⾊を変え瞬時に演じ分け、さらには1台のピアノを弾き語る独創的な作品。 

⽇本では2016年に初演され、坂本昌⾏が読売演劇⼤賞優秀男優賞を、照明の原⽥保が優秀スタッフ賞を受賞。2022年には坂本昌⾏と海宝直⼈のコンビで好評を博し、3年半の時を経て再び2⼈がタッグを組む。

今回は、坂本昌行、海宝直人、演出・SCOTT SCHWARTZ、 J. SCOTT LAPPが登壇した囲み取材の様子と舞台写真をお届けする。

まずはそれぞれから初日を迎える心境が語られた。

坂本昌行「容疑者全員を演じさせていただきます坂本昌行です。この作品に触れることの喜びと大変さを改めて感じながら、いよいよ初日を迎えます。ご覧いただいた方が「観たんだよ」と誰かに伝えたくなるような作品に仕上がったのではないかと思っています。日本のお客様に素晴らしい作品をお届けできるよう努めてまいります」

海宝直人「マーカス役を演じます海宝直人です。今回、2度目の参加となりますが、本当に類を見ない作品だと改めて感じています。緻密で繊細な積み重ねで構成されていて、非常に演劇的でありながら、俳優がピアノを弾きながら演じるという挑戦があります。その難しさを、素晴らしいクリエイターの皆さんと共にストイックに積み重ねてきました。そして、この作品はお客様が入って初めて完成するものだと強く実感しています。これからお客様の反応を受けながら千穐楽までどう育っていくのか、とても楽しみにしています。皆さんに心から楽しんでいただけるように努めます」

SCOTT SCHWARTZ「共同演出を務めていますSCOTT SCHWARTZです。ニューヨークでのオリジナル演出も担当しました。この場に立ち、このミュージカルに再び関われることをとても嬉しく思います。この作品は私自身、とても大好きで、とても面白く、ユーモラスで、そして演劇的な魅力にあふれています。私の演劇的な側面をよりよく映し出してくれる作品でもあります。長年一緒に仕事をしてきた共同演出のジェレミー、そしてこの素晴らしい2人の俳優とまたご一緒できることに感謝しています。お客様にお見せする準備は万全です」

 J. SCOTT LAPP「スコットさんと共に共同演出を務めていますJ. SCOTT LAPPです。2013年、ニューヨークでの初演からスコットさんと一緒にこの作品を作り上げてきました。そして日本では今年で3演目を迎えます。このことを本当に嬉しく思っています。今回、この作品に挑む素敵な2人の俳優と共に初日を迎えられることに感謝しています。そして今回初めてこの作品をご覧になる方々に、ぜひ新鮮な驚きと喜びを感じていただきたいと思います。お客様にとっても、きっと今までにない体験になるはずです」とそれぞれから意気込みが述べられた。

約3年半ぶりのタッグとなる坂本と海宝。稽古での手応えについて、坂本は「僕はいろいろな容疑者を演じさせていただく中で、セリフを忘れてしまうこともあるのですが、海宝くんが僕のセリフもしっかり覚えていて支えてくれるので、とても心強いです。そういう意味でも本当に信頼できるパートナーですので、本番で何が起きても安心しています」と海宝への信頼を見せた。

海宝は「改めて一緒に稽古の時間を過ごして、昌さん(坂本)の作品に対する献身的な姿にとても刺激を受けています。稽古が終わったあとも、だいたい1時間くらい自主稽古をして、お互いに苦手なところを返しながら練習を重ねてきました。

ある日もいつものように残って練習をしていたのですが、そのときは稽古場が2つに分かれていて、昌さんが隣の稽古場からこちらに戻ってきて「今日はもう帰ろう」とおっしゃったんです。じゃあ帰りましょうということで僕も支度を始めたのですが、その直後に歌の修正が配られて、「ここを直してください」という指示が届きました。すると昌さんは支度を終えていたのに、それを見てすぐにピアノに向かって練習を始められたんです。

本当に昌さんだからこそできる役だと思いますし、その姿に刺激を受けながら一緒にやってきました。ちなみにその日は、僕は支度をしていたので先に帰らせていただいたのですが(笑)。とにかく、この作品を最高の形でお客様にお届けできるように全力で取り組んできました。いよいよここからは、僕たち自身も楽しみながらお客様と一緒に作品を味わえたらと思っています」と稽古中の印象的なエピソードを語った。

演出の二人から見た、坂本と海宝の印象について、SCOTT SCHWARTZは「お客様、そして日本の皆さんは、この二人がどれほど素晴らしい俳優かをすでにご存じだと思います。そんなお二人と一緒にお仕事できることを、私たちはとても光栄に思っています。

この作品はコメディ要素が強いですが、それ以上に、この二人が演じることに大きな意味があります。一見すると楽しく見える役どころですが、実際には俳優として非常に多くのことを要求される役でもあります。セリフの量が多いのはもちろん、複数の役を演じ、ピアノを弾き、歌を歌い、さらに踊りもこなさなければなりません。作品のコメディ性や楽しさを観客に届けるために、二人は全力でエネルギーを注ぐ必要があるのです。

そしてもう一つ大切なのが「パートナーシップ」です。二人の俳優がタッグを組むこと自体が、この作品の大きなテーマになっています。そのため、この二人が組むことでコメディの魅力を最大限に表現し、観客の皆さんに楽しんでいただけると確信しています」と二人への信頼を見せた。

 J. SCOTT LAPPも「このように素晴らしい俳優さんとご一緒できるのは、我々にとっても大きな喜びです。昌さんは2016年の日本初演から同じ役を演じ、直人さんは2022年の再演で参加されました。そして今回、3年半ぶりに再びお二人がこの作品に挑まれることは、本当に恵まれた環境だと思っています。

アメリカではといって、歌・ダンス・芝居の三拍子が揃った俳優を超一流の俳優を「トリプルスレッド」と呼びます。しかし、この作品ではこの二人は三つどころか四つの才能を持っているのです。というのも、今回は互いにピアノを演奏し、伴奏し合うという役割も担っています。

この1か月ほど、稽古場では素晴らしい時間を共に過ごしました。笑い合うことも多く、2022年の稽古時以上に深い発見が数多くありました。ですので、いよいよお客様の前でこの作品を披露できることを心から楽しみにしています」と二人について語った。

3年半ぶりのタッグとなる坂本と海宝。お互いの尊敬する部分について、坂本は「僕はお会いする前から「地頭がいいな」と感じていましたが、その印象は稽古を通じてさらに強まりました。言われたことをすぐに自分のものにできるんです。僕はセリフも音楽も、時間をかけて練習しないと身につけられないタイプなのですが、「こうです」と指摘されると翌日にはもう完璧に仕上げている。それに加えて、僕のセリフまでしっかり覚えてくださっていて、本当に驚きました。もう一人で全部できてしまうんじゃないかと思うくらいです」と絶賛すると

海宝も「いやいや、そんなことはありません(笑)。僕から見ても、昌たくさんの役を演じ分けるのですが、姿勢も声も歩き方も全てが次々に変化していく。その一つひとつに誠実に向き合い、戦っていらっしゃる姿勢はとても刺激的です。作品に対する真摯さは、役者として必ず見習わなければならないものだと感じましたし、自分の今後の仕事の向き合い方に対してもすごく刺激をいただきました。初めて観るお客様は、きっとその変化に驚かれると思います」と坂本へのリスペクトを見せた。

本作の魅力の一つでもあるピアノの演奏について坂本は「ある程度は弾けるのですが、ただ弾くだけではなく「弾きながらセリフを言う」「動きも加える」となると、手元が乱れやすい。その正確さを保つことが本当に難しかったです。なかなか大変ですが、その分やりがいも大きいです」と取り組む上での苦労を語った。

本作では、2⼈の役者が約13 役を巧みに演じ分けるが、アドリブシーンなどについて、坂本は「演出として、いくつか即興の要素が入る場面があります。これまで僕はコメディ作品をやらせていただいてきましたが、基本的にアドリブを入れたことはありませんでした。書かれている台本をきちんと演じることが、そのまま成立するものだと考えていたからです。ですが今回は「ここはアドリブで」という場面があり、休みの日もセリフよりアドリブのことばかり考えていました」と語り、

海宝も「お互いにアドリブの瞬間を持っているのですが、「こうしよう」と決めておくのではなく、その場で自然に生まれるものを大事にして、受け手の反応も含めて面白くなるよう狙っているんです。なので、その日その瞬間にしか生まれないやり取りが多いですね」と即興芝居について触れた。

さらに坂本は「もちろんウケる瞬間もありますが、だいたいは崩壊するシーンが多かったので(笑)、僕自身、アドリブの場面を経験して「全てがOKなんだ」と勇気をもらいました」と微笑んだ。

最後に本作を楽しみにされている方々に向けて、海宝は「本当に緻密に、素晴らしいクリエイターの皆さんと積み重ねてきました。お客様が入って初めて完成する作品ですので、ぜひ楽しんでご覧いただければ嬉しいです」

坂本は「サスペンスではありますが、コメディ要素もたっぷり詰まった作品です。登場人物は二人だけですが、お客様の想像力を膨らませていただければ、13人のキャラクターがしっかり見えてくるはずです。私たちも全力で挑みますので、存分に楽しんでいただけたらと思います」と、メッセージが語られ、囲み取材は終了した。

文・撮影:THEATER GIRL編集部

公演概要

オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「MURDER for Two」

スタッフ:
作・詞:KELLEN BLAIR
作・音楽:JOE KINOSIAN
演出:SCOTT SCHWARTZ & J.SCOTT LAPP
翻訳:北丸雄二
音楽監督:岩崎廉
振付:本間憲一

企画・製作:テレビ朝日/シーエイティプロデュース

キャスト:坂本昌行 海宝直人

公演日程:
プレビュー公演 パルテノン多摩 大ホール 9月6日(土)~9月7日(日)
東京 EX THEATER ROPPONGI 9月11日(木)~9月22日(月)
宮城 多賀城市民会館 大ホール 9月27日(土)~9月28日(日)
福岡 久留米シティプラザ ザ・グランドホール 10月4日(土)~10月5日(日)
新潟 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場 10月10日(金)~10月11日(土)
大阪 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 10月17日(金)~10月22日(水)
愛知 東海市芸術劇場 大ホール 10月25日(土)~10月26日(日)

料金:¥11,500(全席指定・税込)他
※未就学児入場不可

公式サイト:https://murderfortwo.jp
公式X:@murder_JP_2025

宣伝:キョードーメディアス

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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