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『ガラパコスパコス〜進化してんのかしてないのか〜』開幕!「老い」と「進化」その先に描かれる滑稽で愛おしい人々の物語

REPORT

2023年9月10日(日)〜24日(日) まで世田谷パブリックシアターにて上演されているCOCOON PRODUCTION 2023『ガラパコスパコス〜進化してんのかしてないのか〜』。

作・演出を務めるのは、劇団はえぎわの主宰であり、脚本家、演出家、俳優として活躍するノゾエ征爾。本作は、世田谷区内の高齢者施設を十数箇所廻って生み出されたノゾエ征爾の代表作。「老い」と「進化」という一見正反対のふたつのベクトルを重ね、その先に描かれる滑稽で愛おしい人たちの物語。そんなノゾエ征爾の傑作が2023年版としてブラッシュアップして上演される。

日常の1コマから市井の人たちが織りなすパラレルドラマ。それは壮大なテーマへと向かっていく…。 主演の、派遣会社でピエロとして働く青年・太郎役には竜星涼。太郎の兄・晴郎役には 藤井隆。特別養護老人ホームから抜け出した老女・まっちゃんこと徳盛まちこ役は、高橋惠子が務める。共演には青柳翔、瀬戸さおり、芋生悠、駒木根隆介、山本圭祐、山口航太、中井千聖、柴田鷹雄、家納ジュンコ、山田真歩、菅原永二、そしてノゾエ征爾自身も出演と、バラエティに富んだ個性豊かな実力派キャストが結集した。 

舞台を覆うのは、なにも書かれていないまっさらな黒板。奥にはガレージがあり、シャッタ―が開き、次々と登場人物たちが飛び出していく。セットは小道具を使わず、黒板にチョークで文字を描いて表現される。

主演の派遣会社でピエロとして働く青年・太郎を演じるのは、様々な作品に出演し俳優としての躍進が光る竜星涼。長い手足を活かした演技で、冒頭のパントマイムシーンから観客の目を釘付けに。表情の演技も秀逸で、社会にうまく馴染めず鬱々とした生活を送る太郎の心情を見事に表現していた。

特別養護老人ホームから抜け出した老女・まっちゃんこと徳盛まちこ役は、女優として半世紀以上のキャリアを重ね、数々の受賞歴をもつ高橋惠子が演じる。ほとんどセリフもなく、虚ろな表情で舞台上に佇む高橋の姿は、認知症を患う80歳の老女そのものだった。

その他にも、青年を心配する兄夫婦を演じる藤井隆と山田真歩、太郎を気にかける仕事先の女性社員を演じる芋生悠、そして妙に絡んでくる仕事先の先輩社員を演じる青柳翔、兄の背後に常に付いて回っている兄の後輩を演じるノゾエ征爾。 老婆を探し回る家族を演じる家納ジュンコと中井千聖、特別養護老人ホームの職員を演じる山本圭祐と山口航太。青年の近隣に暮らすかつての同級生を演じる瀬戸さおりと担任を演じる菅原永二。そして言葉の通じない外国人の隣人を演じる駒木根隆介と、バラエティ豊かな登場人物の様々な人間模様が展開。

それぞれのドラマが絡み合い、物語は壮大なクライマックスへと向かっていく……。

本作は、9月24日(日)まで世田谷パブリックシアター にて上演され、その後、京都、岡山、新潟と巡演される。ぜひ、劇場で体感してみてほしい。

文:THEATER GIRL編集部
撮影:細野晋司

あらすじ

社会にうまく馴染めず、派遣のピエロの仕事でギリギリ生活をしている青年。しかしそんなピエロ業も、決してうまくはいっていない。
ある日、道端の老婆に手品で花束を渡すと、老婆はどこまでもついてきた。そして、青年の部屋にまで上がってきた。
すぐに老婆を帰そうとするも…、青年と老婆の不思議な共同生活が始まっていく。
青年を心配する兄夫婦、仕事先の女性社員。老婆は実は、特別養護老人ホームから抜け出したのだった。老婆を探し回る家族と、ホームの職員。青年の近隣に暮らすかつての同級生と担任。そして言葉の通じない外国人の隣人。人々はそれぞれに関わり、拒絶し、苦悶し、疲弊し、心身に疲労が積み重なっていく。我々は、少しでも先に進んでいるのだろうか?進んでいくとしたら、どんな姿に化けていくのか?
ただ一つ言えることは、化け者であることには違いない。そうして青年と老婆との頑なな共同生活は、当然のように、限界へと近づき…。

公演概要

COCOON PRODUCTION 2023 『ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~』

作・演出:ノゾエ征爾 

出演:
竜星涼 藤井隆 青柳翔 瀬戸さおり 芋生悠 
駒木根隆介 山本圭祐 山口航太 中井千聖 柴田鷹雄
ノゾエ征爾 家納ジュンコ 山田真歩 菅原永二 高橋惠子

企画・製作:Bunkamura

【東京公演】
2023年9月10日(日)〜24日(日) 
世田谷パブリックシアター

チケット料金:S席10,500円 A席9,000円(全席指定・税込)
※未就学児の入場はご遠慮いただいております。
チケット発売日:2023年8月6日(日)10:00〜
お問合せ:Bunkamura 03-3477-3244(10:00〜18:00) www.bunkamura.co.jp
主催:Bunkamura

【地方公演】
京都・岡山・新潟公演あり。

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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