鮎川太陽・新木宏典・井出卓也インタビュー『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride 2023- 「打ち上げ花火みたいに派手に終えたい」（前編）

2023.09.01

INTERVIEW

2023 年 9 月 3 日（日）に大阪城ホール、2023 年 9 月 7 日（木）～10 日（日）にぴあアリーナ MM にて、舞台『ヒプノシスマイク』の全ディビジョン集合ライブ『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride 2023-が開催されます。

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stageとは、キングレコード EVIL LINE RECORDSが手掛ける音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』（通称ヒプマイ）の舞台化作品です。

2019年11月に初演-track.1-を上演以降はメインストーリーを全8作品上演、2021年には初の全員集合ライブ-Battle of Pride-や、ディビジョン単独ライブ《Rep LIVE》シリーズを開催しています。本作-Battle of Pride 2023-は、いままでヒプステに登場した“全ディビジョン”が登場するライブ公演です。

THEATER GIRLは、シンジュク・ディビジョン“麻天狼”の鮎川太陽さん、新木宏典さん、井出卓也さんにインタビュー。前編では-Battle of Pride 2023-の見どころや本作でヒプステを卒業することへの思いをお聞きしました。

インタビュー後編はこちら

客席の奥まで届けられるように頑張らなければ

――『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride- は2度目の開催となりますが、開催が決まったときのお気持ちはいかがでしたか？

鮎川：毎年会いたいと思っていたので、約一年空きましたが、また会えることが嬉しいです。お客様の人数も通常のステージより多いですし、その分熱量も高くなると思っています。僕たちもそれを肌に感じて、たくさん汗をかいていけたらと思いますね。

新木：ディビジョンの数も増えていますし、全ディビジョンが集合してライブができることが、とても楽しみですし、今からワクワクしています。

井出：僕はアーティスト活動をしているので、今回のように大きな会場でライブができることが素直に嬉しいです。こういった会場を目指して、小さな箱からやっている人もいますし、こういった機会をいただけてすごくありがたいです。

――今回、大阪城ホールとぴあアリーナMMといった、キャパシティの大きな会場で開催されますが、楽しみにされていることはありますか？

井出：まず、ライブの仕方が全然違ってくると思うんです。ラップって、基本的にクラブだったり、小さな箱でやることが多いですし、後ろのお客様まで巻き込んで一緒に作り上げていく感覚なので。でも、今回のような大きな会場で全員をロックさせるって、相当なエネルギーが必要だと思うんです。今までのように、「手を挙げろ」みたいなことでは足りないと思うので、どれだけ自分のラップを奥まで届かせるか、そういう技術的なことも研究しなくては、というプレッシャーがあります。

鮎川：大阪城ホールは、ヒプステでは初めて立たせていただくのですごく光栄です。今まで応援してくれている方も、初めての方もいると思うので、どんなお客様にも楽しんでもらえるように、僕たちも一曲一曲に魂を込めてやっていけたらと思います。

新木：こういった大きな会場でできるのも、それだけたくさんの方がヒプステを楽しみにしてくれているからだと思います。それだけ楽しみにしてくれている方がいることがまず幸せですし、だからこそ皆さんに良い思い出を持ち帰ってもらえたらなと。たとえ席が遠くなってしまったとしても楽しんでいただけるように、精一杯、奥まで届けられるように頑張らなければというプレッシャーを感じています。

皆の仲が深まっている分、より一層、一体感が生まれるのでは

――本作では、今までヒプステに登場した全ディビジョンが集合しますが、どんなところが見どころになりそうでしょうか。

鮎川：『Battle of Pride』、プライドをかけたバトルですか。

井出：まずは“麻天狼”がどういうチームなのかを理解して、自分たちらしさとは何かということを認識することが大事なのかなと思いますね。今までは、自分たち一人一人のキャラを出す部分がありましたが、今度はチーム戦になるところが大きく違うと思うので。個人の戦いというよりは、チームのカラーをどれだけ出せるかが、今までとは違った見どころになると思います。

――他のディビジョンに対して、何か意識されていることはありますか？

新木：まずは自分たちのパフォーマンスブロックを精一杯作って、麻天狼としてのライブパートをより良いものにしていくにはどうすれば良いかというところまでいきたいです。その上で他のディビジョンに意識を向けることで、さらにもう一段階上げられるのかなと。まずは僕たちがやるべきことをやった上で、他のディビジョンも意識できるようにしていきたいなと思います。

鮎川：『Battle of Pride』ではありますが、他のディビジョンと一緒に歌う曲もあると思うんです。そう考えると、ちょっとしっとりとした曲もあるだろうし、みんなで楽しむ曲もあると思うので、他のディビジョンとバチバチするだけではないと思っています。そこは稽古の時にメリハリを意識したいですよね。もちろん他のディビジョンを意識する部分はありますが、前回の『Battle of Pride』よりも皆の仲が深まっている分、より一層、一体感が生まれるのではと思うので楽しみです。

――たしかに、全ディビジョンとの一体感も、より増したものになりそうですね。

鮎川：そうですね。全ディビジョンが揃ったメインビジュアルを見ても、今は全員のことがわかりますし、それだけいろんな人たちに関わってきたんだなと思いますね。

みんなと一緒に喜びを共有できるライブにしたい

――本作でヒプステを卒業されるということですが、今の思いはいかがでしょうか。

新木：もちろん、卒業すること自体は寂しいです。でも悲しいとか、寂しいとか、ネガティブなことを言ってどんよりした空気で終えたくもないんです。ただ、僕たちは一斉にゴールテープを切るので、それはとても気持ちの良いことだと思います。しんみりする感情は誰しもが持っているけど、そこに引っ張られずに、笑顔でちゃんとさよならをしたいですよね。そういった意味でも、みんなと一緒に最後まで笑顔でやり遂げたという証を、喜びを共有できるライブにできたらと思います。

鮎川：小学校・中学校・高校、そして大学もそうですけど、卒業って一つの過程を終えた証だと思うんです。そこで終わりという考え方もありますけど、だからこそ次に進める、新しいスタートが切れる訳じゃないですか。ヒプステで出会えたキャスト、スタッフさん、そしてお客様がいらっしゃって。僕達を知ってくれているからこそ、一緒に見納めができると思うので。この作品をみんなで一緒に盛り上げてもらって、今後も作品を愛してもらいつつ、役者一人一人も愛してもらえたらなと。その繋がりを大事にしていけたら良いですね。

井出：僕は割と最近入ったメンバーで、新参者なんですけど。でもヒプステにはtrack.1からの歴史があって、その中で、僕はみんなと一緒に走り切りたいと思っています。「自分は新参者なんで」という覚悟ではダメだと思うので。僕自身は皆と同じ時間を過ごせていなくても、独歩としては一緒に過ごしている時間があるので、その部分を背負いたいと思っています。ずっとやっている皆と、それをずっと観てきたお客様をしっかりと感じて、自分も一つのピースとしてそこに入っていけるように気持ちをぶつけていきたいです。それをどこで返せるかというと、挑む覚悟や熱量といった部分だと思うので、稽古や本番で、前向きな姿勢で臨んでいけたらと思います。