ソニンインタビュー　「ストイックに見られる一面も、実は人生を楽しくするための選択をしているだけなんです」（前編）

2023.04.11

INTERVIEW

2023年4月15日、ソニンさんの5年ぶりとなるファンミーティング「Sonim ”MILESTONE” Fan meeting~Talk & Live 2023~」が、JZ Brat SOUND OF TOKYOにて開催されます。

日本テレビ系土曜ドラマ「大病院占拠」のほか、6 月には 2019 年読売演劇大賞優秀作品賞を受賞したミュージカル「FACTORY GIRLS～私が描く物語～」への出演も決定しているソニンさん。また、4 月から放送の NHK ドラマ 10「育休刑事」にもレギュラー出演することが発表され、今後も幅広い活躍が期待されています。

今回のファンミーティングでは、ソニンさんのこれまでを秘蔵映像や思い出の写真と共に、歌とトークで振り返ります。今年3月10日に40歳を迎えられて、ますますパワーアップしていくソニンさんの“2度目の成人式”。昔からずっと応援していた方も、最近ファンになった方も楽しめる、温かい空間となるはずです。

今回THEATER GIRLでは、そんなソニンさんにインタビューを敢行。凛とした佇まいが印象的で、一つ一つの言葉を丁寧に選びながらお話しされていたソニンさん。前編では、ファンミーティングのお話、ミュージカル『FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜』についてなど、たっぷりと伺ってきました。

インタビュー後編はこちら

ちょっと大げさに言うなら「私のファンミーティングは“異業種交流会”に近い」

――5年ぶりのファンミーティングということで、ソニンさんはどんなことをファンの方に伝えたいですか？

成人式など、今まで人生の節目に仕事が重なってしまい、何もできなかったのが悲しいなと思っていました。そこで、今年3月に40歳を迎えたタイミングもあり、「何か記念になることをやりたい！」と、提案したことがファンミーティングの発端でした。

もともと自分の誕生日に何かしてもらいたいと思うタイプではないのですが、ハタチのときに何もできなかったのが、実はずっと心残りで。人生の中で、節目ってそんなに多くない。だからこそ何かやっておかないと、未来の私が悲しむと思ったんです。そこで周りの人に相談をして、それなら「ファンミーティングを開催しましょう！」という流れになりました。

ファンミーティングですから、もちろん「いつも応援ありがとう！」と皆さんに伝えたいのですが、これだけ長く活動していると、デビュー当時から応援してくれている方もいれば、舞台、映像、歌など、さまざまなジャンルのお仕事をしてきて、そのエリアごとで私を好きになってくださった方もいる。同じ空間にいろんなジャンルの方がいるのが、私のファンミーティングの面白いところだと思っています。

なので、今回だけではなく、どういうセットリストを組めばいいか、いつも悩んでいて。ミュージカル編、アーティスト編などで、ジャンルを分けて組んでいたときもあるのですが、意外とミックスしてみると「こういうのを歌っているソニンちゃん新鮮」とか、「ミュージカルの曲を初めて聞きました」といった声があって。ある意味、ファンの人がいろんなジャンルに出会うきっかけになったら、と思ったんです。私自身が、そのツールになれたら面白いな、と。

だから今回のファンミーティングでは、今まで私が歩んできた道、出会ってきたものを全て振り返りながら、そこに合った曲を歌っていきたいと思っています。今までさまざまなジャンルのお仕事をやってきたので、私の芸能人生を振り返ることで、その世界に触れられるのではないでしょうか。

――ソニンさんのこれまでを振り返りながら、いろんな顔のソニンさんを見られるんですね。

ずっと応援してくださっている方は見たことある顔ばかりかもしれませんが、もちろんそういった方には感謝の気持ちを伝えたいです！

一方で、最近映像を見てファンになってくださった方もいると思うので、そういう方にもミュージカルの曲を聞いてもらって、ミュージカルに興味を持って劇場にも来てもらえたらな、と。ミュージカルファンが増えるそういうきっかけにもなったら嬉しいです。逆に、ドラマを見ていなかった方が、配信で今から見てみようということもあるかもしれない。

そういうふうにいろんな人が行き交う交差点の中心に私がいる感覚ですかね？　ファン同士のコミュニケーションもそこで生まれると思うんですよ。

――ファンの方の交流の場でもあるんですね。

ちょっと大げさに言うなら、私のファンミーティングは“異業種交流会”に近いと思います（笑）。ファン同士の出会いの場でもあれば、私を通していろんな世界に触れられる場でもあると思います。

どうブラッシュアップしていくか、「クリエイター側の気持ちのほうが強いかも」

――なるほど。観る方によって、それぞれ違う発見がありそうですね。これからソニンさんが出演される舞台についてもお話を伺わせてください。6月からミュージカル『FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜』が始まりますね。こちらへの意気込みを聞かせてください。

2019年の初演のときから、「もし再演があったら、こういうところを改善したい」と思っていたことが自分の中にあったので、それをプロデューサーさんや脚本家さんとも話していました。なので、作品としてもっとブラッシュアップした状態でお届けできるのではないかと今からワクワクしています。

私が演じるハリエットに関しては「なるようになるだろう」という気持ちで、あまり深刻には考えていなくて。どちらかというと、この作品を今回の再演でどういうふうにブラッシュアップしていくか、クリエイター側の気持ちのほうが強いかもしれません。

――共演する柚希礼音さんとは、再演が決まってコミュニケーションは取られましたか？

「やっと決まったね！」と、連絡しましたね。いつか再演する、とはお互いずっと思っていたはず。ただ、けっこう年齢が若い役なので「あまりに（再演が）先になっちゃうと、私たちも歳を取っちゃうからちょっと困るよね」という話は以前からしていました（笑）。

――そうだったのですね。ハリエット役に再び挑戦することについて、心境はいかがでしょうか？

初演当時は、ハリエットを私が演じるのは意外だったと言われることが多くて。もともとミュージカル界の中では、強くてパワフルな役をやっているイメージが強かったみたいです。実際はいろんな役をやっているのでそんなこともないのですが（笑）、どちらかというと、柚希さんが演じるサラ役のほうが私のイメージに近かったのだと思います。

サラは直感で動くリーダーですが、ハリエットは全ての物事を理性的に選ぶ。頭も賢くて、“動”より“静”のタイプなんです。ハリエットを演じられたのは、役者の経験として光栄でしたね。初演のときは、今までのイメージが強かったからか「実は繊細な芝居もできるのね」と、いろんな方に知ってもらえた実感がありました。

すでに脚本家さんとも、作品全体としてどういう形にしたらいいのか、話し合ってはいるのですが、私自身は役に対して身を任せていければと。ハリエットは精神的リーダーでもあるので、柚希さんと一緒にカンパニー全体を引っ張っていけるよう頑張ります。