• HOME
  • topic
  • INTERVIEW
  • ソニンインタビュー 「ストイックに見られる一面も、実は人生を楽しくするための選択をしているだけなんです」(後編)

ソニンインタビュー 「ストイックに見られる一面も、実は人生を楽しくするための選択をしているだけなんです」(後編)

INTERVIEW

2023年4月15日、ソニンさんの5年ぶりとなるファンミーティング「Sonim ”MILESTONE” Fan meeting~Talk & Live 2023~」が、JZ Brat SOUND OF TOKYOにて開催されます。

日本テレビ系土曜ドラマ「大病院占拠」のほか、6 月には 2019 年読売演劇大賞優秀作品賞を受賞したミュージカル「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」への出演も決定しているソニンさん。また 、4 月から放送の NHK ドラマ 10「育休刑事」にもレギュラー出演することが発表され、今後も幅広い活躍が期待されています。

今回のファンミーティングでは、ソニンさんのこれまでを秘蔵映像や思い出の写真と共に、歌とトークで振り返ります。今年3月10日に40歳を迎えられて、ますますパワーアップしていくソニンさんの“2度目の成人式”。昔からずっと応援していた方も、最近ファンになった方も楽しめる、温かい空間となるはずです。

今回THEATER GIRLでは、そんなソニンさんにインタビューを敢行。凛とした佇まいが印象的で、一つ一つの言葉を丁寧に選びながらお話しされていたソニンさん。後編では、映像作品ならではの難しさ、40歳を迎えて率直なお気持ちなどを語っていただきましたので、お楽しみに。

インタビュー前編はこちら

映像作品は「常に自分との戦い」、舞台とはエネルギーが巡るパーツが違う

――前編では、ドラマ『大病院占拠』のお話も伺いました。舞台と映像では表現の方法が違ってくると思いますが、その難しさについてどう感じていらっしゃいますか?

役者が使う技術が全く違うので、舞台と映像はもはや違う職業だと思っています。いまだに映像作品に出ると「こういうふうに持っていったほうが、良かったかな?」と、シーンごとに反省することもけっこう多いんです。

でも、 連続ドラマは時間との勝負。本番後に「もっとこうしたほうがいいですか?」と聞いて、監督が「大丈夫」と言ったらそれはそれでおしまい。そう決めて次に行かないといけません。

舞台の場合は、本番が何度もあるので「今日はこれが正解!」みたいな感覚なんですよ。もし明日別のものが出たら、明日はそれが正解。

ですが、映像作品はやっぱり一発勝負なんです。カットが掛かってプレイバックでチェックして「あそこ、ああいうふうにしておいたほうが良かったかな?」とか、編集されたものを見て「そっか。こういうふうに見えるのか……」と、毎回反省していたように思います。

また、舞台は全体で稽古するので、どういう空気感で作られているか見えやすいのですが、映像は自分のシーン以外は様子が分からないので、バランスが掴みにくい。それも難しくて、常に自分との戦いでしたね。

――身体の使い方も、きっと全く違いますよね。

声の出し方、身体の力の入れ方、何から何まで違いますね。大声を出すとき、舞台だと全身を使って表現しようとするから、力を入れた踏ん張りが必要。でも、映像でそれをやると不自然ですよね? 日常でそんなふうに表現しないので。

身体が集中する箇所が違う、つまりエネルギーが巡っているパーツが違う、という感覚でしょうか。なるべく喉を使って、踏ん張らずに感情から声を出す。どこで力を抜いて、どういうポジションでいるのが自然か、かなり気をつけていましたね。

――たしかに、その加減が難しそうですね。

舞台俳優が映像作品に出るとそのフィルターは確実にあるはずです(笑)!

今回は特に専門用語が多くて、緊迫感を持った上でスピード感持って喋らなければいけなくて。舞台だと、滑舌良くハキハキ喋るのは得意ですが、その方法でやると舞台の喋り方、発声方法になってしまう。なるべく滑舌を甘くして、でもやりすぎると聞こえなかったり、噛んでしまったりするので、その加減が大事でした。

逆に、舞台での経験が役立ったこともあります。舞台のルーティンとして、朝に発声や口のエクササイズをやるんですよ。そうすると、朝早くに緊迫感のあるシーンでの長台詞があっても、ウォームアップできている状態で喋れる。その経験はとても活きているな、と思いました。

人生の後半戦を見据える年代に入り「これから私、どうしていくのだろう」

――3月に40歳を迎えられて、ファンミーティングもその節目というコンセプトがありますが、率直に40歳になってみてソニンさんはどんなお気持ちですか?

いやー、こんなに早く来るとは正直思わなかったですよ。実感は湧かないです。気持ちは常に20代ではありますけどね(笑)。

30代のときにそれはそれで感じることもいろいろあったけど、40歳はまたちょっと違う感覚かな? 人生の後半戦を見据える年代になってきたので、「これから私、どうしていくのだろう」という気持ちはあるかもしれません。

30歳になったときは、これから自分の人生を充実させるチャレンジが始まると思っていたので、「ここからだぞ、私の人生!」と、前のめりでしたね。でも40歳は、さて人生の後半戦をどうしていくか、みたいな。

基本的に、人生って思い通りには絶対進まないじゃないですか。30代の結果を今受けて、10年間分の反省をしている感じです。「じゃあ、これからどうするの?」って。

もちろん、年齢を重ねて落ち着いたところもありますが、基本的に元気だし、アクティブだし、そこはずっと変わらないかな(笑)?

自分を俯瞰すると、自家発電できる“エネルギッシュ”な人

――ソニンさんは『EE JUMP』としてデビューされて、その後、俳優になられて留学経験もあって、舞台でも映像でも現在活躍されていて、チャレンジし続ける姿に勇気をもらっている人も多いと思います。ご自身は、自分のことをどういうふうに俯瞰していらっしゃいますか?

どこを切り取ってお話するかにもよりますが、人として言うのであれば、エネルギーがある人間だと自分では思います。

実は知人が、特殊能力を持っている人に私のことを視てもらったらしいんですよ。私と仲が良いから「この人って、どういう人ですか?」といった感じで。そしたら、「自家発電できる人です」と言われたらしくて(笑)。もしエネルギーを吸い取られても、自分でバーンってチャージできちゃう、と。それを聞いて「確かに……!」と思いました。

よく「パワーの源は何ですか?」と聞かれることが多いのですが、そのたびに「うーん、なんだろう?」と考えていて。基本的には生まれ持った素質かもしれませんね。パワフル、力強いというフィジカル的なことだけではなく、“エネルギッシュ”。自分でもそう思います。

――プライベートも全力なのですか?

意外とぼーっとしていることも多いですよ。ただ、外に出たらアクティブです。「ソニンさんって電車乗るの?」とよく言われますが、すごく乗ります! 電車も乗るし、自転車にも乗るし、歩きまくりですよ!(笑)

――え、自転車にも?

時間貸しの自転車で、パーっと仕事場に行ったりしますね(笑)。身体を動かすと、やっぱり元気になれますから。ジムに運動しに行くのも同じで、面倒だと思うときもあるけれど、健康でいるためには運動と食事というベースは大切にしないといけないな、と。

常にストイックな姿勢も「楽しいほうに進むための選択をしているに過ぎない」

――「自分ではストイックなつもりがない」とおっしゃっているインタビューを拝見しました。周りからはストイックに見られる行動も、ご自身としては自然と心地良い選択をしているに過ぎない感覚なのでしょうか?

それをやったあとの気持ち良さだったり、心の快適さだったり、メンタルが整って心身共に元気になったり、風邪を引かなくなったり。そういうメリットが分かっているからだと思います。

楽しいほうがいいじゃないですか、人生って。なので、楽しいほうに進むための選択をしているに過ぎないのだと思います。やっぱり大なり小なり何かを獲得しようとすると、努力は必要だと思うんです。ちょっとしたものでも。

――代償は少なからず必要ですよね。

はい、そう思います。

面倒くさいからやめるのか、面倒くさいけどジムに行って運動するのか。迷ったときには、後者を選びます。面倒くさくても運動したら、ボディーシェイプできるだけではなく、心も元気になっている。そっちのほうが循環して、楽しい未来に転がっていくことが分かっているんですよ。だから、導入口はしんどくても「やるしかないでしょう!」ってなる。私からすると、実は単純なことなのです。それがもしかしたら、いろんなエネルギーのチャージに繋がっているのかもしれませんね。

取材・文:矢内あや
Photo:MANAMI

インタビュー前編はこちら

ファンミーティング概要

「Sonim ”MILESTONE” Fan meeting~Talk & Live 2023~」

出演者:ソニン (ギター:梶原健生/ピアノ:高山和芽)

開催日時:2023 年 4 月 15 日(土)
1st Open 13:00/Start 14:00
2nd Open 17:00/Start 18:00

会場:JZ Brat SOUND OF TOKYO

主催:アミューズ

チケット料金:全席指定 ¥8,000 (税込)

出演情報

ミュージカル『FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜』

作詞/作曲: クレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニー
脚本/歌詞/演出: 板垣恭一
出演: 柚希礼音 ソニン / 実咲凜音 清水くるみ ・ 平野 綾 / 水田航生 寺西拓人
松原凜子 谷口ゆうな 能條愛未 / 原田優一 ・ 戸井勝海 / 春風ひとみ 他

【東京公演】
2023 年 6 月5日(月)~6 月 13 日(火)
東京国際フォーラム ホール C

【福岡公演】
2023 年 6 月 24 日(土)・6 月 25 日(日)
キャナルシティ劇場

【大阪公演】
2023 年 6 月 29 日(木)~7 月 2 日(日)
COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホール

オフィシャル HP: http://musical-fg.com/
オフィシャル Twitter: @factorygirlsjp

企画・製作: アミューズ

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

プロフィール

PICK UP

関連記事一覧