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18年ぶりに蘇る音楽劇「クラウディア」Produced by 地球ゴージャス製作発表レポート!岸谷五朗「反戦というテーマを訴えるのにふさわしい作品」

REPORT

音楽劇「クラウディア」Produced by 地球ゴージャスが7月4日より東京建物 Brillia HALL、7月29日より森ノ宮ピロティホールにて上演される。

上演に先駆け5月19日に都内にて製作発表が行われ脚本・演出の岸谷五朗、キャストの大野拓朗、甲斐翔真、廣瀬友祐、小栗基裕、田村芽実、門山葉子、美弥るりか、上山竜治、中河内雅貴、平間壮一、新原泰佑、湖月わたるが登壇した会見の様子をお届けする。

本作は、岸谷五朗・寺脇康文が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」によって2004年に初演され、2005年には地球ゴージャス10周年記念の際にアンコール上演された。岸谷五朗の「反戦三部作」の第1作目で、桑田佳祐が書き下ろした「FRIENDS」ほか、サザンオールスターズの数々の楽曲で綴るジュークボックスミュージカル。約12万人の観客を動員した伝説の作品、そして再演を熱望する声が多かった本作が、18年振りに復活する。

会見では脚本・演出を手掛ける岸谷がMCを務め「『クラウディア』は、『地球ゴージャス』の反戦3部作の1作目として描き下ろしました。初演は2004年で、日生劇場でクラウディア役を本田美奈子さんが演じてくれました。天使になった本田さんの演劇生活最後の作品です。そのあと2005年の地球ゴージャス10周年記念の際にアンコール公演として上演しました。この作品が18年ぶりに復活します」と紹介。

『地球ゴージャス』初出演となる大野は「念願の初(岸谷)五朗さんです。本当に嬉しいです。台本を読んで、”未来の話×時代劇”なので難しい日本語が多いですが、読み込んでいくうちに、改めて日本語の持つ美しさやきれいさに感動しました。あと、台本を読んだ時にシェイクスピアを思い浮かべまして、五朗さんは和製シェイクスピアなのかなと思いました!」と絶賛すると、岸谷は「岸谷の脚本はシェイクスピアを超えたと書いてください(笑)」と会場を笑わせる。

同じく『地球ゴージャス』初参加となる甲斐は「『The Love Bugs(’16)』の稽古場に遊びに行かせていただいたことがあって。その時に稽古場でマット運動をやる劇団なんだなと思いました(笑)。その時からいつか出演したいなと思っていたので、地球ゴージャスに出演できることが決まったときに五朗さんと寺脇さんがいないことを知って少し残念でした」と語った。

ミュージカル『フラッシュダンス(’20)』で共演した際に岸谷と意気投合し、キャスティングされたという廣瀬は「初演で五朗さんが演じていた毘子蔵(ヒコゾウ)役をやらせていただくので、プレッシャーでもあるんですけれども、今は楽しみの方が強いです。毘子蔵に僕自身の血を通わせて演じられたら」とアピール。岸谷は「いつもかっこいい役ばっかやっているから、こいつにめちゃくちゃ面白い役をやらせたいと思って、たどり着いたのがこの役です」と裏話が披露された。

普段ダンスや振り付けをメインに活動している小栗は「自分がここにいるのは不思議というか、歌って俺がいるなって(笑)。毎日期待と不安と喜びが秒単位でせめぎ合ってくるので、この数日ギリギリで過ごしていて、『生きてるな』て感じています。とても楽しい日々です」と笑顔を見せます。岸谷は「稽古場で小栗の演技に対する伸びがすごいです」と絶賛。

本田美奈子さんに対しての思い入れがあるという田村は「私の事務所の大先輩でもあり、幼い頃からずっと大好きで尊敬する本田美奈子さんが生前1番最後に演じられていた役なので、お話をいただいた時は嬉しいとかそういった次元ではない、私でいいのかなという気持ちと、これは生半可な気持ちでは絶対できないなという気持ちです。私はいつも一緒に美奈子さんが自分の中で歌ってくれているって気持ちで毎日頑張っているので、1公演、1公演命懸けで精一杯生きたいと思います」と熱い思いを語った。

歌唱披露で歌ったFRIENDSは本編ではクラウディアのソロ歌唱という説明を受けて門山は「本編だったら絶対一緒に歌えないみなさんと歌えて、とても楽しかったです。この歌は、岸谷さんが『クラウディア』に込めた、伝えたい思いがこの曲に詰まっていることを改めて感じました。今だからこそ、この『クラウディア』に込められたメッセージをみなさんに伝えられるように、歌いたいなと決意を新たにしました」と力強くコメント。

男性からも一目置かれる存在の織愛役を演じる美弥は「日本人女性の中では剣を振った回数は多い方だと思うのでそれを活かして、初日までに役を作り上げて織愛という人物を表現できれば」と自身の役作りについて意気込んだ。

『地球ゴージャス』初出演の上山は「みんな五朗さんに引き込まれて、五朗さんを愛するキャスト・スタッフが集まって、作品が作られていくんだなと実感しています。ご一緒できて幸せです。ヤンは暴れん坊将軍なので、愛という概念がなくなっても、従順に戦い続ける愚かさや儚さを伝えられたらなと」と伝えた。

岸谷に本読みの段階で存在感が際立っていると紹介された中河内は「本読みを150%でやるって自分に課して稽古に挑んでいるんすけど、声を出しすぎて喉がガラガラになっています(笑)。まず自分が思うヤンを本読みの段階で提示したいので、思いっきりやっている最中です。こんなにも素敵でゴージャスなキャストばかりで、それを束ねる五朗さんのリーダーシップも素晴らしくて。最初にお会いした時から熱い方だ知っていましたけれども、熱さに魂がのっかって、存在感と熱さがパネェ!」と岸谷を大絶賛。

『地球ゴージャス』3回目の出演で、初めて出演した10代の頃は「僕はダンスしかやりません、お芝居なんかやりません」、今は「芝居やりてぇー」と言っていることを暴露された平間は「最初にお話をいただいた時に、寺脇さんと五朗さんがいない公演が初めてで驚きました。お二人がいないゴージャスってどうなるんだろうなって思いますが、ちょっとでもゴージャスの雰囲気を出せるように頑張ります」と気合を言葉にした。

今回最年少の新原は「この役はすごく体を動かす役だと聞いたので、自分がずっとやってきたダンスを活かせるんじゃないかなと思って。この役をどうしても勝ち取りたくて、歌やダンスの動画を五朗さんに送り、オーディションで勝ち取りました。稽古場も豪華すぎる大先輩達の中で、本読みで(Wキャストの)壮一さんが龍の子を演じているのを見て、すごいパワーを感じました。壮一さんにしかできない龍の子だなと感じたので、僕も僕にしかできない龍の子を作り上げられたら」と宣言。

初演を劇場で観劇していたという湖月は「初めて『地球ゴージャス』の作品を観せて頂いたのが『クラウディア』だったんです。ものすごい衝撃と感動を受けました。18年という時を経て、この作品に出演させて頂けること、本当にありがとうございます。この作品の魅力を語らせて頂いてもよろしいでしょうか? まず音楽の力と、五朗さんのこの作品に込められている熱くて深い思いで、エネルギーが満ち溢れた作品。その中でも、本気の芝居をしているみなさんの中に現れるお笑い。岸谷さんと寺脇さんの掛け合いがお腹を抱えて笑ってしまうんですけど、そのDNAを引き継ぎついで、稽古場の段階でみなさん面白くて(笑)」と今回も爆笑シーンが控えていることをアピール。

今回『地球ゴージャス』作品に初めて参加しないことに対して岸谷は「本当は出たいんですが、寺脇さんも『クラウディア』を上演すると聞いてうずうずしているんですけれども。劇中の最後に、愛することを知った2人がファーストキスをするんですけど、寺脇さんは還暦になったので……。ちょっと還暦のファーストキスは見たくないので(笑)。頼むから出ないでくれってお願いして、寺脇さんも出ないのに私が出るわけにはいかないので、すべて若者に託しました」とぶっちゃけ、会場が笑いに包まれた。

最後に岸谷が「『地球ゴージャス』が再演しないのは、その年にしかできないことをしようと思っていて。その年代ごとに自分の作品が並んだら、それは俺の生きてきた年表だと思っているんです。そんな中で、2022年に『クラウディア』を再演するときに18年後に、まさかこんな世界情勢になっていると思ってなくて。決してタイムリーになってはいけないテーマです。キャストのみんなにも言いましたが演劇は非力です。でも、反戦というテーマを訴える、2022年にふさわしい作品なんだということが、みんなの心と一致していて。これから死にものぐるいで稽古をしてくれると思うので、演出家としては既に楽しみで、幸せです」と締めた。

歌唱披露

「Oh! クラウディア」(大野、甲斐、廣瀬、小栗)
「FRIENDS」(全員)
「FRIENDS」(全員)

文・撮影:渡辺美知子

公演概要

音楽劇「クラウディア」Produced by 地球ゴージャス

【東京公演】2022年7月4日(月)~24日(日)東京建物 Brillia HALL
【大阪公演】2022年7月29日(金)~31日(日)森ノ宮ピロティホール

脚本・演出:岸谷五朗
主題歌:サザンオールスターズ「FRIENDS」
楽曲協力:タイシタレーベル / ビクターエンタテインメント
衣裳:山本寛斎事務所
ヘアメイク:冨沢ノボル
振付:原田 薫 大村俊介(SHUN)  藤林美沙
殺陣:島口哲朗(剱伎衆かむゐ)

出演:
大野拓朗/甲斐翔真(Wキャスト) 廣瀬友祐/小栗基裕(Wキャスト) 田村芽実/門山葉子(Wキャスト)
美弥るりか 上山竜治/中河内雅貴(Wキャスト) 平間壮一/新原泰佑(Wキャスト) 湖月わたる 他

企画・制作:アミューズ
公式サイト:https://www.claudia2022.com/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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