神山智洋(ジャニーズWEST)主演。パルコ・プロデュース2022『幽霊はここにいる』開幕！「本番が始まってもアップデートし続けていきたいと思います」

2022.12.08

REPORT

2022年12月8日より東京・PARCO 劇場にて、パルコ・プロデュース 2022『幽霊はここにいる』が開幕した。

昭和を代表する作家・劇作家・安部公房の傑作戯曲『幽霊はここにいる』。「前衛的」「ナンセンス」といった言葉で表現される安部公房らしさに満ちた喜劇的作品であり、コーラスなど音楽的要素も効果的に取り入れた祝祭感やエンターテインメント要素の強い作品でもある。この作品に、PARCO 劇場初登場となる文学座の若手演出家・稲葉賀恵が挑む。

本作の主人公で、幽霊を連れており会話ができるという謎の男・深川啓介を演じるのは、PARCO 劇場初登場となるジャニーズ WEST の神山智洋。そして、主人公・深川を取り巻く登場人物たちには八嶋智人、木村了、秋田汐梨、田村たがめ、堀部圭亮、真那胡敬二、福本伸一、伊達暁、まりゑといった個性豊かなキャスト陣が顔を揃えた。

今回は、主演の神山智洋、共演の八嶋智人、木村了、演出の稲葉賀恵が登壇した取材会の様子と舞台写真をお届けする。

取材会レポート

初日を迎えるにあたって主演の神山は「いよいよ明日から幕を開けますが、稽古中は非常に楽しくて和気藹々としていて、その中でも八嶋さんがムードメーカーとなってくれて安心感がありました。タイトな傾古スケジュールの中、みんなで一丸となって作り上げてきたので、本番が始まってもアップデートし続けていきたいと思います。大阪の大千穐楽まで誰一人かけることなく、走り抜けられたら」と意気込みを語った。

現場のムードメーカーになっているという八嶋は「最後まで演劇が上演できることが奇跡のようなご時世の中で、気を付けてやっていかなければという思いもありますし、60年以上前に書かれたこの刺激的な作品を、現代の皆さんにバトンタッチしていけたら。演出の稲葉さんのイメージをより具体的にするために探求を重ねている良い座組ですので、そのエネルギーを皆さんに受け取ってもらえたら」と述べた。

木村は「60年前に安部公房さんが書かれた戯曲ですが、全く古臭くない作品になっていると思います。『幽霊はここにいる』と聞くと、ホラーだと思う方もいらっしゃると思いますが、純粋に楽しめる作品なので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたら」と意気込んだ。

演出の稲葉は「楽師やスタッフの方も含めて、大勢の方々と一丸となって作ってきました。キャストの皆さんが舞台上で輝いているのを見て、本当に早くお客様に観ていただきたいなという気持ちです。これまで稽古を重ねてきて本番がすごく楽しみだし、ここから成長していけるように、日々健康に気を付けてやっていきたいです」と初日に向けて意気込みを寄せた。

今回、主演を務める神山の印象について演出の稲葉は「神山さんは、本当に芯が強くて正直。舞台上で嘘がなく、素直な声でセリフが聞こえてくるんです。スペシャルな声をお持ちの方」と絶賛した。八嶋から「化粧水ボイスですから」の声が。

ファンの方からそう呼ばれていることについて神山は「なんかスーッと染みわたるみたいです」と自ら語り、会場は和やかな空気に。

さらに稲葉は「本当に熱い方だなと。ものすごく覚悟を持って前に立ってくださるのでとても助けられました。戦友のような気持ちです」と改めて神山の印象を述べた。

その言葉を受けて神山は「全くその通りだと思います（笑）」と認める茶目っ気さを見せ、「もちろん主演としての覚悟は持たないといけないと思ってますし、深川という役がこの芝居の中で唯一幽霊が見えるという立ち位置なので、キャストはもちろん、観に来てくださるお客様にも幽霊の存在を認識してもらわないといけないので、幽霊がそこにいることを常にイメージしながらやっています」と語った。

さらに「やっぱり演劇って面白いなと毎年やらせてもらって思います。今回の『幽霊はここにいる』もそうですが、僕自身を含め、観に来てくださる方たちも戦争を知らない方がほとんどだと思うんです。そういう方たちにも、過去に日本でこういうことがあって、その命の上に僕たちには立たせてもらっているんだと、この舞台で感じてもらえたら」と真摯に述べた。

本作にかけて、幽霊だとしても会いたい人はいるかという問いに神山は「ジャニーさんですね。ジャニーさんは偉大な方だし、僕自身を見つけてデビューさせてくださったので。今、こうやって色々なお仕事をさせてもらえるのもジャニーさんがいたからだと思いますし、芸能界の父だと思っています。僕も含め、ジャニーズWESTの活動をきっとどこかで見てくれていると思います」とジャニーさんへ思いを馳せた。

八嶋は「僕はおしゃべりだから、コミュニケートしたいです。亡くなった方とは会話ができないので。ポルタ―ガイストみたいな感じで急に照明が割れたりしてもいいですし。歳を重ねていくと、怖いというよりも『誰かいるのかな』と嬉しい気持ちになるんです」と、木村は「僕も20年ぐらいこのお仕事をさせていただいてますが、ジャニーさんには一度も会ったことがなかったので、会ってみたかったですね。日本のエンターテイメントを作った方ですし、この先の展望なども聞いてみたかったです」とそれぞれの思いを語った。