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望海風斗・平原綾香・井上芳雄・甲斐翔真ら出演。『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』プレビュー開幕初日囲み取材レポート!

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2023年6月24日(土)より、東京 ・帝国劇場にて『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』プレビュー公演が開幕した。

このたび、バズ・ラーマン監督による名作映画が、装いも新たに舞台へと蘇る。舞台は1899年、パリ。激しい恋に落ちたアメリカ人作家・クリスチャンと、ナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」の花形スター・サティーンの物語を描く。二人は「ムーラン・ルージュ」で出会い、互いに惹かれ合うが、クラブのオーナー兼興行主のハロルド・ジドラーの手引きで、彼女のパトロンとなった裕福な貴族デューク(モンロス公爵)が二人を引き裂こうとする。クリスチャンは、才能に溢れたその日暮らしの画家トゥールーズ=ロートレックやパリ随一のタンゴダンサーであるサンティアゴとともに、華やかなミュージカルショーを舞台にかけ、ムーラン・ルージュを窮地から救い、サティーンの心をつかもうとする……。

本作は、19世紀にオペレッタを創始したオッフェンバックから、ローリング・ストーンズ、エルトン・ジョンやマドンナをはじめとする20世紀に大流行したメガヒット曲、21世紀が生んだ最高の歌手レディー・ガガまで、160年以上にわたるポピュラーミュージック約70曲が散りばめられた、NYブロードウェイが誇る絢爛豪華なマッシュ・アップ・ミュージカル。

今回は、プレビュー公演初日を前に行われた囲み取材の様子をレポート。サティーン役の望海風斗、平原綾香、クリスチャン役の井上芳雄、甲斐翔真、ハロルド・ジドラー役の橋本さとし、松村雄基、デューク役の伊礼彼方、Kのほか、サプライズゲストとしてバズ・ラーマン監督が登場した。

それぞれの役の衣装を纏って現れたキャストら。きらびやかな舞台セットをバックに、囲み取材は帝国劇場2階客席内で行われた。

この場所で取材を受けるのは初めてだという井上は「こんなに上から囲まれることはないので圧を感じる」と笑いながらも、「セットを見てもらえるので、良い形だなと思います」とコメント。

いよいよ初日プレビュー公演を目前にして、望海は「稽古の早い段階から、この素晴らしい世界観に皆さんを早くお連れしたい気持ちがありました。いよいよその日が来るんだと思うと楽しみ。皆さんの反応と空気感によって変わっていくと思いますので、プレビュー公演でいろいろと試しながら、皆さんと一緒に作り上げていきたいです」と期待感をあらわにした。

平原は「出演できるのがとても幸せで、演じていても歌っていても毎日感動しながら稽古をしてきました。冒頭でクリスチャンが『これは愛の物語だ』と言う台詞があります。人を愛すること、そして相手に気持ちを伝えることの素晴らしさ。この作品を観たあとは『愛している』という言葉がきっと皆さんの心に残るのではないかと思います」と言葉に力を込めた。

井上は「とにかくスケールが大きいです。以前から企画はあったと思いますが、コロナ禍という大変な状況を挟んで実現できたことに喜びを感じています。海外スタッフも帝劇に集って今日という日を一緒に目指してきたので、こうやって初日を無事に迎えられていることに感無量です。(客席は)欧米とはまた違う反応だとは思いますが、日本人がやる『ムーラン・ルージュ』を僕たちが2ヶ月間かけて作ってきたので、それをぶつけるだけです」と気合い十分。

本作は、観客の声出しを歓迎するそう。作品冒頭から登場し、劇場を盛り上げる橋本は「大開放で一緒に盛り上がれる作品です!」と自信たっぷり。井上が「ジドラー役のさとしさん(橋本)と雄基さん(松村)が出てくる瞬間、拍手と歓声がないと本人たちもやる気が削がれますよね(笑)。どんな感じで出てくるんでしたっけ?」と振ると、橋本が「皆さん、お待たせしました。みんな大好き、ハロルド・ジドラー! 僕でーす!」と、声高らかに冒頭のシーンを再現。すかさず井上が「(これで歓声がないと)あまりにも辛いですよね(笑)。(お客さまには)少なくともそこだけでも頑張っていただきたい」と観客に向けてメッセージ。

井上とともにWキャストでクリスチャンを演じる甲斐は「ゲネプロを拝見したときに、泣けてしまったんです。この『ムーラン・ルージュ』の世界が、日本にやってきたんだ、と。これが日本の観客の皆さんに届くんだ、届けられる場所ができたんだというのが、自分の中では鳥肌モノで初日が待ちきれないですね」と感慨深げに話した。

望海と平原は、学生時代に同じバレエ教室に通っていた旧知の仲だという。今回Wキャストとして再会する二人の巡り合わせについて、平原は「高校生のときから、一緒にレオタードで踊っていました。再会してもレオタードで、こんなあらわな姿を見せる日が来るとは思っていなかったです」と笑顔を見せた。

今回、衣装はキャスト全員オーダーメイドで作られているそう。サティーンの衣装について、望海は「宝塚を卒業してこの格好で舞台に出るというのが、特にファンの方の心を思うと心配です」と話すと、井上が「お父さんもちょっと気にしているんだよね?」と投げかけ、望海は「父は2階席じゃないと観られないと言っていました。息子が娘になったような感覚なのかもしれないです」と照れ笑い。

Wキャストでの出演は初めてだという松村が「“バディー”である橋本さんに助けてもらいました。(橋本に対して)憧れと尊敬を持って、この舞台を務めさせてもらっています」と話す一方で、共演者からは橋本と松村の性格が真逆だというツッコミが入る。それに対し、橋本は「この作品は立ち位置がすごく厳密なんですね。僕は数字に弱いのでどこか分からなくなってしまうのですが、松村さんがばっちり稽古中から完璧な状態で仕上げてくださいました」と話し、松村も「ジドラーは華やかでおおらかで、とてもユーモアのある人。さとしさんのキャラクターそのままなので見習っているんです」と褒め合った。

舞台出演が2度目となるKは、Wキャストである伊礼に立ち方や喋り方などを教えてもらったという。そんなKに対して、伊礼は「耳が良いし、声が良い。でもね、この人ずるいんですよ。稽古で先に僕にやらせて、僕のお芝居をすぐに盗んで、ちょっとアレンジして自分のものにするんです。いやらしいところありますよ(笑)」と冗談っぽく言うと、Kは「お芝居が2度目で何を見て勉強すればいいのか分からない中で、伊礼さんはとてもお手本になりました。お互いに濃い会話を交わせて、ご一緒させてもらえたのが伊礼さんでとても良かった」と感謝を伝えながらも、「今日のプレビュー公演で、またしっかり盗みたいです」と、にやり顔。

また、先日行われたミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』の製作発表会にて、主演の堂本光一が「『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』に予算を取られすぎて、こちらに回って来ないのではないか」とコメントしていた件について聞かれ、井上は「そうは言っても、初めての翻訳物のミュージカルに光一くんが出るのは大きなトピックなので、しっかりと予算は抑えられていると思います」と答えた。

その一方で、「ただこの『ムーラン・ルージュ』、本当に心配になるくらいお金がかかっていて、僕も20年以上帝劇に出ているのですが、こんな気合いの入り方を見たことがない。もちろんいつも精一杯やってもらっていますが、今回は総力を結集してというか、決死の覚悟というか、何があったんだろうと思うくらい(笑)」と、井上も驚きを隠せない様子。さらに、チケット代が高いと話題になっている件にも触れ、「でも劇場の中に入ると、『これはもうかかって当然だな』と。それでも賄えるのかなと思うくらい、豪華です。世界中で本作はやっていますけれど、それでも日本が一番チケット代を抑えているらしいんですよ。もし世界のどこかで観たいと思ったら、日本で観るのが得です」とアピール。

伊礼も「Only Girl In A Material World」という楽曲で、「演出家と振付家が、そのシーンのたびに『90秒しか着ないサティーンの衣装がどれだけ高いか』を熱弁するんですよ。この作品で一番かかっているんです」と明かし、平原も「言えないぐらい値段が高い」と頷いた。

会見終盤には、サプライズゲストとしてバズ・ラーマン監督が登場。記者から昨日行われたゲネプロの感想について聞かれ、「日本語は分からないけれど、素晴らしかったです。最後の悲劇的な場面は、おそらく私が観た中でも一番感動した舞台でした」と賞賛を送ると、キャストからは嬉しさと驚きが滲んだ声が漏れていた。

初日プレビュー公演には、特別なスーツを着て観に行くと意気込んだバズ・ラーマン監督。日本で楽しみにしていることについて「今回の公演は、非常に有名なアーティストたちが訳詞をしてくださいました。特に、日本のアイコンとして有名な松任谷由実さんも訳詞に参加してくださり、月曜日に彼女とお会いするのでとても楽しみです」と語り、「(昨日のゲネプロでは)日本語でもまるで英語を聞いているような感覚にとらわれていました。やっぱりそれは真実というものがあるからです」と述べ、会見は締めくくられた。

終始一貫して、笑顔に包まれていた会見。キャスト同士のユーモアを交えた掛け合いからも、カンパニーの仲の良い雰囲気が伺えた。本作は劇場に入った瞬間から、ナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」の世界に入り込める仕掛けが散りばめられている。絢爛豪華な『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』、これから始まる約2ヶ月間のステージに期待が募る。

文・撮影:矢内あや

公演概要

『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』

2023年6月29日(木)~8月31日(木)
プレビュー公演:2023年6月24日(土)~6月28日(水)
帝国劇場

キャスト:<各役50音順>
サティーン:望海風斗/平原綾香
クリスチャン:井上芳雄/甲斐翔真
ハロルド・ジドラー:橋本さとし/松村雄基
トゥールーズ=ロートレック:上野哲也/上川一哉
デューク(モンロス公爵):伊礼彼方/K
サンティアゴ:中井智彦/中河内雅貴
ニニ:加賀 楓/藤森蓮華

ラ・ショコラ:菅谷真理恵/鈴木瑛美子
アラビア:磯部杏莉/MARIA-E
ベイビードール:大音智海/シュート・チェン

アンサンブル(E)/スウィング(S) (五十音順表記)
ICHI(E)/乾直樹(E)/加島 茜(E)/加藤さや香(E)/加藤翔多郎(E)/酒井 航(E)/篠本りの(S)/杉原由梨乃(E)/仙名立宗(E)
高橋伊久磨(E)/田川景一(E)/田口恵那(E)/茶谷健太(S)/富田亜希(E)/平井琴望(E)/堀田健斗(S)/三岳慎之助(E)
宮河愛一郎(ダンスキャプテン E)/米島史子(S)/ロビンソン春輝(S)/和田真依(S)

<訳詞提供アーティスト(50音順)>
いしわたり淳治、UA、岡嶋かな多、オカモトショウ(OKAMOTO‘S)、栗原暁(Jazzin’park) 、
KREVA、サーヤ(ラランド)、ジェーン・スー、Jean-Ken Johnny (MAN WITH A MISSION)、
Daoko、TAX(MONKEY MAJIK)、浪岡真太郎(Penthouse)、ヒャダイン、松尾潔、松任谷由
実、宮本亞門、Mayu Wakisaka

公式HP:https://www.tohostage.com/moulinmusical_japan/
公式Twitter:https://twitter.com/MoulinMusicalJP
公式Instagram:https://www.instagram.com/moulinmusicaljp/

THEATER GIRL編集部

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