石丸幹二、朝月希和、太田基裕出演。音楽劇「ライムライト」公開稽古レポート!
2024年8月3日(土)より日比谷・シアタークリエにて、音楽劇「ライムライト」が上演される。
舞台人の儚い宿命と、残酷なまでに美しい愛の物語を、ノスタルジックに描いた映画『ライムライト』。この不朽の名作を「チャップリン映画の”マイ・ベストワン”」と語る石丸幹二が、老芸人・カルヴェロ役に三度目の出演。そしてカルヴェロを献身的に支えるヒロインのバレリーナ・テリー役に朝月希和・ネヴィル役に太田基裕という実力派キャストが新風を吹き込む。
アカデミー作曲賞を受賞した名曲「テリーのテーマ」 (“エターナリー”)にのせて、再び感動の幕が上がる。
この度、稽古場にて公開稽古が開催され、第二幕の冒頭シーンが公開された。今回は、公開稽古後に実施された、石丸幹二・朝月希和・太田基裕が登壇した囲み取材の様子をお届けする。
それぞれ演じる役柄について石丸は、「私が、演じるカルヴェロは、一昔前に大成功してトップだった人が、時代の流れによって取り残されて落ちぶれてぶれてしまった。頂点からどん底に落ち、上に這い上がろうともがいている男です。 そして同じアパートに住んでいるテリーに出会って運命が変わりました」と
朝月は「 私が演じるテリーは、物語の冒頭では人生に絶望して自ら命を絶とうとしますが、石丸さん演じるカルヴェロに命を救っていただいて、生きる意味や活力、愛などたくさんのものを与えていただき、再び舞台に戻ることができるバレリーナの役です」と
太田は「僕は若き作曲家のネヴィルを演じています。 朝月さん演じるテリーに救われた過去があり、再会を果たし恋し続けるというキラキラした役でございます」と、それぞれの役柄について語った。
2015、2019年とカルヴェロを演じてきた石丸、この9年ほどの間で作品に対する考え方や自身の変化などがあったかという問いには、「約9年前は、この作品を演劇としてお客様の前で上演することが世界初だったため、いろいろなことがありました。チャップリンさんのご遺族の方が、早々は許可しないことなのですが、日本のチャップリン協会の代表の方が熱い思いをもって足しげく通ってくださったお陰で理解をしていただき、日本で、世界初演という形でこの作品を上演することが叶いました。
チャップリンさんは、トレードマークとなっているちょび髭を生やして、ステッキを持ってという印象が非常に強かったのですが、この作品を改めて観るとチャップリンさんが演劇人として残したいメッセージがたくさん書き記されていることに気づきました。それを後世に伝えるのが私たちの役目なんじゃないかなと。 そんな思いを持って9年前に上演したのを思い出します。そして、この作品は一度上演して終わりではなく、ことあるたびに再演ができたらと思っており、2019年、2024年と再演することができました。
初演から9年が経って、私もチャップリンがこの役を演じた60代にだんだんと近づいてきて、チャップリンさんが言い残したかったことがより理解できてきたような気がしています。 今回三度目ですが、朝月さんや太田くんと共に刺激をもらいながら、以前とは違う表現できるのではと。前回を超えていこうという思いで、今おります」と本作への思いが語られた。
今回は、テリー役を朝月希和、ネヴィル役を太田基裕が演じるが、それぞれの印象についても石丸から語られた。
朝月の印象については「タカラヅカ・スカイ・ステージで彼女の舞台姿を拝見しておりまして、とても踊りに秀でていて、色々なキャラクターを演じ分けることができる彼女に出会えるんだと、ワクワクした気持ちで稽古初日を迎えたのを覚えています。 そしてトゥシューズで踊り始めた時に本当に上手くて、プリマバレリーナそのものだなとびっくりしました」と語り
朝月も「こうしてテリー役として出演できることが大変光栄で嬉しく身の引き締まる思いです。 実際にお稽古が始まると、石丸さんはもちろん、他のキャストの皆様も本当に素晴らしく、もがきながらも飛び込んでいける、そのような稽古場を皆様が作ってくださっているので、毎日必死に体当たりするようにお稽古をさせていただいております」と本作への思いを語った。
ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』以来、約8年ぶりの共演となる太田については「本当に変わらないんですよ。『スカーレット・ピンパーネル』の時はピンパーネル団の一員だったんですけど、今回、個の太田くんとご一緒することになって、 彼はこういう人だったんだなと肌身に感じています。とってもチャーミングだし、今までのネヴィルとは全然違うキャラクターで、ご自身の中のものが役にうまく乗っかって、『こういう力を持っているんだ』と改めて思って実感しているところです」と印象を述べた。
太田も「幹二さん演じるカルヴェロを見ていて、幹二さんそのもののような感覚があります。勝手ながら一生カルヴェロをやってほしいなと思ってしまうくらい、そこに存在している説得力がすごくあります。こういうあたたかい現場で共演させていただけて感謝の気持ちでいっぱいです。他の役者の皆さんも余白と余韻を楽しんでいる方ばかりで、俳優としての緊張感を持ちながらも、その空気やシーンを楽しんで演じているのが伝わってくるので、非常に勉強になります」と本作へ参加する思いを語った。
最後に、本作を楽しみにしている方々へ向けてメッセージが語られた。
太田は「本当に素敵なキャスト、スタッフの皆さん、そして劇場でお客様と一緒に作り上げていく素敵な空間になると思います。 稽古を最後まで頑張って、素敵な『ライムライト』をお見せできるように頑張っていきたいです。劇場でお待ちしております」と
朝月は「この作品はとても心に響くメッセージがたくさん詰まっていて、観終わった後に、 悲しみ、切なさ、温かさ、希望と、いろんな思いが湧き上がってくると思います。それを皆様にお届けできるように頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします」と
石丸は「開幕まで二週間ほどとのことで、もう少し稽古したいという思いがありますが、そのくらい色々な可能性を秘めた作品になっております。ここから二週間どんなことが起こって、お客様の前でどんな姿をお届けできるのか、それを私も楽しみにしております。演出の荻田さんがかなりタッチを入れていますので、前回とはまた一味違った部分も楽しみにしてくださればと。初めてご覧になる方は、これぞチャップリンが残したかった作品だと、言葉だと、それを受け取っていただけるよう、私たちも精進してまいりますのでよろしくお願いいたします」と意気込みが語られ、取材会は終了した。
文・撮影:THEATER GIRL編集部
公演概要
音楽劇「ライムライト」
2024年8月3日(土)~2024年8月18日(日)
シアタークリエ
スタッフ:
原作・音楽:チャールズ・チャップリン
上演台本:大野裕之
音楽・編曲:荻野清子
演出:荻田浩一
出演:
石丸幹二 / 朝月希和 / 太田基裕 / 植本純米 / 吉野圭吾 / 保坂知寿 / 中川賢 / 舞城のどか
ヴァイオリン:岸 倫仔リード:坂川 諄 アコーディオン:佐藤史朗 ピアノ:荻野清子