加藤和樹インタビュー ミュージカル『BARNUM』「今だからこそ、この作品の良さが強く届く」(前編)
INTERVIEW
――ご自身も触れていらしたように、バーナムというと映画『グレイテスト・ショーマン』を真っ先にイメージする人が多いように思います。それとは異なる、このミュージカルならではの魅力は、どこにあると思われますか?
これは大きなちがいだと思うんですが、我々が舞台上でやるのはサーカスではないんです。サーカスを作り上げた人物の人生を描く中で、そこで何があったのかを表現するということではないかと。……もちろんそれは映画の中でも描かれている部分ではありますが 。
それから、楽曲がサイ・コールマンによるものだということ。先日木下大サーカスを観に行った時に感じたのは、サイ・コールマンの曲って本当にサーカスにいるような気分になる楽曲が多いんですよ。
――それはぜひ体感してみたい気持ちになります。
本当に心が弾むというかワクワクさせられるような楽曲が多くて、歌稽古をしているだけでも、すごく楽しい気持ちになってきます。だから今作ではその音楽と、そこに乗る言葉の魅力は絶対的にあると思うんですよね。
そして、メインとなるのがバーナムとチャイリーのやりとり。そこで描写されるのは夫婦間の愛情や、揺れ動きながらも行動して行くバーナムの行動力、さらにひとりの興行者として彼がどんな人生を歩んだのかという人間ドラマだと思うので、そこに注目していただけたらと思います。
サーカスシーンでは木下サーカスさんのご協力のもと、映像を使ったりしながら今の時代だからこそできる表現方法を探って行くそうなので、荻田さんの演出を僕も楽しみにしています。摩訶不思議な魅力の中にみなさんをご招待できると思いますよ。