• HOME
  • topic
  • REPORT
  • 柚希礼音、愛希れいか ら登壇。ミュージカル『マタ・ハリ』制作発表会見レポート!「人生のすべてをかけて、挑みたいと思います」

柚希礼音、愛希れいか ら登壇。ミュージカル『マタ・ハリ』制作発表会見レポート!「人生のすべてをかけて、挑みたいと思います」

REPORT

2025年10月1日(水)より東京・東京建物 Brillia HALLを皮切りに、大阪、福岡にて、ミュージカル『マタ・ハリ』が上演される。

本作は、『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』をはじめ数々のメガヒットミュージカルを手掛ける作曲家フランク・ワイル ドホーンによって、2016年に韓国で生み出された。

日本では、2018年に初上陸。石丸さち子訳詞・翻訳・演出のもと新た に誕生した本作は、数多くの観客を魅了し連日熱狂の渦に包まれた。2021 年には新型コロナウイルスの影響による緊急 事態宣言下での再演を経て、2025年、遂に3度目の上演が実現する。

ワイルドホーンの美しく壮大な音楽と、登場人物たちの心の動きを繊細に映し出す石丸さち子の巧みな感性によって、激情に 燃える人々のドラマチックな世界観が約4年ぶりに蘇る。日本では初披露となる新曲も追加され、より一層深みを増した 究極の『マタ・ハリ』が届けれられる。

タイトルロールとなるマタ・ハリ役には、日本初演から圧倒的なカリスマ性を放った柚希礼音。同役ダブルキャストは、今年 NHK大河ドラマにも出演しその可憐な演技で好評を博した愛希れいかが再演に引き続き務める。

そして、彼女の運命を 変えてゆく2人の男性。マタに対して歪んだ愛情を抱きながらも国家戦略として彼女をスパイに引き入れたいフランス諜報局の ラドゥー大佐と、マタに真っすぐな愛を示す青年パイロットのアルマン。この全くタイプの異なる2役を、初演時に回替わりで見事に 演じ分け大喝采を浴びた加藤和樹が回替わりで演じる。さらに、そのダブルキャストとしてラドゥー大佐役には、華やかな存在感で幅広い作品に出演し第一線で活躍し続ける廣瀬友祐が初登場。

また、アルマン役のダブルキャストには、近年次々 と話題作で主演を務め躍進を遂げる若手ミュージカルスター甲斐翔真が初挑戦。フランスと敵対するドイツの将校ヴォン・ ビッシング役は、舞台・映画・テレビドラマとジャンルを超え俳優として広く才能を発揮している神尾佑。そして、どんな時もマタ を献身的に支え続ける衣裳係のアンナ役には、これまで数多の出演作を通して絶大な信頼を築き上げてきた春風ひとみが 前回に続き出演する。

今回は、柚希礼音、愛希れいか、加藤和樹、廣瀬友祐、甲斐翔真、神尾佑、春風ひとみ、訳詞・翻訳・演出:石丸さち子が登壇した制作発表会見の様子をお届けする。

まずは、歌唱パフォーマンスが披露され、甲斐翔真が「普通の人生」、愛希れいかが「一生の時間」、加藤和樹が「戦いが終わっても」、柚希礼音が「この命の最期に」をそれぞれ情感たっぷりに歌い上げた。

その後は、質疑応答の時間へ。登壇したキャストから本作への意気込みなどが語られた。

質疑応答コメント

公演への意気込み

柚希礼音

今回が3度目の挑戦となりますが、大好きな役を再び演じさせていただけることを心から嬉しく思っています。人生のすべてをかけて、挑みたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

愛希れいか

私は2021年の再演から参加させていただいており、今回は2度目の挑戦になります。前回はいろんな意味で悔しい思いがありましたので、今回は石丸さんをはじめ、スタッフ・キャストの皆さんと共に、一からやり直す気持ちで臨みたいと思っております。初演のつもりで取り組みたいですし、柚希さんもおっしゃっていたように、全てを賭けられる役に出会えることは本当に幸せだと感じています。その幸せを胸に、皆様に最高の舞台をお届けできるよう努めてまいります。

加藤和樹

ラドゥー、そしてアルマンの二役を務めます加藤和樹です。僕は初演から参加しており、その時はラドゥーとアルマンの二役を演じました。再演ではラドゥーのみでしたが、今回は「アルマンもぜひ」とお声がけいただき、再びこの二役に挑戦できることをとても光栄に思っております。この数年で積み重ねてきた経験を活かして、今だからこそ表現できるラドゥーとアルマンを、真摯に演じていきたいと思います。

廣瀬友祐

ラドゥー役を務めさせていただきます廣瀬友祐です。今回は初めてこの作品に参加させていただきます。演出の石丸さんとはこれまで近い距離でお仕事をする機会がありながらも、ご一緒するのは今回が初めてで、とても嬉しく、光栄に思っております。初演、再演、そして再々演と、この作品が多くの方に愛されてきたことを実感しています。その歴史に敬意を払いながら、新たなワンピースとして精進していきたいと思います。

甲斐翔真

アルマンを演じます甲斐翔真です。『マタ・ハリ』は初演から拝見しており、ずっと大好きだった作品なので、今回出演させていただけることが本当に嬉しく、ワクワクしています。先ほど、「普通の人生」というナンバーを歌わせていただきました。アルマン自身は普通の生活が嫌になるほど鬱屈としたものを抱えていたのですが、マタ・ハリや戦況などによって、普通の人生に憧れるという。今のこの時代も、当たり前だと思っていたことがどんどん当たり前でなくなっているのがすごく重なるなと。2025年にこの役を演じる意味を舞台上で見つけられたらと思いながら、本番に臨みたいと思います。

神尾佑

ビッシング役を務めさせていただきます神尾佑です。先ほど素晴らしい歌を聞かせていただいて、いよいよ始まるんだという気持ちが一気に高まりました。僕はミュージカルの世界ではまだまだ若輩者でして、今回は先輩方の胸を借りるつもりで精一杯臨みたいと思います。そして、石丸さんは以前からご一緒したいと思っていた演出家のお一人でしたので、今回の共演をとても楽しみにしております。人生をかけて、この舞台に向き合っていきたいと思います。

春風ひとみ

アンナ役の春風ひとみです。『マタ・ハリ』という作品が本当に大好きで、今回もまたその音楽を聞いて、懐かしさと同時に改めて心が震える感覚を覚えました。私は再演から参加させていただいており、今回またこの役に挑戦できることに感謝しております。再演の稽古では、柚希さんと愛希さんの佇まいにとても感動しました。長く舞台に立っていると多くの後輩に出会いますが、お二人の姿勢には本当に心を打たれました。今回も、宝塚の上級生・下級生という関係を思い切り活かして、精一杯支えていきたいと思っています。皆さんが「人生をかけて」とおっしゃっていますが、私もその熱にしっかりと応えられるよう、大きな気持ちで臨みたいです。個人的には日本での舞台は久しぶりですので、その思いも込めて、大切に演じてまいります。

詞・翻訳・演出:石丸さち子

先ほどの歌唱披露の楽曲を聴きながら、「いよいよ始まるんだ、命をかけた闘いが」と、私自身の気持ちも新たにしておりました。まず、この作品が初演から再演、そして今回の再々演へとたどり着けたのは、私たちだけの力ではなく、何よりも観客の皆様がこの作品を愛し、支えてくださった賜物です。

韓国版は、フィクションとノンフィクションがほどよく織り交ぜられており、それが『マタ・ハリ』というミュージカルの核を形づくっています。日本版では、自信をもって柚希礼音さんと愛希れいかさん、それぞれ異なる魅力を持つ2人のマタ・ハリをお届けできると思います。その魅力は、この再々演版の稽古でまた違ってくると思います。

そして初演ぶりに二役を演じる加藤和樹さん、今回初参加となる廣瀬友祐さんのラドゥー、そしてアルマン役の甲斐翔真さん。彼らの新しい魅力に期待しています。どんな新しい『マタ・ハリ』が生まれるか、ぜひ楽しみにしていてください。

前回心残りだったことや、再々演で特に力を入れたいこと

柚希礼音

前回は、最後の3公演が中止になってしまったんです。本当に最後まで走り抜けたかったですし、キャストの組み合わせもいろいろとあったので、千穐楽まで楽しみにしていました。その終わり方があまりにも突然で、とても悔しかったです。

それに加えて、自分自身の声のコントロールがうまくいかなかった場面もあり、苦戦した記憶も残っています。ですから今回は、初演時の自分をなぞるのではなく、今の自分自身のすべてを注ぎ込みたいと思っています。お芝居も、歌も、踊りも。すべての面で新しいマタ・ハリを創り上げる気持ちで挑みたいです。

愛希れいか

私も柚希さんと同じように、やはり公演を楽しみにしてくださっていたお客様の気持ちを思うと、何よりもそれが本当に悔しかったです。

マタ・ハリという人物は私の想像を超えるほど壮絶な人生を歩んでいて、前回も必死に演じましたが、終わった後には「もっとできたのでは」という反省が山ほど出てきました。

今回4年ぶりの再演となりますが、自分の引き出しがどれだけ増えているか、まだわかりませんが、それでもぶつかっていきたいという気持ちでいます。全力で挑みたいです。

加藤和樹

再演のときの悔しさは、もちろん僕の中にもあります。でも今回、再々演という形で、多くの楽しみにしてくださっている皆様に、もう一度作品を届けられるということが、何よりの喜びです。

また今回は、新たに二役を演じさせていただけるということで、それぞれ甲斐くんと廣瀬くんと刺激しあいながらそれぞれの役を作っていきたいと思っています。

僕自身も新たな気持ちで、役作りに臨みますし、この作品は石丸さんの愛が強すぎる作品でもありますが、その愛を我々が受け取って、お芝居や歌で観客の皆様に返していきたいと思います。

春風ひとみ

今回は、舞台上では見えない部分――マタとアンナの関係性などをもう一度しっかり見つめ直したいと思っています。前回は自分のことで精一杯でしたが、あのとき感じた出会いや感情を、もっと深く掘り下げていきたいです。

今回、本作へ初参加となる意気込み

廣瀬友祐

Wキャストとして加藤和樹さんとご一緒できることは、本当に光栄です。切磋琢磨しながら、良い関係を築いていければと思っています。

この作品や役に対しては、まだまだ勉強不足で語りきれない部分もありますが、役について紹介されたときに「歪んだ愛」という言葉が印象的でした。その言葉がずっと頭に残っていて、「歪んだ愛」とは何か?と考え続けています。

そもそも、当時の時代や世界自体が歪んでいた中で、その中で生きる人たちの愛が本当に歪んでいたのかどうか……。むしろ、そういった混沌とした世界の中で、歪んでいないものが何なのか、役を通じて見つけていけたらと思っています。

甲斐翔真

楽曲の話にも出てきた「飛行機の上から見た世界の美しさ」というものに、個人的にとても共感できる部分がありました。実は僕、飛行機に乗るときは、離陸と着陸のタイミングで必ず窓の外を見たいタイプなんです。旅先の空や風景が大好きで。

ただ、アルマンは“旅を楽しむ”ために飛行機に乗る人ではありません。戦争中に美しいものを見に行くために飛行機に乗っているわけではない、でもそこに美しさを見いだせる人という意味では、そこを追求して役作りをしていきたいです。

神尾佑

演劇というものは、稽古を重ね、本番を迎え、続けていく中で、少しずつ発見や理解が深まっていくものだと感じています。

「最初から全部理解していないといけない」と思いがちですが、やってみて初めて見えてくることも多い。その繰り返しが舞台の面白さであり、再演・再々演によって作品が成長していく理由なのだと思います。

この『マタ・ハリ』という作品は、実在の人物をベースにしているからこそ、人間の真実や人生の本質のような“核”がきっと根底にあるはずです。そういったものを、自分なりに探し出していけたらと考えています。

ミュージカル『マタ・ハリ』は、2025年10月1日(水)より東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、 10 月20日(月)より大阪・梅田芸術劇場メインホール、11月1日(土より福岡・博多座 にて上演予定。

文・撮影:THEATER GIRL編集部

公演概要

ミュージカル『マタ・ハリ』

脚本:アイヴァン・メンチェル 作曲:フランク・ワイルドホーン 歌詞:ジャック・マーフィー
オリジナル編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ホーランド
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子

出演(ダブルキャスト出演有り):
柚希礼音 愛希れいか 加藤和樹 廣瀬友祐 甲斐翔真 神尾佑 春風ひとみ 他

[東京]2025年10月 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
/主催:梅田芸術劇場・東宝・アミューズクリエイティブスタジオ
[大阪]2025年10月 梅田芸術劇場メインホール/主催:梅田芸術劇場
[福岡]2025年11月 博多座/主催:博多座

企画・制作:梅田芸術劇場
お問合せ:
梅田芸術劇場(10時~18時) 東京0570-077-039/大阪06-6377-3800
博多座(10時~17時)092-263-5555

◇公式ホームページ:https://www.umegei.com/matahari2025

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

プロフィール

PICK UP

関連記事一覧