数奇な運命をたどる双子の物語。ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』上演決定!
2026 年 3 月よりシアタークリエにて、ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』の上演が決定した。
1983年のイギリスでの初演以降、ウエストエンド、ブロードウェイをはじめ、ドイツ、オーストラリア、韓国などで上演され、巧みなストーリー展開と楽曲の素晴らしさを最大の魅力としながら、階級社会を背景に親と子、兄弟の絆、人間の運命という、国境を越えた普遍的なテーマをもつ本作。1983年にはローレンス・オリヴィエ賞の最優秀新作ミュージカル賞を受賞、日本でも1991年以来、繰り返し上演されてきた名作。
本作の脚本・音楽・歌詞を手掛けたウィリー・ラッセルは、1974 年ビートルズを題材にしたミュージカル『ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ…そしてバート』を執筆、その年のイブニングスタンダード賞とロンドン劇場批評家協会賞を受賞。
1986 年に執筆した『シャーリー・バレンタイン』はウエストエンドで絶賛され、1989 年にはブロードウェイで大成功を収め、トニー賞主演女優賞をもたらした。
また、1983 年に執筆した『リタの教育』と『シャーリー・バレンタイン』はともに長編映画となり、マイケル・ケイン、ジュリー・ウォルターズ、ポーリン・コリンズがそれぞれの役でアカデミー賞にノミネートされ、ラッセルもアカデミー賞にノミネートされている。
そのラッセルが1981年に学校演劇用として執筆した『ブラッド・ブラザーズ』は、1983年にオリヴィエ賞の最優秀新作ミュージカル賞を受賞後、1988年に再演され、2012年11月までの24 年間、ウエストエンドで1万回以上も上演された。
1993 年から2年間ブロードウェイでも上演、1993年のトニー賞最優秀ミュージカルにノミネートされた後、現在も世界各国で上演され続けている。そして満を持して2026年3・4月、シアタークリエで、東宝製作作品としてはおよそ 17 年ぶりに、日本版が上演される。
演出を務めるのは、演劇界を代表する演出家の1人、日澤雄介。2000 年劇団チョコレートケーキを結成以降、演出家のみならず俳優としても活動しつつ、『起て、飢えたる者よ』『治天ノ君』で第21回読売演劇大賞優秀演出家賞、劇団公演『生き残った子孫たちへ 戦争六篇』では、第30回読売演劇大賞を受賞。劇団公演以外でも『芸人と兵隊』『M.バタフライ』『アルキメデスの大戦』『蜘蛛女のキス』なども手掛け、活躍の場を広げている日澤雄介が、名作『ブラッド・ブラザーズ』に挑む。
出演は、舞台『鬼滅の刃』 竈門炭治郎役で主演を重ね、本年 4 月にはミュージカル『フランケンシュタイン』でビクター・フランケンシュタイン/ジャック役で主役を演じ、情感豊かな表現力を見せた小林亮太と、ミュージカル『ダーウィン・ヤング 悪の起源』の主演ダーウィン・ヤング役をはじめ常に観客を惹き付ける演技を披露、本年11月には『デスノート THE MUSICAL』で主人公・夜神月役を演じる渡邉蒼が、Wキャストでミッキーを務める。
エディには、ミュージカル『テニスの王子様』手塚国光役で不動の人気を獲得、2024~2025年の帝劇クロージング公演『レ・ミゼラブル』のマリウス役で瑞々しい演技を見せた山田健登と、本年 4 月のミュージカル『フランケンシュタイン』でアンリ・デュプレ/怪物役、続く 8 月にはミュージカル『四月は君の嘘』でクラスで人気者の高校生・渡亮太役と、幅広い役柄で観客を魅了した島太星という、今、ミュージカル界で最も注目を集めるフレッシュな顔ぶれが揃った。
また、ミッキーとエディの幼馴染・リンダにはミュージカル『next to normal』ミュージカル『ジェイミー』と話題作で存在感を見せた小向なる、ミッキーの兄・サミーには、ミュージカル『梨泰院クラス』で好演、今秋にはミュージカル『新テニスの王子様』の出演が控える秋沢健太朗。
謎の語り手として登場するナレーターには、ミュージカル『ミス・サイゴン』のエンジニア役でずば抜けたエネルギーをもって舞台をけん引し、ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』でも個性的なカリスマを放った東山義久が、ブロードウェイミュージカル『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ほか長年にわたり多くのミュージカル作品の出演が続く、戸井勝海がミスター・ライオンズを演じる。
そして、エディを引き取り育てるミセス・ライオンズ役には、宝塚歌劇団元月組トップスターで、退団後は『エリザベート』をはじめ『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』『ラ・マンチャの男』など大作ミュージカルでの活躍のみならず、舞台『モンスター・コールズ』でも圧倒的な演技を披露した瀬奈じゅん。
ミッキーとエディの生みの親でミセス・ライオンズへエディを引き渡すミセス・ジョンストンには、宝塚歌劇団元星組トップスターで、ミュージカル『next to normal』で難役を見事に演じ、『ラグタイム』『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』、本年 7 月にはミュージカル『ジェイミー』で主人公の母親を好演した安蘭けいが務めるなど、実力派のキャストが揃った。
演出:日澤雄介 コメント
まずはじめに、この『ブラッド・ブラザーズ』を演出できることを光栄に思います。
40 年以上前の作品ですが、今なお色褪せずに私たちに感動を与えてくれるこの作品は個人の思惑と共に私たちを取り巻く社会とも密接につながっています。
そして、社会における格差や不平等の問題は残念ながら2025年の私たちに鋭く突き刺さります。
その中で運命に翻弄される双子。そして、母親の存在。
寓話のようでいてどこか生々しい物語を、飛躍と共に冷徹な感情表現の融合を目指してキャストの皆さまと丁寧に作っていければと思っております。
ストーリー
リヴァプールに暮らす子だくさんのジョンストン家に、双子が誕生する。
生活の困窮から、母はやむなく、片方の子を我が子に恵まれなかった裕福なミセス・ライオンズに託す。
こうして、一人はエドワード(エディ)として豊かな家庭に、もう一人はマイケル(ミッキー)として貧しい家庭に、離れ離れで育つこととなった。
やがて運命に導かれるように再会した二人は、同じ日に生まれたことを知り、固い友情を結び〈ブラッド・ブラザーズ(親友)〉を誓う。
しかし年月を重ねるにつれ、彼らの人生は環境の違いによって大きく隔てられていく。
18 歳となったミッキーは、不況により職を失い、幼なじみのリンダとの結婚生活にも翳りが差す。
一方、エディは大学生活を満喫し、将来を約束された存在となる。
血を分けた実の兄弟、ミッキーとエディ。
社会の格差と避けられぬ運命が、二人の行く末を容赦なく裁いていく。
公演概要

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』
<出演>
ミッキー:小林亮太/渡邉蒼(Wキャスト)
ジョンストン家の8番目の子として双子で誕生。貧しい家庭で育ち、やがて
運命に翻弄される青年。
エディ:山田健登/島太星(Wキャスト)
ミッキーの双子としてジョンストン家に生まれるが、ライオンズ家に引き取られ
裕福な環境で成長する。
リンダ:小向なる
ミッキーとエディの幼なじみ。二人の運命に深く関わる存在。
サミー:秋沢健太朗
ミッキーの兄。破天荒でトラブルメーカー的な性格。
ナレーター:東山義久
物語を導く謎の語り手。
ミスター・ライオンズ:戸井勝海
ミセス・ライオンズの夫。裕福な家の主人。
ミセス・ライオンズ:瀬奈じゅん
ミセス・ジョンストンの雇い主であり、子に恵まれずエディを引き取る。
ミセス・ジョンストン:安蘭けい
大家族を抱える母であり、ミッキーとエディの実母。苦渋の選択を 迫られる。
菊地まさはる 白鳥光夏 菅井理久 田代明* 千葉由香莉 花咲まこと* 平山トオル
*(スウィング)
<スタッフ>
脚本・音楽・歌詞:ウィリー・ラッセル
演出:日澤雄介
翻訳:伊藤美代子
訳詞:小林 香
音楽監督:松田眞樹
振付:北尾 亘
美術:長田佳代子
照明:松本大介
音響:山本浩一
衣裳:半田悦子
ヘアメイク:柴崎尚子
歌唱指導:tekkan
稽古ピアノ:久野飛鳥
バンドコーディネート:東宝ミュージック
演出助手:長町多寿子 小貫流星
舞台監督:和田健汰
制作 いとうちえ
プロデューサー:増永多麻恵、柴原 愛
<公演スケジュール>
2026 年3月9日~4月2日 シアタークリエ
2026 年12月20日(土) 一般前売開始予定
ツアー公演
2026 年4月 大阪 サンケイホールブリーゼ
