神宮寺勇太(King & Prince)、中山美穂ら出演。『葵上』『弱法師』 -「近代能楽集」より-ゲネプロ&取材会レポート!
――今の時期ご飯や打ち上げとかは行けませんが、座長として差し入れやケータリングは何か考えていらっしゃいますか?
神宮寺:考えてます、考えてます! でも言わないですよ(笑)。
――教えてくれないのですか?
神宮寺:教えてほしいですか? だってこれバレちゃうじゃないですか。マイクが入っているから、館内に(笑)。
――今日用意しているということですね?
神宮寺:いえ、今日ではないです。
――用意した日がもうある?
神宮寺:はい。今もう館内放送になっちゃっているので、恥ずかしい……。でも元気が出るようなものを用意したいなと。
――中山さんは、宮田さんの演出は初めてでいらっしゃいますよね。稽古場ではどういう印象でしたか?
中山:本当にたくさんのことを教えていただきました。私は落ち込みやすかったり、考え込みやすかったりするタイプなのですが、いろんな言葉を使ってあらゆる角度からこの役、作品についてたくさん説明してくださいました。それがもう全部書き留めてあるほどで……本当に助かりました。いろんなことを考えていらっしゃるし、エネルギーもありますし、尊敬に値する方ですね。
――中山さんにも「役を食べちゃいな」という言葉があったんですか?
中山:「食べちゃいな」はなかったですね(笑)。
――宮田さんは、中山さんとご一緒してみていかがでしたか。
宮田:毎日拝見してもちろん美しいなと思いながら……そしてやっぱりとても知的なんです。三島由紀夫作品が難しいのは三島さんの文学性といいますか、とても美しく格調高いそして論理的に組み立てられた言葉というのがあって。でもそれを役者が生身の言葉として喋っていかなくてはいけない。このギャップを毎日ヒリヒリするほど集中しながら探してくださいました。そこは本当にこの作品をやるにあたって、私の方がずいぶん助けていただいたところがあります。「この台詞、美穂さんこういうふうに埋めてくださったんだ」と、発見もずいぶんさせていただいたし、日によって「美穂さん、今日かっこいいです!」とか言いながら、そんなお稽古をさせていただきました。
――作品の時代的にも、難しい言葉遣いですよね。それを二作品、しかもかなり長い台詞もあって、神宮寺さんなかなか大変だったのではないでしょうか?
神宮寺:本当に(台詞を)覚えられる自信がなかったです……。
宮田:これ短い作品なのですが、二作品同じキャストでやったのは初めてかもしれない。
――そうだったんですね。いろんな方がやっていらっしゃるけれども。
宮田:立て続けにこのヘビーな役を二つやっていただくとは、「なんてことをお願いしてしまったんだろう」と途中からちょっと悩みました。でもこの二人なら大丈夫だと思いました。
――「大丈夫」という宮田さんの言葉もありましたが、神宮寺さんはいかがでしたか。
神宮寺:そうですね、最初のころは夜も眠れなかったです。これを本当に自分が覚えられるのか、不安に思っていました。でもたくさん稽古を重ねていただいたので、僕としてはとてもありがたかったです。そこでいろんなものを自分の中に落とし込む作業ができたので大変助かりました。