久保史緒里(乃木坂46)主演。パルコ・プロデュース2022「桜文」ゲネプロ＆取材会レポート

2022.09.04

REPORT

2022年9月5日（月）より東京・PARCO劇場を皮切りに舞台「桜文」が上演される。

本作は、古き良き日本を舞台に幽玄でエロティック、情感あふれる物語をユニークな感性で美しく描きだすことに定評のある秋之桜子による書下ろしで、演出は寺十吾が手掛ける。秋之とは「西瓜糖」でタッグを組んでおり、その相性の良さは折り紙付き。明治期、吉原随一の花魁をめぐる耽美な悲恋の物語が、機微に触れた情感たっぷりの演出で描き出される。

吉原随一の花魁・桜雅役は乃木坂46のメンバーとして活躍しながら、女優として舞台やTVドラマにも精力的に出演し注目を集める久保史緒里。そして、桜雅が一人前の遊女になる前の少女時代に心から想い合っていた相手・仙太役と、仙太と他人の空似ながら瓜二つの容貌だったために、桜雅と深くかかわっていく小説家志望の青年・霧野一郎の二役をゆうたろうが、禿上がりの若い遊女である振袖新造の葵役を松本妃代が、桜雅の髪を結い続け、吉原随一の花魁となっても心許し信頼した髪結い・与平役を石倉三郎が、当代きっての大店・紙問屋の旦那で物語が大きく動くきっかけとなる桜雅の豪華絢爛な花魁道中を開く西条宋次郎役を榎木孝明が演じる。

今回は、公開ゲネプロと久保史緒里・ゆうたろう・榎木孝明・演出の寺十吾・石倉三郎が登壇した取材会の様子をレポート。

最初に、意気込みを聞かれた久保は「PARCO劇場に立たせていただくのも、グループの外に出て単独での主演も、初めてなので緊張していましたが、たくさん支えられて、無事に初日を迎えられそうだなと思っております。花魁という役柄も初めてなので、お客様がどんな感想を持ってくださるのか楽しみに、1公演1公演噛み締めてやっていけたらと思っています」と述べた。

ゆうたろうは「PARCO劇場には観に来たことがあって、立ってみたいと思っていたので、感慨深いです。初めてのことばかりでゼロから教えていただいて、プレッシャーや緊張感もあるのですが、みんなで幕を開けられるよう頑張ります」と述べた。

榎木は「脚本も演出も照明も音楽も、素晴らしいもの尽くしです。素晴らしい作品が出来上がったと思っています。どうぞご期待ください」と作品の良さをアピール。

石倉は「まさかPARCOさんからお呼びがかかるとは思っていませんでした。この劇場でやらせていただけることを感謝しております。なんとかコロナにも気を付けて、完走したいと思っています」と意気込む。

演出の寺十は「PARCO劇場は初めてなので、お手柔らかにお願いします。お二人の未熟さが希望に満ちていて眩しかったです」と久保とゆうたろうへの印象を語った。

花魁という役についてきかれると、久保は「今まで触れたことがなく、この役をいただくまでは何も知らない状態からのスタートで、お話をいただいた時は驚きもありました。自分で花魁について調べていくうちに、自分にとってはものすごい挑戦になるなと、前向きに捉えるようになりました。百年以上も前のお話で、現代とは感情の大きさや表現の仕方も全く違ったので、当時のことを描いた映像を観て、想像して引っ張り出すことに苦戦しました。過去のことがあって笑わない花魁なのですが、実はいつも通りの日常もあって、その違いをいかにして届けられるかが難しかったです」と率直に語った。

乃木坂46のメンバーからの反応を聞かれると「先輩の樋口日奈さんがビジュアル解禁の時点で”綺麗だね”と言ってくださって嬉しかったですし、5期生のみんなが”観に行きたい”って言ってくれていました」と嬉しそうな表情を見せた。

最後に、公開初日を迎えるにあたって、ゆうたろうは「最初お話をいただいた時は、プレッシャーですぐに”うん”と言えなかったのが正直なところです。焦りもたくさんあったのですが、支えていただきました。最後まで、全力で舞台の上で生き続けたいです」と、久保は「稽古が始まってから、花魁として生きることは決して楽ではなかったのですが、来てくださるお客様には時代を越えて素直な感情のぶつかり合いをお届けできたら嬉しいです。お客様がどんな気持ちで劇場を出られるのか楽しみです。健康第一で頑張ります」とそれぞれメッセージを送り、取材会は終了した。