舞台「ヴァニタスの手記」-Encore-が開幕！　「短い上演期間ですが、思いの丈を込めて“自分史上､一番の色男”を演じます！」（植田）

2023.03.11

REPORT

2023年3月10日（金）に東京・サンシャイン劇場にて舞台「ヴァニタスの手記」-Encore-が開幕を迎えた。

「ヴァニタスの手記」は、月刊「ガンガンJOKER」（スクウェア・エニックス刊）にて連載中の望月淳による人気漫画。「19世紀パリ×吸血鬼×スチームパンク」をテーマに、滅びゆく吸血鬼たちの物語が描かれ、TVアニメが2021年7月から9月まで第1クール、2022年1月から3月まで第2クールが放送。美麗で魅力的なキャラクターたちによって紡がれる物語は多くのファンに支持されている。

2022年1月に初めて舞台化されたが、新型コロナウイルスの影響により演出を変えてわずか１公演が上演され惜しまれつつ閉幕。今回、一部新キャストを迎え、舞台「ヴァニタスの手記」-Encore-として再演されることとなった。

公演前日には関係者に向けたゲネプロと取材会が行われ、ヴァニタス役の植田圭輔、ノエ役の菊池修司、ジャンヌ役の七木奏音、ドミニク役の澤田美紀、ルカ役の前田武蔵、ローラン役の丘山晴己が登壇し、意気込みを語った。

初日に向けての想いを聞かれ、「無念な思いがある作品ですが、稽古を重ねて無事今日という日を迎えることが出来ました。（ルカ役の）武蔵が大きくなっているのを見ると（笑）、時間っていうのはちゃんと経っているんだなというのも感じますし、だからこそ良い部分というものを再確認できた稽古期間でした。このキャストでできる精一杯をやらせていただきますので、応援のほどよろしくお願いします」と静かに語るヴァニタス役の植田。

昨年は無念の降板となった菊池も「ノエとして再び舞台に立たせてもらえるのがすごく嬉しいです。止まってしまった“あの日”が今こうして動き出して、場当たり二幕の照明や舞台の雰囲気を初めて感じた瞬間もたくさんありました。この作品はすごくメッセージ性も強い作品です。ヴァニタスとノエの物語を皆さんにはぜひ温かく見守っていただきたいなと思います。座組一同で作り上げた「ヴァニタスの手記」を、ぜひ多くの方に見ていただけるよう頑張るので、最後まで応援をよろしくお願いします！」と力強いまなざしを取材陣のカメラに向ける。

今回、ジャンヌ役で新たにカンパニーのメンバーとなった七木は「稽古初日からキャストの皆さんの原作やこの舞台に対するこだわりや愛の強さをすごく感じた稽古期間でした。一緒に稽古をして、私なりのジャンヌを大切に積み上げられたことがとても幸せでしたし、これから幕が開いて、皆さんとこの世界をお届けできることがすごく楽しみです。最後まで精一杯ジャンヌとして生き抜いていきたいと思います」と笑顔を見せる。

ジャンヌと行動を共にする少年・ルカを演じる前田は、開口一番「とにかく今回の目標は、ジャンヌをヴァニタスに取られないこと！　これを頑張りたいと思います」と宣言。

「去年の初演からカンパニーの皆さんとは仲良しだったので、もう喋りたくて喋りたくて、楽屋の壁はいらないんじゃないかと思うくらい（笑）。明日には本番が始まっちゃうと思うと、あと1ヶ月稽古と本番を延ばしてくれないかなって勝手に思っています。たった3日間でもルカを120％で演じ切りたいと思います！」という大人顔負けのしっかりしたコメントに、「修司より（コメントが）うますぎない？」と植田が突っ込みを入れると「明らかに超えて来たね（苦笑）。恐ろしい」と焦った表情の菊池。これには取材陣から笑いが起こっていた。

続いてドミニク役の澤田が「今日、この時を迎えられたことを、とても嬉しく思います。このカンパニーでの稽古期間は短いものの、とても濃い時間を過ごさせていただきました。みんなの思いが本当にギュっとギュっとギュっと詰まった舞台なので、この「ヴァニタスの手記」という作品ができる限りたくさんの人の心に届くように、ドミニクとして、頑張りたいと思います」と満面の笑顔でコメントすると、負けないくらいのとびきりの笑顔で「ローラン役の丘山晴己です☆」と挨拶し、場を盛り上げた丘山。

「ヴァニタスの手記」とのファーストタッチは、まず「カルテ」と読むことができなかったところから始まって（苦笑）、吸血鬼と書いて「ヴァンピール」と読むとか色々学んだんですけれども……」と笑いを取って取材陣のハートをがっちりとつかんだ後、改めて「ヴァンピールと人間の違いのように、今世界では色々な差別などがあって、そういうのをヴァンピールと人間の関係であらわしているところがこの作品の魅力的なところのひとつだと思います。この作品の力を借りて、色々なメッセージを発信できたらいいなと思います。演出の山崎さんをはじめ、たくさんのスタッフやお客様に支えられて僕たちは“ここ”に立てているのだなと改めて思いますし、今日を迎えられたのは“奇跡”だと思っています。終わりはすぐそこにありますが、3日間という短いようで長い日々を大事に抱きしめてローランとして生きたいと思います」と真面目なコメントで締めくくった。

「今回の公演に向けて準備してきたことや、改めて意識していること、またご自身が演じる役の今作での見どころを教えてください」との質問に「準備してきたことは特にないかもしれませんが、前回の公演後にアニメ2期の放送が始まり、原作のストーリーも進んでよりヴァニタスの過去や想いについて触れる機会をいただいたので新たな発見もありました。今回演じるうえで、そこはトレースしたいなと思っています。見どころは全部です！」と自信をのぞかせる植田。

菊池は「役者として学んできた様々な感情をノエとして表現して、さらにこの1年間で成長した僕を見せられたらいいなと思っております。特にヴァニタスとノエの会話は大事な言葉やセリフがたくさんあるので、そこがひとつの見どころなのかなと思っています」と語った。

「私は前回の１度限りの公演を映像で観させていただき、そこから皆さんの計り知れないたくさんの想いが伝わってくるのを感じました。私もルカ様との関係性を大切に、この舞台を作っていきたいと思っています」と、横に並ぶ前田に優しい視線を向ける七木。

それを受けて「僕の見どころは、ジャンヌを奪われたルカが怒り狂うところ（笑）」と、ルカとしてブレない発言の前田。「この１年間で思ったことは……去年の公演時には５年生で今年６年生になったんですけど、５年生レベルでこの舞台をやったら、ちょっとぎこちなかったと思うんですね。でもこの１年で何度もアニメを見て「ここはこうなるんだ」とか学んでから再演の舞台に立ちたいなと思っていたし、前回セリフを噛んだところとかゴチャゴチャゴチャ～ってなったところとか、感情がこもっていなかったところを修正して舞台に立ちたいなと思っています」と、非の打ちどころのない優等生な回答を連発すると、植田が「完璧やん（笑）」とつぶやき、菊池も「本当にすごいな、君は（苦笑）」とあっけにとられた表情になっていた。

「この後にコメントするのはキツイですね」と苦笑いの澤田だったが、「ドミニクという役で一番気にしているのは優雅さ。前回の公演を下回らないことを目標に、柔軟に大切に演じていきたいと思います。あと原作にはないドミニクのアクションシーンがあるので、そこは見どころです」と元気にアピール。

丘山は「私としては、昨年より１歳年を重ねたことでローランと歳が離れてしまうので、アンチエイジングを大切にしていきたいと思っています（笑）」と、またもや独特な回答で会場の笑いを誘った。

会見の最後には、カンパニーを代表して菊池と植田からメッセージが寄せられた。

菊池「今回、Encore（アンコール）ということで、スタッフさんや楽しみにしてくださっている大勢の皆様のおかげで、再びノエとして「ヴァニタスの手記」という作品をこのカンパニーで届けられることをとても嬉しく思っております。その期待に応えられるように、1年前のものよりも素敵な「ヴァニタスの手記」を届けたい。今はただがむしゃらに、無事千秋楽を迎えたいという思いです。ぜひ劇場に足を運んでいただければなと思っております」

植田「本当にいい空気の中で、ここまで来ることができました。短い日程の公演数ではありますが、思いの丈をぶつけるには十分な期間なのかなと感じております。さきほど作品に関していろいろお話をしましたが……個人的なことを言いますと、おそらく“自分史上、一番の色男”の役なんじゃないかなというふうに自負しております（笑）。普段は色気のかけらもないちんちくりんではございますが、「絶対に武蔵（＝ルカ）からジャンヌを奪ってやる！」という気持ちでおりますので、ぜひ“エロ植田”ご堪能ください（笑）」

舞台「ヴァニタスの手記」は、2023年3月10日（金）12日（日）までサンシャイン劇場にて上演。また大千穐楽公演はライブ配信されるほか、9月にはBlu-ray & DVDの発売も決定！　公演や配信、Blu-ray & DVDに関する情報は公式サイトを要チェック！

取材・文：近藤明子

舞台写真

ストーリー

19 世紀フランス。
人間と吸血鬼(ヴァンピール)による過去の戦争の後、吸血鬼たちは人間を襲うことを禁じられ、そのほとんどが「境界」の向こう側の世界へと姿を消した。しかし、今なお人間の世界に混ざり暮らしている吸血鬼も多く、正体を隠しながら生活を続けている。

ある日、吸血鬼の青年・ノエは、先生に頼まれ吸血鬼に呪いを振りまくという機械仕掛けの魔導書“ヴァニタスの書”を探しにパリへと向かっていた。
パリ行きの飛行船の中で、とある事件に巻き込まれたノエの前に現れたのは、吸血鬼専門の医者を自称する人間・ヴァニタス。その手には、ノエが探していた“ヴァニタスの書”があり…。

蒼い月の下、二人の出逢いに導かれ、呪いと救いの吸血鬼譚がいま始まる。

公演概要

舞台「ヴァニタスの手記」-Encore-

公演日程：2023年3月10日（金）～12日（日）サンシャイン劇場

【原作】望月淳「ヴァニタスの手記」／「ヴァニタスの手記」製作委員会
【脚本・演出】山崎彬

【CAST】
ヴァニタス：植田圭輔　ノエ：菊池修司／
ジャンヌ：七木奏音　ドミニク：澤田美紀　ルカ：前田武蔵
ルイ：矢代卓也　オルロック：中村哲人　Dr.モロー：鈴木理学
ルスヴン：鷲尾昇
ローラン：丘山晴己

【SUBCAST】
先生、ほか：浅野康之　ノックス、ほか：香月ハル　マーネ、ほか：酒井翔悟
アメリア、ほか：渡辺菜花　ベロニカ、ほか：下村彩　カトリーヌ、ほか：野島怜衣珠
マリア、ほか：黒須杏樹　ジョルジュ、ほか：海本博章　蜘蛛の仮面の男、ほか：佐松翔

舞台「ヴァニタスの手記」-Encore- Blu-ray & DVD発売決定！
発売日：2023年9月27日（水）

仕様：[完全生産限定盤]
●Blu-ray：\10,780(税抜価格\9,800)【ディスク2枚組(本編BD+特典映像DVD)】
●DVD：\9,680(税抜価格\8,800)【ディスク2枚組(本編DVD+特典映像DVD)】
[アニメイト・ANIPLEX＋限定セット]
●Blu-ray：\11,330(税抜価格\10,300)【完全生産限定版[BD]+特典DVD】
●DVD：\10,230(税抜価格\9,300)【完全生産限定版[DVD]+特典DVD】
発売：アニプレックス　販売：ソニー・ミュージックソリューションズ

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