葵わかなインタビュー「冬のライオン」「アレーの持つ本質的な真っ白さを意識して演じられたら」（後編）

2022.02.25

INTERVIEW

2022年2月26日（土）から東京芸術劇場プレイハウスにて舞台「冬のライオン」が上演されます。

本作は、英国王家の草創期、イングランドの国王ヘンリー二世が居城としていたフランス中部のシノン城に、領土、そして跡目を誰が継ぐのか決着をつけるべく、妻のエレノア、長男リチャード・次男ジェフリー・三男ジョン、そして王の寵愛するアレーと、その異母弟で敵国フランス王のフィリップが一同に会すことから始まります。

演出を務めるのは森新太郎さん、出演者には、ヘンリー二世役の佐々木蔵之介さんを始め、加藤和樹さん、水田航生さん、永島敬三さん、浅利陽介さん、高畑淳子さんと豪華キャストが揃いました。

THEATER GIRLがお話をうかがったのは、ヘンリーの愛妾でフランス王女のアレー役を演じる葵わかなさん。インタビュー後編では、森新太郎さんの演出についてや葵さんの感じる舞台のお仕事の魅力についてうかがいました。

インタビュー前編はこちら

森さんの懐に飛び込んでいくような気持ちで参加できれば

――今回、森新太郎さんの演出を受けられるのは初めてとのことですが、いかがでしょうか。

今回ご一緒させていただく前から、森さんの舞台をたくさん観させていただいていたので、ご一緒できることがすごく光栄です。

森さんを素敵だと思ったきっかけが、いろんなジャンルに関わっていらっしゃるところで。シェイクスピアをやられたり、かと思えばミュージカル『ピーター・パン』をやられたりもしているじゃないですか。そのバイタリティというか、どういう思考回路や生き方で、お仕事を選択しているのか気になったのが、最初のきっかけだったんですよね。

森さんの演出はきっとすごいんだろうなと思うので、稽古場という密に関われる場所で、それに触れることができるのは、すごく楽しみです。指導していただくことに関しては、本当にストレートプレイに関しては何もわからない状況なので、森さんの懐に飛び込むような気持ちです。

浅利（陽介）さんから、森さんはすごく細かくて丁寧な方だとうかがっていて、きっと根気強く向き合ってくださる方だと思うので、森さんを信じて、自分も信じてもらえるように、ぶつかっていけたらなと思います。

目の前にお客さんがいることがすごく大きい

――葵さんは、ミュージカル『ロミオ＆ジュリエット』やミュージカル「アナスタシア」など、様々なミュージカル作品に出演されていますが、葵さんの感じる舞台のお仕事の魅力についてうかがえますでしょうか？

やっぱり目の前にお客様がいることがすごく大きいなと思います。どこからでも観られますし、どこを切り取ってもその役でいなきゃいけないという緊張感と、失敗できないという緊張感があって。その綱渡りのような感覚というのはすごくスリルがありますが、お芝居をする上でその油断のなさというのはすごく大事だなと思うので、今一度知らしめられるところがとても勉強になるなと思います。

あとは、自分が何か発したり表現したりしたものがお客様に直接届いて、ロスタイムなくリアクションも返ってきます。自分の表現が誰かに伝わっているという実感は、映像でお芝居をするにしても他のお仕事をするにしてもすごく大事なものだと思うので、それを現場で味わえるのは、自分にとってはすごく大きいことだなと毎回やっていて感じます。