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加藤和樹が韓国の“歌うヴァイオリニスト”KoNと後輩俳優・吉高志音と共に初のジョイントコンサートを開催! 日韓の名作ミュージカルナンバー満載のステージにファン歓喜‼

REPORT

3月31日に、俳優でアーティストの加藤和樹と韓国人 ヴァイオリニスト でミュージカル俳優のKoN、若手俳優・吉高志音によるコンサート「Community Concert『Kaz♪KoN 2023』」が東京・日経ホールにて行われた。

加藤とKoNは2012年に放送されたフジテレビ系ドラマ「赤い糸の女」の共演をきっかけに、約11年の長きにわたり友情を深め、「いつか一緒にコンサートをしたい」という想いを抱くようになったのだそう。

この度、加藤とKoN、そして加藤の事務所の後輩で2.5次元舞台でも活躍中の人気若手俳優・吉高志音を加えた3人で、日韓で上演されてきた人気ミュージカルの楽曲を中心にしたコンサートを開催する運びとなった。

オープニングナンバーは、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』から「世界の王」をチョイス。1曲目からパワフルな歌声と手拍子が響き渡り、開始早々会場内の温度がグングンと上昇していくのが肌で感じられた。

「皆さん、こんにちは。元気ですか? 今日は『Kaz♪KoN 2023』へようこそ!」と加藤。

KoNも「皆様こんにちは! KoNです。会いたかったです」と流暢な日本語で挨拶をする。

この日が記念すべき初コンサートとなった吉高は、1曲歌い終わって緊張が解けてきたのか、客席に向かって笑顔で「イエーイ!」と声を上げると、加藤&KoNが「若いなぁ~」「可愛さアピール?」とポツリとつぶやき観客の笑いを誘う(笑)。

お兄さん二人の愛ある“いじり”にリラックスした表情になった吉高がソロコーナーのトップを飾り、ミュージカル『マタハリ』の「普通の人生」を歌い上げると、透明感と甘さが漂うフレッシュな歌声に観客は耳を奪われる。さらに加藤と吉高のデュエットでは、先ほどまでの可愛らしい雰囲気は影を潜め、アーティストとして堂々とステージに立ち歌声を響かせる後輩の姿に、加藤も頼もしさを感じている様子だった。

続いてKoNが、ミュージカル『フランケンシュタイン』より「後悔(Regret)」を熱唱。しっとりした中にも包容力のある歌声で観客を優しく包み込む。

ソロコーナーのトリを飾る加藤は、ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』の「こんな夜が俺は好き」を披露。ステージに現れた瞬間から、“ジャック”を感じさせる歩き方と表情……全身から狂気のエネルギーをほとばしらせて歌う姿に思わずゾクゾク! 舞台袖で見ていたKoNも同様の印象を持ったようで、「和樹さんはとても優しい人だと思っていたけれど、今歌っている姿を見てちょっと怖くなりました」とストレートな感想を述べると、場内に笑いと拍手が起こった。

かくいうKoN自身も「役が憑依する」経験は何度もしていると語り、ここから日韓ミュージカル俳優による舞台の裏話でひとしきり盛り上がったのだった。

トークの後には、KoNが主演した韓国オリジナルミュージカル『PAGANINI』の劇中歌「私は生きたい(I want to live)」と、名曲『ラ・カンパネラ』を含むパガニーニメドレーをロックアレンジで。そしてKoNが作曲し、現在準備中という新作ミュージカル作品の曲を初披露することに。ドラマチックな歌声もさることながら、全身を使って激しく掻き鳴らすようにプレイする ヴァイオリンの超絶技法は圧巻で、まさに「悪魔に魂を売った ヴァイオリニスト 」がステージ上に降臨したような錯覚を覚えたのだった。

息を切らしながらの熱いパフォーマンスを目の当たりにした吉高は「僕、口が開きっぱなしで聴いていました。まるでヴァイオリンが言葉をしゃべっているようでドキドキしました」と興奮気味にコメント。加藤も「KoNさん、素敵な演奏をありがとう」と盟友の熱演に拍手を送った。

コンサート中盤には、加藤とKoNの出会いを紹介するコーナーもあり、二人が初共演したドラマ『赤い糸の女』の撮影秘話と共にスクリーンに当時の写真が次々と映し出される。懐かしい写真を見ながら照れたような表情を浮かべる加藤。KoNからは撮影現場で目撃した加藤のキュートな様子や天井の低いレコーディングスタジオで苦労した話など、爆笑エピソードが次々と語られる。

大切な思い出のアルバムを紐解くように、当時加藤と交わした会話のひとつひとつを楽しそうに語るKoN。その記憶力の良さに驚きつつ無邪気な笑顔を見せる加藤。通訳が付いているものの、観客への呼びかけや加藤との簡単な会話では流ちょうな日本語が飛び出すKoNに対し、加藤も韓国語を交えつつ思い出話に花を咲かせる。いつまでも話が尽きない様子の二人だったが、最後にドラマ主題歌「愛はどこに」を3人で歌い、再びミュージカルコーナーへと突入した!

ミュージカル『エリザベート』から「闇が広がる」を加藤“トート”と吉高“ルドルフ”バージョンで披露するが、ピュアな吉高のボーカルに絡みつくような加藤の大人の色気が漂う歌声がなんとも背徳的。エンディングで吉高に向けて右手を伸ばした加藤が、指でからめとるようなしぐさを見た観客の胸はズッキューン♡と撃ち抜かれていた(はず)。

KoNも同じような感覚に陥ったようで、「和樹さんが素直な志音さんを悪い方向に誘惑しているように見えました」と言うと、会場内からは笑い声と共に同意(!?)の拍手が起こったのだった。

コンサート終盤には、加藤による「Where In the World」(ミュージカル『ファントム』)、KoNによる「This is moment」(ミュージカル『ジキル&ハイド』)に続き、KoNの熱烈なリクエストにより加藤と二人で「君の夢の中で(In your Dream)」(ミュージカル『フランケンシュタイン』)を韓国語でデュエットすることに。

劇中に登場する“アンリ”と“ビクター”という二人の青年の友情を歌ったこの曲は、“表現者”として10年以上にわたって友情を育んできた加藤とKoNの姿と重なるものがある。二人が生み出す美しいハーモニーに身をゆだねていると、お互いに対する“尊敬”と“信頼”といった温かな感情が体の隅々までゆっくり染み込んでいくような気がして胸が熱くなる。

たとえ言葉は違えども、メロディーに乗せた “想い”はきっと多くの人の心へと届けることが出来る――そんな二人の熱いメッセージが感じられる素晴らしい歌声と、力強く抱擁を交わす姿に、ひときわ大きな拍手が鳴り響いたのだった。

本編最後は、ミュージカル『ジーザスクライストスーパースター』より「Could We Start Again,Please?」を加藤、KoN、吉高の3人で熱唱。

ゆったりとしたピアノの伴奏にのせて響く加藤の甘く優しい歌声。吉高のクリアなハイトーンボイスが美しく響き、KoNの力強い歌声が会場全体を包み込む。

三人三様の個性を放ちながらも、溶け合うようなハーモニーがなんとも心地良い空間を作り上げていた。

アンコールを促す拍手の中、再び登場した3人は満足げな笑顔を浮かべていた。

吉高「本日は本当にありがとうございました。今日がコンサートデビューなので、お客様の前で歌うのが初めてで不安な気持ちでいっぱいでしたが、和樹さん、KoNさん、スタッフの皆さん、そしてお客様に助けていただいてここに立てています。改めて音楽が好きだなと思った時間でしたし、今後もこういう機会を持てるように精進していこうと思いました」

加藤「音楽でつながる空間・時間というのは本当に素敵だなと改めて思いました。まさか10年の時を経てKoNさんと同じステージに立てるなんて夢にも思ってもいませんでしたし、今日来てくださったお客様と共にこのステージを作り上げられたことがとても誇らしいです。日常生活で嫌なことがあっても、こういう最高の時間があるから頑張れる。今後も表現者として頑張って歌い続けていきたいと思います。ありがとうございました」

KoN「コミュニティーコンサートは初めてだったのですが、素晴らしい二人と、そしてお客様とご一緒できて幸せでした。お客様とひとつになれてとても感激しました。特に和樹さんと私は10年以上前からこの瞬間を待ち望んできましたので、さきほど二人でデュエットをしながらちょっとグッときました。皆さんのおかげで素晴らしいコンサートを作り上げることができて心から感謝いたします。ありがとうございました」

アンコールの曲は、ミュージカル『キンキーブーツ』より「Raise you UP」。

ステージを左右に歩きながら客席を隅々まで見渡し歌う加藤。観客も一緒になっての「raise you up」コールでは、KoNと吉高がお互いを指さすお茶目なポーズで曲を盛り上げ、総立ちの観客一人一人の楽しそうな表情がライトに照らし出されているのがステージからもよく見えたことだろう。

加藤「今日はありがとうございました!」
吉高「素敵な時間をありがとうございました‼」
KoN「また会いましょう!」

国境を越えた友情によって実現した、日韓のミュージカル界を牽引する若き才能が作り上げた奇跡のステージ。その瞬間に立ち会えたことに感謝し、今後もこのような素晴らしい機会を多くの人々が共有できるようにと願わずにはいられない。

取材・文:近藤明子

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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